世の中にはさまざまな代行の仕事が存在しますが、動物好きの人にピッタリと言えるのが犬の散歩代行です。数年前にも一風変わった代行の仕事として話題になったこの仕事は、主にペットシッターのサービスを手がける企業が運営しています。
しかしながら犬の散歩代行バイトの仕事を始めようとしても、アルバイト求人サイトでは募集がなかなか見つかりません。高齢者や共働き家庭などの需要がありそうでいながら求人が見つからないとすれば、この仕事に興味がある人にとっては残念な状況です。
何か事情がありそうな犬の散歩代行の実態について、求人が少ない理由とともに自分でサービスを始める方法も考察してみました。実際にサービスを始めるのに必要な資格や料金の平均相場についても、記事の後半で詳しく解説します。
ペットの散歩代行サービスとは?
日本ではまだ馴染みが薄い面もありますが、アメリカなど海外ではペットシッターのサービスが広く普及しています。ペットシッターはその名称から想像される通り、犬や猫などペットの世話を依頼する有料サービスです。
エサやりから体の手入れまでのお世話がサービスの対象となりますが、犬の場合は散歩だけを依頼したいという需要も少なくありません。旅行や出張などで家を留守にする間にペットの世話を依頼する場合と違って、高齢や病気で犬を散歩に連れ歩くのが難しい飼い主からの依頼が中心です。
留守中に依頼する場合はエサやりも含めて、ペットの世話全般を代行してもらう必要があります。犬の飼い主も高齢化が進むとともに、毎日の散歩が体力的に大きな負担となりつつある状況です。病気やケガで一時的に散歩できなくなった飼い主や仕事が忙しい社会人も含め、犬の散歩代行は需要が年々高まってきています。
猫やうさぎ・ミニブタなど犬以外のペットを散歩させている飼い主もいますが、散歩代行の依頼は犬の飼い主が大半です。したがってペットの散歩代行と言えば、ほぼ「=犬の散歩代行」と考えても差し支えありません。
ペットシッター先進国のアメリカには、犬の散歩代行サービスも数多く存在します。ドッグウォーカーとも呼ばれる犬の散歩代行サービスは、ニューヨークだけで2千近くを数える状況です。2021年2月には人気歌手レディー・ガガさんの愛犬が何者かに強奪される事件が発生しましたが、銃で撃たれて犬を奪われたのはドッグウォーカーの男性でした。
日本ではペットシッターのサービスがようやく普及し始めた段階で、犬の散歩代行サービスもアメリカと比べて普及が遅れている状況です。自分で代行業を開業することも可能になってきていることから、新たな副業の手段として注目されています。国内の求人サイトで「ドッグウォーカー」と検索してもヒットしませんので、「犬の散歩スタッフ」などと置き換えて検索してみるといいでしょう。
犬の散歩代行の仕事内容
ペットの世話全般を代行するペットシッターと違って、散歩代行はペットの散歩を飼い主に代わって行う仕事が中心となります。依頼内容によって仕事の手順が異なる場合もありますが、犬の散歩代行の基本的な仕事内容は以下の通りです。
- 依頼された飼い主の自宅を訪問して散歩に連れ出す犬を預かる
- 指定されたコースに従って歩き、預かった犬を散歩させる
- 飼い主宅に戻り、預かった犬を引き渡して仕事終了
- 代行会社に雇用されて働く場合には、任務終了後にアプリなどを使って報告を行う
旅行などで飼い主の留守中に犬の散歩だけを行う依頼は少ないと見られるため、飼い主が在宅のケースを想定しました。飼い主の留守中にエサやりやトイレ掃除・毛並みの手入れなどの世話全般を行うペットシッターと比べ、犬の散歩代行の仕事は単純と言えば単純です。犬を飼った経験があって散歩に連れ出すことにも慣れた人であれば、それほど難しい仕事ではありません。
犬を多頭飼いしている人から依頼を受け、一度に何頭もの犬を同時に散歩させる仕事も考えられます。この場合は1頭だけを散歩させるよりも仕事の難易度は上がりますので、犬同士が喧嘩をしたりリードがこんがらがったりしないように注意が必要です。
仕事中は当然のことながら、犬とともに自分も同じ距離を歩くことになります。犬の散歩には平均して30分程度、若い大型犬の場合は1時間程度を費やすのが一般的です。距離にすれば1回の散歩で2km前後を歩くことになりますので、散歩させる側にもある程度の体力が必要になってきます。
中型犬や大型犬の散歩中は強い力でリードを引っ張られるため、犬をコントロールするのに余計体力を使う仕事です。犬の散歩に慣れた人ならそこまで体力的な負担を感じることもありませんので、ペットシッターと比べれば始めやすい仕事だと言えます。
犬の散歩ボランティアも募集中
この記事では犬の散歩を代行して報酬を受け取る「仕事」について取り扱いますが、犬の散歩代行をボランティアとして引き受けている人も少なくありません。個人の飼い主からの依頼ではなく、シェルターなどに保護されている犬を散歩に連れ出す仕事が中心です。
NPO法人などが運営しているシェルターには、多頭飼い崩壊や迷子などさまざまな事情で保護された犬が暮らしています。保護犬が里親に引き取られるまでの間の世話を引き受けているのが、散歩やエサやり・犬舎の掃除などを行うボランティアの人たちです。
そうした動物保護団体でも犬の散歩代行スタッフを募集しているところは少なくありませんが、ボランティアの場合はペットシッター会社のアルバイトと違って給料や報酬はありません。有償ボランティアとして交通費などの実費や少額の謝礼が出るケースもあり得ますが、副業の手段にはならないと考えた方がいいでしょう。金銭的な見返りを求めず、あくまでも動物愛護の精神から保護犬の世話をしたい人向けの仕事です。
犬の散歩代行業を副業にする2つの方法
副業の手段として犬の散歩代行の仕事をするには、動物愛護団体ではなく個人の飼い主から依頼を受ける必要があります。さまざまな事情で愛犬に散歩させるのが負担になった人であれば、お金を払ってでも散歩代行を依頼してくれる可能性があるからです。
犬は人間と違った汗をかかないため、夏の炎天下に散歩をさせるのは避けなければなりません。直射日光を受けて熱くなったアスファルト上を歩かせると、肉球にやけどを負わせる危険もあります。
夏場を中心に早朝や夕方に散歩をさせるという飼い主が多いことから、日中に本業の仕事がある会社員でも散歩代行は副業になり得ます。出社前の早朝や仕事が終わった後の夕方を利用すれば、会社の仕事がある平日でも犬の散歩代行で副業が可能になってくるというわけです。
前述の通り1回の散歩に要する時間は平均して30分程度ですので、飼い主宅までの移動を考慮してもそれほど時間を取りません。犬の散歩代行は本業の仕事と両立させやすい副業の1つだと言えます。
とは言え自分も犬を飼っていて飼い主同士の交流の輪に属していない限り、そういう需要を持つ飼い主と接点を持つのは簡単なことではありません。犬の散歩代行業を副業にするには、困っている飼い主とどうやって出会うかが1つの問題です。
犬の散歩代行サービスを手がける企業は、宣伝広告費を使って犬の飼い主に広く働きかけています。そうした会社にアルバイトのスタッフとして採用してもらえば、犬の散歩を副業の手段にすることも可能です。
代行会社に頼らず、個人で犬の散歩代行サービスを開業するという手もあります。この場合は後述するマッチングサービスなどを利用しながら自分で集客する必要もありますが、アルバイトとして雇用されるのと比べて働き方は自由です。アルバイトの散歩代行スタッフと、自分で散歩代行サービスを開業する場合に分けて、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。
犬の散歩バイトとして代行会社で働く
犬の散歩代行を副業にする手段の1つ目は、代行サービスを運営する企業でアルバイトのスタッフとして働く方法です。運良く希望条件に合った求人が見つかれば、働いた時間に応じて時給いくらという形で給料がもらえるようになります。
散歩代行の依頼客は会社が見つけてくれるため、アルバイトの従業員は自分で集客する必要がありません。犬を散歩させる仕事だけに集中できますので、安定して稼ぎやすい点がメリットです。
過去には単発バイトアプリのタイミーで、犬の散歩代行バイトが募集された例がありました。週に2回東京都内で夕方に40分程度犬を散歩させる仕事で、時給1,100円(ペットシッターの有資格者は+500円)という条件でした。
現在は求人検索エンジンのIndeed で探しても、犬の散歩代行だけのアルバイト求人は見つからないのが現状です。タウンワークやバイトルなど個別のアルバイト求人サイトも同様の状況で、募集が出るまで粘り強く待つしかありません。
散歩を含む犬の世話全般を行う仕事であれば、ペットショップやブリーダー施設・ドッグトレーニング施設・動物病院・ペットホテル・介護施設などの求人も多く見られます。犬の散歩だけなら30分から長くても1時間程度で完了するため、単独の仕事として求人を募集してる企業は決して多くないのが現状です。たとえ募集が見つかったとしても勤務シフトに縛られる可能性があるだけに、自分の希望する条件で働けるとは限らない点もデメリットの1つに数えられます。
個人で犬の散歩代行サービスを開業
犬の散歩代行を副業の手段にする方法は、代行サービスを手がける企業でアルバイトとして働くスタイルだけではありません。求人が見つからないのであれば、いっそのこと自分で代行サービスを始めるという手もあります。代行会社に所属していない一般の個人でも、その気になれば犬の散歩代行サービスを開業することは可能です。
ただし会社組織で代行業を展開するのと違って、個人だと顧客の信頼を得にくい面はあります。飼い主にとっては我が子も同然の大切な愛犬を預けることになるだけに、犬の散歩代行サービスは何よりも信頼が第一です。
どうやって依頼を獲得するかという集客面の課題はありますが、うまく集客できれば自力で散歩代行の仕事を作り出せるようになります。アルバイトとして働くのと違って勤務シフトに縛られることもなく、自分の働きたい時間に働きたいだけ仕事ができるのが開業のメリットです。
犬の散歩代行バイトの求人が見つかりにくい理由
この記事を書くために複数の総合型アルバイト求人サイトで募集状況を調査してみましたが、犬の散歩代行の仕事を単独で募集している求人は見つかりませんでした。仕事内容に犬の散歩が含まれる求人の多くはグループホームなどの介護施設か、ペットショップなどペット関連施設で募集しているスタッフです。
高齢者や障害者が入居するグループホームではアニマルセラピーの一環として、入居者が保護犬や保護猫と触れ合えるようにしている施設が少なくありません。そうした介護施設で犬を飼育している場合は、施設のスタッフがエサやりや散歩などの世話を担当することになります。入居者の話し相手をしたり食事を作ったり、掃除や洗濯をしたりする仕事の中に、犬の世話も含まれるというわけです。
ペットショップで販売されている犬も定期的な運動が必要となってくるため、店舗のスタッフが散歩に連れ出しています。飼い主から犬を預かるペットホテルや動物病院・トリミングサロンでも、犬の散歩はスタッフが担当する仕事の1つです。ドッグトレーニングを行う犬の幼稚園や保育園、犬の繁殖を行うブリーダー施設でも、犬の散歩を伴うアルバイトを募集している例が見られました。
そうしたペット関連施設で働くスタッフには、犬の散歩以外にもいろいろと仕事があります。犬の散歩代行バイトの仕事は、総合型のアルバイト求人サイトでは見つからないと考えた方が良さそうです。
ペット求人ナビやペットワークスといったペット業界特化型の求人サイトであれば、犬の散歩代行の求人も見つかる可能性があります。とは言え「散歩」のキーワードで絞り込んだ求人の多くは、散歩以外の世話も行うペットシッターです。犬の幼稚園や動物病院・ペットショップ・ペットホテル・トレーニング施設の募集する求人も含まれます。
2021年8月の調査時点では、ペット求人ナビで犬の散歩代行の求人が2件確認されました。いずれも勤務地は東京都内で、他の地域に住んでいる人は求人が見つかりにくい状況です。過去にはアルバイト求人サイトにも募集が掲載された可能性もあるとは言え、この仕事が一般にはまだ浸透していない様子が窺えます。
東京の犬散歩バイト
ペット求人ナビに掲載された2件の犬の散歩代行スタッフは、麻布ペットとトゥトゥサービスの募集する求人です。このうち麻布ペットの勤務地は渋谷周辺で、早朝に45分ほど犬の散歩を行う仕事が募集されていました。
麻布ペットは島部を除く東京都と神奈川・埼玉・千葉の各県をサービス対応エリアとするペットシッター・散歩代行のサービスです。全員が動物関連の有資格者というスタッフが60名以上在籍しており、これまでに6万件を超える請負実績があります。
散歩代行の基本料金は3、630円ですが、スタッフに支給される報酬は散歩1回につき交通費込みで1,650円、年末年始などの繁忙期が1,980円です。時給換算にすると通常時でも2,200円、繁忙期は2,640円ほど稼げる計算となります。飼い主宅までの移動距離が長くなると実質的な時給換算の金額が少なくなりますので、募集されている勤務地近くに住んでいる人におすすめの仕事です。
トゥトゥサービスは犬の散歩代行を専門とするサービスで、累計シッティング実績は28,000件以上に達します。サービス提供エリアは東京23区に限定され、定期プランの料金体系は以下の通りです。
- 30分コース2,500円
- 60分コース3,500円
- 90分コース4,500円
いずれのコースも交通費は別料金となっていて、求人の募集要項にも「交通費支給あり」と書かれています。利用客が支払う交通費は以下の通りです。
- 品川区・港区・大田区・目黒区・渋谷区・新宿区・千代田区・中央区 500円
- 世田谷区・杉並区・中野区・豊島区・文京区・台東区・荒川区・墨田区・江東区 1,000円
- 練馬区・板橋区・北区・足立区・葛飾区・江戸川区 1,500円
2021年8月22日現在で募集が確認されたトゥトゥサービスの求人は、東京都23区在住で市ヶ谷・半蔵門エリアに30分以内で通勤可能な人が対象です。時給は1,400円からのスタートで、動物関連の資格を持っている人を優先して採用すると書かれています。トゥトゥサービスでも犬の散歩代行スタッフを常時募集しているとは限りませんので、ペット求人ナビなどで最新の募集状況をチェックしてみるといいでしょう。
タウンワークでは地域名「東京」で「犬 散歩 バイト」を検索したところ、表示されたのはいずれもオレンジペットシッターの募集するペットシッターの求人でした。オレンジペットシッターは株式会社ブルックデザインが運営するペットシッター・散歩代行サービスで、東京都内では23区の他に町田市の一部も対応エリアに含まれます。
タウンワークに掲載された求人情報には性別の記載が見当たりませんが、オレンジペットシッターHPの募集要項に「女性のみ・学生不可」と書かれてある点には注意が必要です。男性で応募する場合は、念のため問い合わせてみることをおすすめします。給与は交通費込みで1件あたり30分の場合は1,400円、60分の場合は1,800円です。
東京を中心とした首都圏でペットシッターサービスを手がけるWANPOでも、ペットシッターやドッグシッターのスタッフを募集しています。散歩代行だけでなくエサをあげたりして、飼い主に代わって犬のお世話をする仕事です。
WANPOのスタッフ募集要項には、以下のような資格や専門教育が応募資格として挙げられています。
- JKC公認訓練士
- 各種ドッグトレーナー資格保有者
- 各種ペットシッター資格保有者
- 各種専門学校卒業生
- ペット飼育管理指導士
- その他犬に関する技術 およびPRできる技術をお持ちの方
大阪の犬散歩バイト
大阪府で「犬の散歩代行」の求人を検索した結果も、東京都と似たような状況です。主要なアルバイト求人サイトで表示された検索結果の多くはグループホームなどの介護施設か、またはペットショップ・ブリーダー施設・動物病院の募集する求人でした。勤務エリアごとに求人が募集されていて、自宅近くで依頼のあった飼い主宅で犬の散歩やペットシッター業務を行うことになります。
前述のオレンジペットシッターは、大阪市と吹田市・豊中市の全域もサービス提供エリアの範囲内です。オレンジペットシッターで募集している求人は、タウンワークにも勤務エリアごとに掲載されています。給与などの条件は東京都の場合と同様ですので、やってしてみたいという人は応募を検討してみるといいでしょう。
無料掲示板のジモティーの大阪版にも、犬の散歩代行を募集する求人の投稿が掲載される場合があります。過去には堺市のペットシッター会社BIG RIVERで募集する犬の散歩代行の求人が、ジモティーに掲載された例もありました。
現在はBIG RIVERでも求人を募集していませんが、大阪にある他の業者や個人が犬の散歩代行をしてくれる人を募集する可能性はあります。犬の散歩代行のように特殊な仕事がしたい場合には、アルバイト求人サイトだけでなくジモティーも定期的にチェックしてみるといいでしょう。
犬の散歩代行業を開業する方法
日本では定着度がまだまだ高くない犬の散歩代行サービスですが、アメリカでは「犬版ウーバー」の異名を持つ散歩代行サービス『Wag』が人気を集めています。散歩代行を引き受けるドッグウォーカーと飼い主をスマホアプリでマッチングする仕組みは、ウーバーイーツにも似た新しいタイプのサービスです。同じようなサービスが日本でも普及するかどうかは不透明な情勢ですが、アルバイトの求人が見つからない場合はいっそ自分で代行サービスを始めるという手もあります。
現状ではWagのようなマッチングアプリが日本で普及していないため、仕事を依頼してくれる人を自分で探さなければなりません。後述するような集客サイトを利用すれば、犬の散歩代行を頼みたい人と接点を持てる可能性が出てきます。依頼人が見つかったら事前に連絡を取り合って注意事項や犬の癖などのヒアリングを行い、相手の希望する時刻に訪問して犬を預かり散歩に連れていくのが仕事の大まかな流れです。
フランチャイズに加盟
個人で犬の散歩代行業を開業するに際には、どうやって集客するかが課題となってきます。チラシ広告を作成して新聞に折り込んだり、ポスティングで家々の郵便受けに配布したりするのがよくある集客パターンです。ホームページを作成したり、SNSやYouTube動画を活用したりする集客方法も考えられます。
それだけやっても開業したばかりの頃は実績がないため、そう簡単には依頼を獲得できないのが普通です。自分が飼い主の立場になってみればわかるように、どこの誰だかわからない人に大切な愛犬を預けようという気にはなりません。
犬の散歩代行サービスで知名度の高いフランチャイズが存在すれば、加盟することで飼い主の信頼が得られる可能性もあります。フランチャイズの看板が信頼性につながり、集客の面でも有利になってくるというわけです。
犬の散歩代行専門のフランチャイズとしては、全国に70の加盟店舗があるという愛犬のお散歩屋さんが知られています。加盟金や条件面など詳しい情報について調査を試みましたが、愛犬のお散歩屋さんホームページのURLにはアクセスできない状況です。現在は加盟店を募集していないと見られます。
犬の散歩代行を含むペットシッターにまで範囲を広げると、主なフランチャイズは以下の通りです。
それぞれの詳細については、ペットシッターの主なフランチャイズで詳しく解説しておきました。フランチャイズごとに加盟金や月額費用・加盟の条件が異なりますので、加盟を検討する際には事前に比較検討することが大切です。
集客に利用できるマッチングサービス(アプリ)
フランチャイズに加盟すれば集客の面で有利にはなりますが、初期費用や月額費用がかかる点は大きなデメリットです。余分な費用をかけずに犬の散歩代行業を開業したいという場合には、フランチャイズの看板を頼らずに自力で集客するしかありません。
そんな人たちの間で利用されているのが、飼い主との間を仲介するマッチングサービスです。ペットシッターのマッチングサービスもありますが、犬の散歩代行だけのサービス出品例は多くありません。自宅に犬を預かったり、ペットの世話全般を引き受けたりするサービスが大半です。
スキルを時間単位で売り買いするタイムチケットには、犬の散歩代行が100件近く登録されています。無料掲示板のジモティーを利用して犬の散歩代行の仕事を募集している人も少なくありません。タイムチケットやジモティー単独で飼い主の信頼を得るのは難しいですので、SNSやブログ・YouTubeなどと併用して情報発信する集客術も検討してみるといいでしょう。
この他にPetBacker(ペットバッカー)やDogwalk(ドッグウォーク)といった犬の散歩代行アプリも存在します。このうちPetBacker(ペットバッカー)は海外発のペットシッター・犬の散歩代行アプリです。犬の散歩の他にもホームステイやペットシッティング・デイケア・ペットタクシー・グルーミングなど、さまざまなペット関連サービスのマッチングに利用されています。
Dogwalk(ドッグウォーク)は犬のお散歩代行専門のサービスですが、散歩代行を担当するペットシッターは現在募集されていない様子です。PetBackerではペットシッターの求人も募集されています。以前は「ぱうわん」という犬の散歩代行アプリもありましたが、現在はサービスが終了されたということです。
犬の散歩代行を始めるのに資格は必要?
ペットシッター会社などが募集する犬の散歩代行バイトであれば、基本的には特別な資格なども必要ではありません。求人によっては犬の飼育経験や、ペット関連の仕事をした経験が求められる場合もあります。前述のオレンジペットシッターで募集している散歩代行スタッフの例では、5年以上の動物飼育経験か動物関連の仕事経験があれば資格がなくても応募が可能です。
資格が必要ないのは代行会社に雇われた場合の話で、たとえ副業でも個人で開業する場合は動物取扱業者としての登録が必要になってきます。犬の散歩代行も営利目的のペットシッター業と見なされるため、第一種動物取扱業の対象となってくるのです。
動物取扱業者として開業した場合には、事業所ごとに動物取扱責任者を置くことが義務付けられています。ペットシッター会社には各事業所単位で動物取扱責任者が在籍しているため、アルバイトのスタッフは資格を取得する必要がありません。自分でサービスを開業する場合は自身が動物取扱責任者を兼ねる必要がありますので、事前に取得しておくといいでしょう。
第一種動物取扱業の登録要件を満たすには、動物関連の資格または専門教育が求められるようになりました。犬の散歩代行業を開業する場合は動物の「保管」に該当しますので、必要な資格はペットシッター開業の場合と共通です。
犬の散歩代行の料金相場
実際に犬の散歩代行サービスを開業しようとする場合には、料金の平均的な相場も知っておく必要があります。マッチングサービスを利用して集客するとしても、料金が相場より高すぎては依頼を獲得できません。逆に料金を必要以上に安く設定しすぎた場合は、労力のわりに稼げないという結果になってしまいます。
ペット専門の求人サイトで犬の散歩代行スタッフ募集が確認されたのは、前述の通り麻布ペットとトゥトゥサービスの2社だけでした。このうち麻布ペットの料金表を見ると、散歩代行の料金は45分で3,630円です。
トゥトゥサービスでは「毎週らくらく定期プラン」として、3つの料金コースが用意されています。ペットシッターが犬の世話を行う場合は散歩に30分を費やし、エサやりやトイレ掃除などを含めて合計60分のサービスとするのが一般的です。トゥトゥサービスの定期プランで言えば、2,500円の30分コースが散歩代行だけのサービスに該当するものと見られます。
ペットシッター・散歩代行サービスを展開するオレンジペットシッターにも、同じような30分コースが用意されています。単発プランの基本料金は2,900円で、1匹追加するごとに630円加算される仕組みです。週2回以上の定期プランを利用すれば、基本料金が2,570円に下がります。
愛犬のお散歩屋さんの場合は、依頼回数によって料金が変動する仕組みです。7回までは1回あたり2,625円ですが、8回から29回までは2,100円に下がり、30回以上になると1回あたりの料金が1,575円にまで下がります。この他に2,940円の入会金と依頼ごとに315円の事務費、1km以上の場合は距離に応じた出張費も必要です。
タイムチケットで犬の散歩代行を検索してみると、30分500円や1時間1,000円という出品の例も見つかりました。30分あたり2,000円以下なら安い部類で、30分2.500円か1時間5,000円という例が大半です。
ジモティーで犬の散歩代行を募集している投稿の中には無償で引き受けるという人も少なくありませんが、有償の場合は1時間(または朝夕の2回)500円から3,000円まで金額に幅が見られます。以上の情報を総合すると、2,000円~2,500円程度が犬の散歩代行の平均的な料金相場と言えそうです。
犬の散歩代行の副業でどれだけ稼げる?
以上で紹介した金額はあくまでも犬の飼い主が支払う料金で、マッチングサービスを利用した場合は手数料を引いた残りの金額が報酬となります。タイムチケットを介して依頼を受けた場合は、チケットの金額によってサービス利用料が変わる仕組みです。5万円以下の部分は税込27.5%で5万円超から10万円以下の部分は同じく22%、10万円を超える部分については16.5%の手数料となります。
タイムチケットに出品されている犬の散歩代行サービスは2,500円または5,000円という例が多く、いずれも5万円以下の金額です。30分2,500円で出品したと仮定すれば、1回あたりの報酬は1,812円となります。料金そのものは犬の散歩代行サービスの平均相場に収まっていますが、時給換算では3,600円以上稼げる計算です。
ペットシッター会社でアルバイトのスタッフとして働いた場合は、給料が時給いくらという形で支払われます。時給は1,400円から1,800円程度という例が多く、1時間に満たない散歩代行の仕事で時給に換算して2,000円以上稼げる求人も見られます。
タイムチケットを通じて30分2,500円で依頼を受ければもっと効率的に稼げますが、依頼があるかどうかはやってみないとわかりません。料金が同程度であれば、犬の飼い主も信頼できるペットシッター会社の方を選ぶのが普通です。
タイムチケットやジモティーで1回500円という低価格の出品が見られるのも、個人が法人に対抗していくための作戦と見られます。30分で500円とすればタイムチケットの場合手数料が引かれて報酬が362円に減るため、時給換算では724円にしかならない計算です。
これは最低賃金を下回る金額ですが、犬好きの人なら自分のやりたい仕事でお金が稼げるだけで十分という考え方もできます。無料掲示板のジモティーなら取引が成立しても手数料は発生しないため、30分500円の料金を飼い主から直接受け取れば時給換算で1,000円稼げる計算です。
犬の散歩代行を始める方法まとめ
以上のような方法を使えば、アルバイトの求人が見つからなくても犬の散歩代行が副業の手段となり得ます。ペットシッター会社に対抗して愛犬家のニーズを獲得していくには、業者よりも安い料金でサービスのお得感をアピールするような集客術も欠かせません。
日本でもWagのようなドッグウォーカーのマッチングアプリが普及するようになれば、散歩代行の仕事がウーバーイーツ配達員のように人気爆発する可能性もあります。アメリカと同じように犬を飼っている人が大勢いる中では、毎日散歩に連れていくのを負担に感じている人も決して少なくはないはずです。
現状では有力なプラットフォームが国内にまだ存在しないため、集客面ではある程度の苦労が避けられません。今のうちからサービスを立ち上げて集客ノウハウを身につけておけば、近い将来にマッチングアプリが普及した暁には優位に立つことができます。アメリカですでに成功例が存在するビジネスモデルだけに、日本でも人気を集める可能性は十分にあるはずです。