さまざまなアルバイトの中でも求人が多い仕事の1つとして、検品作業や仕分け作業などの倉庫バイトが挙げられます。特別なスキルや経験が求められるわけでもなく単純作業が中心の仕事ですが、経験した人の中には「きつい」という声も少なくありません。とは言え倉庫内の作業にもいろいろな種類があって体力的な負担も異なるため、全部が全部きつい仕事だと一概には言えないものです。
そんな倉庫バイトの仕事内容について、作業の種類ごとに特徴をまとめてみました。アルバイト求人サイトで募集を見かけて気になっているという人も、この記事を読めば自分に合った求人を選ぶための予備知識が身につきます。
倉庫の仕事も含めた軽作業バイト(パート)については、以下の記事で詳しい情報をまとめておきました。
倉庫バイトの仕事内容
小売店やネット通販サイトなどの流通業界では商品を迅速に提供できるようにする目的で倉庫を設け、一定量の商品を常にストックしておくのが一般的です。5,000万品目以上もの商品を扱うAmazonでは物流センターの倉庫が巨大化しているだけに、倉庫内の作業も極限まで合理化されています。
最近はコストカットのため自社で倉庫を持たず、外部の物流倉庫に商品を預けるようになった企業も少なくありません。そうした倉庫の仕事は多岐にわたりますが、アルバイトのスタッフが担当するのは以下のような作業が中心です。
- 検品
- 入庫
- 流通加工
- ピッキング
- 仕分け
- 梱包
- 棚卸し
- 出庫
倉庫内では複数のスタッフが役割分担し合いながら流れ作業で商品を処理していく中で、1人が複数の作業をこなす場合も珍しくありません。Amazonやヤマト運輸などが募集する倉庫バイトは勤務先が1つの物流センターに固定されますが、派遣会社に登録した場合はその日によって働く倉庫の場所が変わってきます。
求人の多い倉庫作業
倉庫内で役割分担されている作業の中でも、検品や仕分け・ピッキング・梱包といった仕事は求人数も多くなっています。このうち検品作業は入庫の際に商品の数が合っているかどうか確認するとともに、商品が破損したりしていないかチェックする仕事です。最近は値札付けやラベル貼り・包装・組み立てなど、流通加工をサービス内容に組み込んで付加価値を高めている物流倉庫も少なくありません。
ピッキング作業は注文に応じて商品を集める仕事で、ショッピングカートに似た道具を用いて商品を運搬します。倉庫型の店舗で買い物をするような感覚に近い作業ですが、Amazonクラスになると面積も広大なため倉庫内を移動するのもなかなか大変です。
何万点という種類がある商品の中から目的の品を分類に従ってスピーディーに見つけ出し、限られた時間内で集める作業には要領も要ります。万が一間違えてピッキングした場合はクレームにつながりますので、スピードと同時に正確さも求められるのがピンキングスタッフの特徴です。
選び出された商品を配送先ごとに整理する仕分けスタッフも、タウンワーク等では募集を多く見かけます。郵便物の仕分け作業なら荷物も重くないのでまさに軽作業ですが、大型商品を扱う場合は取り扱うのに相応の体力が必要です。
Amazonのように大量の商品を扱う物流センターでは仕分け作業も合理化されており、商品を入れた箱がベルトコンベアで流されてきます。それらの箱を仕分けした上で箱に貼られたラベルを専用端末でスキャンし、専用のラックに積み込んで運搬するまでが仕分けスタッフの仕事です。
梱包の仕事もアルバイト求人サイトでは珍しくありませんが、ラベル貼りなどと合わせて作業を行う例もよくあります。梱包バイトについては、こちらの記事で詳しく解説しておきました。
倉庫バイトでどのくらい稼げる?
アルバイト求人サイトに掲載されている倉庫バイトの募集状況を見ると、東京都の場合は時給1,200円から1,500円という求人が目立ちます。中には最低賃金レベルの時給で募集されている求人もありますが、深夜の勤務で1,500円を上回る高時給の例もあります。
作業がそれほど難しくない仕事のわりには時給が高めに設定されているのは、ネット通販の隆盛で人手が不足気味というのも一因です。中には1万円前後の日給で求人を募集している倉庫もあって、特に深夜シフトの仕事は短時間で効率的に稼げます。
東京都以外の倉庫だと時給水準が下がって1,000円未満の求人も少なくありませんが、これは都道府県ごとに決められている地域別の最低賃金が反映されているものと見られます。最低賃金に関しては、以下の記事で地域格差がある理由を解説しておきました。
倉庫バイトがきついと言われる理由
以上のように倉庫バイトの仕事内容にも多くの種類があるため、担当ごとに仕事の大変さが違ってくるのは当然です。この仕事が「きつい」と言っている経験者は、たまたま負担の重い作業に当たってしまった可能性もあります。一般に仕事がきついと感じられる条件には、以下のような要因が考えられます。
- 重い荷物を持ち運んだりして体力的な負担が大きい
- 長時間の立ち仕事で足腰への負担が大きい
- 夏暑く冬は寒いなど働く場所の環境が劣悪
- 服や手が汚れたり悪臭にさらされたりする仕事
- 作業の遂行に危険を伴うため神経が消耗される
- 残業が多く労働時間が長い
- 人手不足の職場で休日や休憩が十分に確保できない
- 体育会系の空気に支配されていて精神面がきつい
どの倉庫バイトにも当てはまりそうな条件と言えば、長時間の立ち仕事で疲れやすいという点が挙げられます。空調が完備された物流センターの倉庫ならともかく、夏は暑く冬は寒いという倉庫も少なくありません。それ以外の要因は必ずしもすべての倉庫バイトに当てはまるというわけではなく、職場に恵まれればそれほどきつい思いをせずに働ける可能性もあります。
単純作業に不向きな人も
倉庫バイトの仕事をきついと感じるもう1つの理由として、単調な作業の繰り返しで退屈になりがちな点も挙げられます。延々と同じような作業ばかり繰り返していると、人によっては退屈さが苦痛に変わりかねません。
倉庫内の仕事も前述のように入庫から出庫までさまざまな工程があり、1人で全工程を順番にこなせるのであれば仕事にも変化が生まれます。それでは仕事の効率が悪く大量の商品をさばくことができなくなってしまうため、仕分けなら仕分け、ピッキングならピッキングという具合に担当が分かれているのです。
倉庫バイトは特別なスキルがなくてもできる仕事ですが、裏を返せばこの仕事を経験しても他に生かせるようなスキルが身につかないことを意味します。単純作業が中心で発展性がない点に苦痛を感じる人も少なくないことから、倉庫バイトが「きつい」という声に結びついている面があるのです。
倉庫バイトに向いている人の特徴
そんなマイナス面のある倉庫バイトの仕事でも、うまく適応して長続きしている人は決して少なくありません。この仕事はコンビニや飲食店のバイトと違って接客の必要がなく、同僚スタッフとのやり取りも必要最低限で済みます。基本的には手を動かす作業が中心で、他人と話すのが得意でないという人に向いた仕事です。
ピッキングや仕分けの仕事はスピードと正確さの両方が求められるため、人並み以上の集中力と手先の器用さを兼ね備えた人にも適性があります。倉庫バイトの仕事は工場の製造ラインを担当する仕事とも似ていますが、広大な倉庫では長距離を移動することも珍しくありません。長時間の立ち仕事に耐えられるだけの体力に自信があって、なおかつ単純作業の繰り返しにも苦痛を感じないという人であれば、それほど「きつい」とは感じないものです。
主婦に人気を集めている軽作業の仕事
倉庫バイトの中には重い荷物を運ぶような体力的にきつい仕事もありますが、株式会社ウィルオブ・ワークで募集している軽作業の仕事なら力仕事も多くありません。食品工場や物流倉庫の人材派遣・人材紹介を行うウィルオブ・ワークは、東証一部に上場しているウィルグループの一員となっている会社です。
募集されてるのは弁当や洋菓子などの食品を扱う物流センターの仕事が中心で、30代の主婦を中心に40代や50代の人も多く働いています。食材を盛付けたり梱包や検品を行ったりする簡単な仕事ですので、特別な経験や資格は必要ありません。それでいて時給1,000円以上の求人が多いことから、ウィルオブ・ワークの軽作業が主婦に人気を集めているのです。
倉庫バイトの特徴まとめ
退屈に感じがちな面や立ち仕事で体力的に大変な面もありますが、倉庫バイトはスキルが不要で求人も多い仕事です。求人が頻繁に募集されているのを見ると、仕事がきついために人の入れ替わりが激しいのではないかとも思ってしまいます。
空調のない倉庫や面積が広い倉庫では長時間働くのも確かに大変そうですが、慣れればそれほど苦痛に感じなくなってくるものです。重量のある荷物は台車を使って運搬するのが普通で、工事現場バイトや引越しバイトのように荷物に重さに悩まされることはありません。
そのせいか倉庫で働いているアルバイトには女性も少なくはなく、学生やフリーターだけでなく主婦の副業にも利用されています。土日も稼働している配送センターなら会社員が副業の手段として働くことも可能ですので、手っ取り早く収入を増やしたいという人にとっては有力な選択肢の1つです。
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