クラウドソーシングのサイトには記事作成やデータ入力・アンケートなど、在宅で収入が得られる仕事が数多く掲載されています。主婦や会社員の間では副業の手段として人気を集めていますが、「クラウドソーシングはたいして稼げない」という声も少なくありません。稼げないと言われる理由の1つとして、報酬の単価が低いという点を挙げる人が多いのも事実です。
本当のところはどうなのか、クラウドソーシングを実際に利用している人のアンケート結果を手がかりに検証してみました。筆者もクラウドソーシングの「ライティング・記事作成」カテゴリで仕事をした経験がありますので、実際に稼いだ金額を公開します。時給換算で効率的に稼ぐコツについて解説した記事の後半部分も、クラウドソーシング初心者にとっては必読の内容です。
クラウドソーシングは本当に稼げない?
Googleキーワードプランナーで調べてみると、「クラウドソーシング 稼げない」というキーワードで検索している人が月間で1,000人近くにも達することがわかりました。それだけ報酬の金額に不満を持つ人が多いという事実を示すデータだけに、これは無視できない数字です。
その一方ではブログやSNSで収入を報告している人の書き込みを信用するなら、クラウドソーシングで月に10万円以上稼いでいる人も少なくないものと見られます。どうしてもネガティブな声の方が目立ってしまいますが、具体的な数字を根拠としていない情報には信憑性がありません。この記事では憶測や思い込みではなく具体的なデータに基づいて、クラウドソーシングは本当に「稼げない」のかどうかを検証してみました。
本当に稼げないのであれば、月に10万円以上稼いだと報告している人の方が嘘をついていることになります。どちらも本当だとすれば、クラウドソーシングは稼げる人と稼げない人の間で収入の格差が大きい仕事だという証拠です。それを検証する際には、以下のデータを参考にしました。
- 実際にクラウドソーシングで仕事をした人のアンケート結果
- 各カテゴリで募集されている案件の報酬単価
- 筆者自身が「ライティング・記事作成」で仕事をして稼いだ金額のデータ
筆者自身の体験に基づくデータは一例に過ぎませんが、月に10万円以上を稼いでいる人と「稼げない」と言っている人のほぼ中間に当たる金額です。クラウドソーシングで稼げる収入の平均値を知るには、有力な手がかりになる情報だと言えます。
クラウドソーシングが「稼げない」と言われる理由
Googleで「クラウドソーシング 稼げない」というキーワードを打ち込んで検索してみたところ、稼げない理由について解説しているサイトがいくつか見つかりました。クラウドソーシングが稼げない理由として、以下のような理由が挙げられています。
- 単価の低い案件が多い
- 実績が少ないうちは高単価の案件を受注するのが難しい
- 手数料が引かれる分だけ報酬が目減りしてしまう
- 修正作業が発生したりすると余分な時間がかかり、時給換算で稼げる金額が下がってしまう
それぞれ詳しく解説します。
単価の低い案件が多い
クラウドソーシングの募集に低単価の案件が多いというのは否定できませんが、単価が低いからと言って「稼げない」とは限りません。単価が低くても短時間で完了できる仕事であれば、数を多くこなすことでまとまった収入につながるはずです。
クラウドソーシングで募集されている仕事のすべてが低単価の案件ばかりというわけではなく、1件あたりの報酬が数千円の案件や1万円以上の案件も少なくはありません。Webデザインやアプリ開発など専門的なカテゴリになると、固定報酬制で1件あたり数十万円以上に達する案件も結構あります。「単価が低い案件が多い」のは、専門的なスキルや経験が不要で誰にでもできるような仕事カテゴリの話です。
最低賃金を下回るケースも
求人サイトに掲載されている仕事も同じように、誰にでもできるような仕事は給与の水準も低く抑えられています。アルバイトやパートなど雇用契約を結ぶ働き方は、最低賃金法の規制を受ける仕事です。
クラウドソーシングの場合は業務委託の形で仕事を受注するのが一般的で、最低賃金の縛りがありません。そのため普通のアルバイトやパートの仕事と比べ、時給換算では最低賃金レベルより低い報酬しか得られない場合もあり得ます。
そういう意味での「稼げない」状態に陥らないためには、仕事の選び方が重要です。初心者から脱して高単価の仕事も受注できるようになれば、最低賃金より上のレベルで稼げるようになってきます。
パートやアルバイトとの違い
「クラウドソーシングは単価の低い仕事が多いので稼げない」というのは、すべての人に当てはまるわけではありません。むしろ「初心者のうちは効率的に稼ぎにくい」という表現に言い換えた方が適切だと言えます。
普通のアルバイトやパートの仕事なら雇用契約を結んで働く限り、初心者や未経験者でも最低賃金レベルの給料は保証されるはずです。その代わり仕事の経験を積んで初心者を脱しても、給料が何倍にも上がることは通常あり得ません。クラウドソーシングは初心者と中上級者との間で何倍もの収入格差が生じ得ますので、そのへんがアルバイトやパートの仕事と違うところです。
高単価の案件を受注するのが難しい
クラウドソーシングにも高単価の仕事は募集されていますので、そういう案件を選ぶことで「稼げない」状態から脱出できるはずです。誰でもそう考えるために単価の高い案件はライバルが多く、受注するのが難しいという問題が出てきます。
タスク形式の案件はクライアントとのやり取りが不要ですぐに仕事を開始できるため、基本的には早い者勝ちです。プロジェクト形式で募集されている案件は、応募者の中から契約する人が選ばれます。タスク形式より高単価の案件が多い点では有利ですが、仕事の実績が少ない人や評価が低い人はなかなか選んでもらえません。条件の良い案件ほど実績豊富な実力者が多く応募してくるため、初心者が受注するのは困難な状況です。
デザインやネーミング・アイデアなどのカテゴリに多いコンペ形式も、万単位の高額報酬がかかる案件が少なくありません。その代わり応募作品の中から選ばれた作品の作者にのみ報酬が支払われます方式のため、選ばれなければ作品を制作した時間が無駄になってしまいます。専門スキルや仕事の実績に自信がある人なら、プロジェクト形式やコンペ形式を利用して高収入を稼ぐことも十分に可能です。
報酬から手数料が引かれる
クラウドソーシングが「稼げない」と言われる理由の1つとして、報酬からシステム利用料などの手数料が引かれる点が挙げる人も少なくありません。報酬の全額が自分の収入になるわけではため、損をしたような気になってしまいます。
仕事を募集するクライアントと仕事をしたい個人をサイト上でマッチングし、連絡や納品・報酬のやり取りも仲介してくれるのがクラウドソーシングのシステムです。便利なシステムがあるおかげで在宅でも収入が得られるという点を考えると、一定の手数料がかかるのは当然とも言えます。
クラウドワークスの場合、報酬から引かれるシステム手数料は以下の通りです。
- 報酬10万円までの部分は20%
- 10万円超から20万円までの部分は10%
- 20万円を超える部分は10%
なおタスク形式で受注した案件の手数料は、報酬の金額に関わらず一律20%です。実際には消費税分が含まれてくるため、計算式はもっと複雑になります。
契約金額 10,000円(税抜)のお仕事の場合
条件交渉画面での報酬計算
システム利用料:2,420円(税込)
10,000円 × 10% (消費税率)= 11,000円(契約金額(税込))
11,000円 × 20%(システム利用料率(税抜))= 2,200円(システム利用料(税抜))
2,200円(システム利用料(税抜))× 10%(消費税率)= 220円(消費税)
ワーカーが受け取る額 8,580円
11,000円 – 2,420円(システム利用料(税込))= 8,580円
(引用:ワーカーシステム手数料【クラウドワークス】)
ランサーズの場合も同様に、報酬の金額に応じて5%から20%のシステム手数料が引かれる仕組みです。Job-Hubのように受注者のシステム手数料が無料のサイトもありますが、案件数の多さではクラウドワークスとランサーズの2大サイトが突出しています。
豊富な案件の中から仕事を選べるメリットを享受するとなれば、システム手数料の分だけ報酬が減るのは避けられません。手数料無料のサイトで仕事を探しても高単価の案件が見つからなければ、結果的に収入が少なくなってしまいます。
どのサイトでも報酬を銀行口座に振り込んでもらうには、システム手数料とは別に振込手数料が必要です。クラウドワークスやランサーズの振込手数料は1回あたり500円ですが、振込先の銀行口座に楽天銀行を指定した場合は100円で済みます。クラウドワークスやランサーズに登録して仕事をする際には、事前に楽天銀行で口座を開設しておくのがおすすめです。
修正作業で余分な時間がかかる場合がある
クラウドソーシングの仕事が「稼げない」と言われるもう1つの理由に、クライアントの指示で修正作業が入る場合があるという点を挙げる人もいます。一度納品した制作物に対して修正の依頼があり得るのは、クライアントと打ち合わせをしながら仕事を進めるプロジェクト形式の話です。
タスク形式の場合は基本的にクライアントとのやり取りが発生せず、納品物に不備があれば問答無用で非承認に判定されてしまいます。そうなると仕事に費やした時間が無駄になってしまいますが、修正作業に余分な時間を費やすことはありません。
プロジェクト形式の場合はクライアントが納得するように制作物を納品する義務を負うため、修正依頼に応じなければ契約を破棄されることになりかねません。報酬5,000円の仕事に5時間を費やして納品すれば時給換算で1,000円分の収入が得られる計算ですが、修正作業にプラス1時間を費やした場合は時給換算の金額が約833円に減ってしまいます。
とは言えクライアントの指示をしっかり理解した上で仕事をしていれば、修正を加えるまでもなく納品を認めてもらえるはずです。余分な作業時間を増やさないためにもクライアントが指定した仕事内容には隅々まで目を通し、疑問点があれば質問して解消しておくことをおすすめします。
クラウドソーシング利用者の収入実態は?
「クラウドソーシングは稼げない」と言われている理由については以上の通りですが、実際に利用している人はどれだけの金額を稼いでいるのでしょうか?
クラウドソーシング利用者の収入実態については、英語学習ひろばというサイトで興味深いデータが公開されています。クラウドソーシングの利用者500人を対象として、主な業務内容と稼いだ金額・所要時間について調査したアンケートの結果です。
調査は2020年の12月から2021年の2月にかけて実施され、10代から60代に至るまでの幅広い世代から回答が得られました。クラウドソーシング利用者が稼いだ収入の金額は、1カ月で1万円未満と回答した人が半数近い47.6%に達しています。10,000円から19,999円までが37.0%で、20,000から29,999円までが6.4%、3万円以上が9.0%という状況です。
アンケート結果を時給に換算すると…
クラウドソーシングを利用する人の半数近くは月収1万円以下にとどまる現状が見えてきましたが、その金額を稼ぐのに費やした時間も考慮する必要があります。クラウドソーシングで1カ月の収入が5,000円未満の人は、1週間の平均労働時間が3.98時間でした。月収5,000円以上1万円未満の人は、1週間の平均労働時間が7.86時間です。
この数字を7で割って1日の平均労働時間を算出し、月に稼いだ収入の金額を割れば、時給に換算した数字が判明します。それぞれの金額帯の中央値で試算してみると、0円~4、999円の人は時給換算で約157円、5,000円~9,999円の人は約223円を稼いでいる計算です。
興味深いのは月収10,000円~19,999円と回答した人の例で、1週間の平均労働時間は5,000円~9,999円よりやや少ない7.18時間という結果でした。それだけ効率よく稼げる仕事を選んでいる人が多いと推定されますが、それでも時給換算では平均して487円分の収入に過ぎません。
アルバイトやパートの最低賃金は最も低い県でも792円(令和2年10月1日現在)に設定されている点を考えると、「クラウドソーシングは稼げない」と言われるのも無理はないデータです。とは言えこの数字はクラウドソーシングで募集されているすべての仕事を平均したデータですので、仕事ジャンルによる違いも吟味してみる必要があります。
仕事のジャンルによる違い
クラウドソーシングの収入実態について調査した英語学習ひろばのアンケート結果には、回答者の主な業務内容に関するデータも含まれています。最も回答が多かったのはアンケートなどの「カンタン作業」で、全体の79.6%にも及びました。次いで多いのは「ライティング・記事作成」ですが、全体に占める割合は14%に過ぎません。
他は「事務・ビジネスサポート・調査」が3.2%で、「写真・画像・動画」が2%となってます。ネーミング・アイディア(0.8%)やデザイン(0.2%)・ネットショップ構築(0.2%)はいずれも1%に満たない状況で、全体に占める割合は微々たる数字です。
案件による報酬の格差
実際にクラウドワークスやランサーズの募集状況を見てみると、「Webデザイン」や「プログラム開発」など専門的なジャンルでは高単価の案件も少なくありません。回答者が最も多かった「カンタン作業」には「質問・アンケート」の他に「データ入力」「内職・軽作業」「各種代行」「データ分類」といった仕事が含まれます。ECサイトへの出品代行など単価が比較的高めの案件も見られますが、「カンタン作業」は全般に低単価の案件が多いカテゴリの1つです。
クラウドソーシング利用者の14%を占める「ライティング・記事作成」も高単価の案件が存在する一方で、1文字あたり0.1円以下という低単価の案件も少なくありません。専門スキルや経験を必要としない案件ほど、報酬の単価が低い傾向も見られます。クラウドソーシングも関するアンケート結果で月収1万円未満の人が半数近くを占めていたのは、低単価の案件が中心のジャンルで仕事を選んでいる人が多い証拠です。
カンタン作業の報酬相場
先のアンケート結果では「回答者の主な業務内容」として、アンケート回答などの「カンタン作業」が全体の8割近くを占めています。最も多くの人が選んでいる「カンタン作業」の報酬相場を調べれば、「クラウドソーシングは稼げない」いうのが本当なのかどうか証明できるはずです。
国内最大級の規模を誇るクラウドワークスの「事務・カンタン作業」カテゴリには、以下のようなサブカテゴリが含まれます。
- 質問・アンケート・テスト
- データ作成・入力
- 内職・軽作業
- 各種代行
- 写真・動画
- データ分類・カテゴリ分け
- その他(カンタン作業)
この記事を書いた時点で、「質問・アンケート・テスト」には700件以上の仕事が募集されていました。固定報酬制のプロジェクト形式で募集されている案件もありますが、クライアントとのやり取りが不要なタスク形式の案件が大半を占めている状況です。
前述の通りタスク案件は報酬の単価が低く抑えられがちで、「質問・アンケート・テスト」の仕事も1件あたり数十円という例が目立ちます。「在宅ワークに関するアンケート」のように100円以上のタスクも見られますが、10円に満たない案件も少なくありません。よほど大量の案件をこなさない限り、「質問・アンケート・テスト」のカテゴリでまとまった収入を得るのは困難だと言えます。
データ入力と発送代行
同じく700件近い仕事が募集されている「データ作成・入力」のカテゴリになると、プロジェクト形式で募集される固定報酬制の案件も増えてきます。1件あたり数十円から100円程度のタスク案件はスキル不要の簡単な仕事が多く、「質問・アンケート・テスト」に近い仕事です。
プロジェクト形式では商品登録作業や商品リスト作成などPC操作スキルが必要な案件が多いだけに、報酬の単価も5,000円~10,000円に設定している例が目立ちます。中には1万円を超える高額案件も見られるほどで、スキル次第では稼げるカテゴリとなり得ます。
「内職・軽作業」のカテゴリで募集されている案件は、通販サイトの検品や梱包・発送作業が中心です。5,000円~10,000円の固定報酬制も多く見られ、1日1~2時間程度の作業で報酬5万円前後という案件もありました。発送代行の副業については、以下の記事で詳しく解説しています。
その他のカンタン作業
「各種代行」のカテゴリにも発送代行や出品代行の仕事が目立ちますが、経理代行や電話受付代行・SNS運用代行など多種多様な代行の仕事が募集されています。10,000円~50,000円の固定報酬制が多い中で、1,000円~1,500円の時間単価制で募集されている案件もありました。
「事務・カンタン作業」カテゴリ内の「写真・動画」は募集が少なめですが、写真撮影や動画撮影・モデルの仕事などが募集されています。100円前後のタスク案件もあれば、固定報酬制で5,000円前後もらえる案件もあるという具合です。1,000件以上の仕事が募集されている「その他(カンタン作業)」にも、固定報酬制で1万円以上の案件は少なくありません。
ライティング・記事作成は文字単価をチェック
クラウドソーシングで全体の14%の人が利用している「ライティング・記事作成」になると、報酬単価の表示方法が「カンタン作業」と違ってきます。同じように5,000円~10,000円などと総額表示の固定報酬制で募集されている案件もありますが、「0.3円」「1.0円」などと文字単価を提示して募集される案件も含まれてくるからです。
タスク形式のように1件あたり300円などと金額が提示されている場合でも、指定された最低文字数で報酬額を割れば文字単価を計算できます。例えば2,000文字以上で報酬1,000円の案件であれば、1文字あたりの単価は0.5円になる計算です。
同じ2,000文字の仕事でも、文字単価が1.0円なら報酬の金額は倍の2,000円にアップします。つまり文字単価が高ければ高いほど、同じ時間仕事をしても稼げる金額が増えるというわけです。
報酬金額に隠された落とし穴
クラウドワークスの「ライティング・記事作成」カテゴリには、1文字あたりの単価が数十円にも達する高額案件が募集されることがあります。文字単価1.0円以上であれば高単価の部類ですが、1文字0.1円以下という極端に安い案件も少なくありません。特にタスク形式では低単価の案件が目立ちますので、仕事を選ぶ際には報酬の金額だけでなく文字数も計算に入れる必要があります。
作業に費やす時間も考慮を
例えば1本の記事を書いて報酬が2,000円なら、条件的には悪くない仕事のように思いがちです。必要な文字数が1万字以上だとすれば、文字単価は0.2円にまで下がってしまいます。
1分あたり60文字程度という平均的なタイピング速度の人でも、1万文字の記事を書くには単純計算で3時間以上の作業が必要です。情報を調べたり文章の構成を考えたり、納品の前に文章をチェックしたりする時間も考慮しなければなりません。
そうなると4~5時間以上はかかるのが普通ですので、時給換算だと400円から500円以下にまで下がることになります。1文字1.0円なら2,000円を稼ぐのに2,000文字の文章を書けば済むため、早い人なら1時間で作業を終えることも可能です。この場合は時給に換算すると2,000円ですので、普通にアルバイトで働くよりも割のいい仕事になり得ます。
「ライティング・記事作成」で実際にどれだけ稼げる?
筆者も主にクラウドワークスの「ライティング・記事作成」カテゴリで仕事を探し、これまでに1,000件以上の記事を納品してきました。最も稼いだ月は1カ月の収入が10万円に達したこともありましたが、それは1日も休まず毎日仕事を続けた結果です。
普段は仕事をしない日を週に2日程度設け、1日の作業量も2~3時間程度に抑えています。そうなると月の作業時間は50時間前後しか確保できず、月収は5万円前後にとどまります。気に入った仕事が見つからなかったりして作業量をさらに減らした場合には、2~3万円程度しか稼げない月もありました。
時給換算では1,000円が限界?
筆者はタイピング速度がそれほど速くない上に、下調べや手直しにも時間をかける傾向があります。運良く文字単価の高い案件を獲得しない限り、時給換算では1,000円前後を稼ぐのが限界でした。タイピングが速い人や情報を調べなくても記事を書ける人なら、1時間あたり1,500円以上を稼ぐことも可能です。
筆者の場合は実績を積む目的もあって、文字単価が低い案件も積極的に取り上げた時期がありました。法律関係や特殊な業界に関する記事など、専門知識が求められる案件は文字単価が高い傾向も見られます。自分の得意分野を生かせる案件が見つかれば、クラウドソーシングでも普通にアルバイトをするより効率的に稼げるようになるはずです。
平均単価が高いジャンル
クラウドワークススやランサーズのような総合的クラウドソーシングサイトには、他にもさまざまなジャンルの仕事が掲載されています。「カンタン作業」や「ライティング・記事作成」にはスマホでできる仕事も多く募集されていますが、単価は低めの案件が中心です。「アプリ開発」や「Webデザイン」「デザイン制作」といったカテゴリの仕事は専門スキルを要するだけに、報酬の単価も全般に高めの傾向が見られます。
高単価の仕事は副業に不向き?
先に紹介したアンケートはクラウドソーシングの仕事を副業としている人が対象で、週に25時間以内の労働に限定した調査結果です。主な業務内容として「デザイン」を挙げた人は0.2%にとどまり、「アプリ開発」や「システム開発」などプログラミングのスキルを要する仕事は回答に含まれていません。そうした専門的な仕事は週に26時間以上の作業を伴う例が多く、本業として案件を受注しているフリーランスのエンジニアやデザイナーも少なくないと見られます。
コンペ形式も単価が高め
とは言え一般の会社員でも休日を中心に時間を捻出すれば、プログラム開発やデザインの仕事を副業として受注できないことはないはずです。それらのカテゴリは1件あたり50,000円前後の案件が中心で、中には数十万円から100万円以上に達する高単価案件の募集も見られます。
デザイン関連のカテゴリに多いコンペ形式だと最終的に提案が選ばれた人にしか報酬が支払われませんが、5万円から10万円の案件も少なくない状況です。プログラミングやデザインのスキルに自信がある人は、そうした高単価の案件にもチャレンジしてみるといいでしょう。「写真・画像・動画」や「3D-CG制作」「音楽・音響・BGM」といったクリエイター向けカテゴリの中にも、高単価の案件は数多く見られます。
時給換算で効率よく稼ぐ方法
クラウドソーシングの「ライティング・記事作成」カテゴリで募集されている案件の文字単価は、タスク案件まで含めると0.5円前後が平均的な相場と見られます。「ライティング・記事作成」で仕事を探す際には1文字あたりの単価をチェックし、できるだけ単価の高い案件を選ぶのが効率よく稼ぐコツです。
とは言え文字単価の高い案件は他のライターにも人気で、プロジェクト形式だと競争率がどうしても高くなってきます。タスク案件も文字単価が高めの案件は争奪戦となり、募集開始から短時間で枠が埋まってしまうケースも珍しくありません。タスク形式で仕事をしようとする場合には募集状況をまめにチェックし、文字単価の高い案件を見つけたらすかさず作業を開始することをおすすめします。
プロジェクト形式で稼ぐコツ
プロジェクト形式は文字単価がタスク案件より全般に高めとは言え、1文字あたり0.5円以下の案件も少なくありません。初心者のうちは高単価の案件に応募してもクライアントに選んでもらえず、テストライティングに費やした時間が無駄になる場合も出てきます。
クラウドソーシングに登録して間もないうちは単価が低めの案件を多くこなし、実績を積んだ上で高単価の案件に挑戦するのが無難なやり方です。タスク形式の仕事を数多くこなして承認率も高い人には、クライアントからスカウトメールが届くこともあります。スカウトに応じた場合はプロジェクト形式で契約することになりますので、タスク形式より高単価の仕事を獲得する絶好のチャンスです。
いずれの場合でもクライアントはワーカーのプロフィールをチェックし、仕事を依頼するかどうかを判断しています。プロフィールには経歴や仕事の実績・スキルに加え、得意分野や連絡の取れる時間帯に関する情報も記載が可能です。プロフィールをしっかり記載していれば仕事受注の確率が上がりますので、「クラウドソーシングに登録してもなかなか稼げない」という人は見直してみるといいでしょう。
高単価の案件は作業時間に注意
プログラム開発やWebデザインなど報酬の単価が高いカテゴリで仕事を選ぶ場合は、納品までに費やす時間も計算に入れなければなりません。報酬の単価が高くても作業量が多い仕事は膨大な時間を費やすことになるため、時給換算では思ったほど稼げなかったという結果に終わりがちです。
報酬5万円の案件でも毎日2時間ずつ作業して納品までに1ヶ月を費やしたとすれば、時給換算で稼げる金額は1,000円を下回る計算となります。交渉次第ではクライアントが報酬をアップしてくれる場合もありますので、正式に受注する前に相談してみるといいでしょう。
クラウドソーシングの収入実態まとめ
副業の手段としてすっかり定着した感のあるクラウドソーシングにも、以上のような理由で「稼げない」というネガティブな声があるのは事実です。特に「カンタン作業」や「ライティング・記事作成」のタスクは単価の低い案件が多く、よほど数を多くこなさないとまとまった金額を稼ぐのは難しい面があります。一見すると高単価の案件も含め、時給換算では普通にアルバイトをした方が稼げるということになりかねません。
英語学習ひろばで実施したアンケート結果によると、実際に副業でクラウドソーシングを利用している人の半数近くは月収1万円以下にとどまっている状況です。文字単価や作業時間に着目して募集案件をチェックすれば、もっと効率的に稼げる案件を見分けられるようになります。そうすれば月に1万円以下しか稼げなかった人でも、収入を倍以上に増やすことは十分に可能です。
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