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クラウドキッチンで始めるゴーストレストランとは?副業としても注目

フライパンを使った調理 副業
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コロナの影響で売上が激減し苦境に陥る飲食店が続出する一方、フードデリバリーに活路を見いだす店が増えています。そうした中で注目されているのが、クラウドキッチンを利用しながらデリバリーに特化したサービスを提供するゴーストレストランの形態です。

従来の飲食店開業と比べて初期費用が少なく済むだけに、ゴーストレストランは副業の手段としても人気が高まりつつあります。飲食店の常識を変えようとしているゴーストレストランの特徴について、新たなビジネスの可能性という観点から最新情報をまとめてみました。

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ゴーストレストランとは?

これまで飲食店と言えば店内に客席を備え、注文された料理を厨房で作ってその場で提供するのが普通でした。注文客の自宅まで料理を届ける出前も古くから行われてはいましたが、店舗型の飲食店で料理宅配にも随時対応するのが一般的です。出前注文に応じることで来店客以外の人にも料理を提供できるようになり、売上を大きく伸ばすことが可能になります。

厨房で働く人たち

そんな飲食店のスタイルも、時代の変化に伴って様変わりしつつある状況です。最近はウーバーイーツや出前館のようなフードデリバリーサービスの普及を背景に、デリバリー専門のゴーストレストランが続々と誕生しています。ゴーストレストランとは客席付きの店舗を持たない飲食店を意味し、ニューヨークに始まって世界中に広まりました。

2020年以降は新型コロナウイルスの感染が拡大したことで飲食店の売上が激減していますが、宅配需要の高まりを受けてフードデリバリーの売上は好調です。いっそのこと客席をなくしてデリバリー専門の飲食店にした方が、コロナ禍にあっては生き残りやすくなります。

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低資金での開業が可能

これまで飲食店開業には物件取得費用や内装工事・什器の購入など、数百万円から1千万円以上という多額の開業資金を要するのが普通でした。それだけの資金を投じて店を開業しても必ず成功するとは限らず、売上が伸びずに運転資金が不足するようになって撤退を余儀なくされる例は珍しくありません。

1万円札と電卓と財布

大きなリスクを伴うのが普通だった従来の飲食店開業と比べ、店舗が不要なゴーストレストランは格安の初期費用で開業が可能です。最低限必要な設備は料理を作る厨房だけで、商品の提供はフードデリバリーサービスを使って外注できます。デリバリー用の容器を準備しておく必要もありますが、厨房はクラウドキッチンを借りれば高額な物件取得費用が不要です。

クラウドキッチンとフードデリバリー

ゴーストレストランを開業するのによく利用されているクラウドキッチンは、シェアキッチンとも呼ばれている通り複数の人でシェアし合う厨房を意味します。クラウドキッチンの「クラウド=crowd」というのは、クラウドソーシングなどと同様に「群衆」を意味する英語です。不特定多数の人たちが1カ所の厨房を共有することで固定費が節約され、格安の料金で調理ができるようになるのです。

テイクアウト

実際のクラウドキッチンは1つの施設内で複数の厨房に分かれている例の他、テイクアウトにも対応した店舗やイートインスペースを備えた店舗などさまざまな例が見られます。フードデリバリーサービスのアプリを通じて受け付けた料理をクラウドキッチンで調理し、デリバリーサービスが手配したスタッフに渡して配達してもらうというのがゴーストレストランの一般的な流れです。

クラウドキッチンの主なサービス

自前の厨房スペースを所有しているのでない限り、こうした無店舗型の飲食店を開業するにはクラウドキッチンとフードデリバリーサービスの2つと契約する必要があります。クラウドキッチンはKitchen BASEが代表的な存在で、最近はフードデリバリーサービス大手の出前館でもクラウドキッチンを併設した配達拠点を開設しました。現時点では利用できる地域が限られていますが、出前館のクラウドキッチンは月額18万円という「激安」の料金でも話題を集めています。

ウーバーイーツが大きくシェアを伸ばしていたフードデリバリー業界で、最近は老舗の出前館が勢いを盛り返しつつある状況です。出前館でも業務委託の配達員を募集するようになった結果、ウーバーイーツ配達員が両方の配達を掛け持ちするケースが出てきています。

ゴーストレストランが急増している理由

一種の無店舗販売とも言えるゴーストレストランが増えている背景には、コロナ禍で飲食店をめぐる環境が激変してしまったという事情があります。飲食の際にはどうしてもマスクを外す必要があるせいか、これまで飲食店や会食の席でクラスターも数多く発生してきました。外出を控える動きが広がったという要因もあって、不特定多数の人が客席で飲食を行う店舗は売上が激減してしまったのです。

シャッターに貼られた「臨時休業いたします」の張り紙

代わりにスーパーの売上が増えているのは、これまで外食に頼っていた人の間で自炊に転じる動きが出ている証拠とも見られます。その一方では外食に対する需要も相変わらず根強いことから、作りたてのおいしい料理を自宅まで届けてもらえるフードデリバリーサービスの利用が増加中です。

既存の飲食店の間でもデリバリーに対応する店が増えている中、新たに飲食店を開業しようという人の多くは無店舗型のゴーストレストランを選択しています。その方がコロナ禍にあっては失敗のリスクが小さく済む上に、店舗型と比べて開業資金も10分の1程度にまで抑えられるというのが主な理由です。

クラウドキッチンやゴーストレストランの形態はコロナ以前から存在しましたが、コロナ禍で飲食業界が壊滅的な打撃を受けたことで普及が加速した面もあります。今後は飲食店の新しい営業形態としてゴーストレストランが定着するとともに、複数の飲食店で厨房をシェアし合うクラウドキッチンの需要も増えると予測されます。

副業から始めるゴーストレストラン

ゴーストレストランが続々と誕生している今の状況は、ある意味ではコロナ禍の副産物とも言えます。低資金で無店舗型の飲食店を開業するには、安い料金で借りられるクラウドキッチンが前提条件として必要です。
これにフードデリバリーのサービス網が街中に張り巡らされているという条件が加われば、飲食店開業の常識が大きく変わります。最低でも数百万円の開業資金が必要だったのが、ゴーストレストランなら10分の1程度の初期費用を用意するだけで開業が実現できるのです。

副業

これなら飲食店を開業するために会社を辞めて独立するまでもなく、副業のスタイルで試してみることが可能になってきます。平日は会社の仕事をしながら土日だけクラウドキッチンをレンタルし、週末起業の形でゴーストレストランを営業するようなスタイルです。フードデリバリーサービスは夜間にも対応していますので、その気になれば平日に会社の仕事が終わった後でクラウドキッチンに直行しひと仕事することも可能です。

メニューの個性が生き残りの鍵

コロナ禍で売上が低迷している居酒屋がフードデリバリーサービスに登録し、サイドビジネスとして料理の提供を行っているようなゴーストレストランの事例も見受けられます。企業が参戦する中で今後は競争の激化も予想されますが、店舗型の飲食店では実現がなかなか難しい個性的なメニューで生き残りを図るのも有効な手立てです。

タコを使った料理

飲食店をチェーン展開する企業はどうしても万人受けする平均的なメニューに走りやすいだけに、独自色の強いメニューで勝負できるという点は個人ならではの強みとなってきます。注文客の立場から見ても店舗型の飲食店では味わえない個性的なメニューが選べるようになれば、フードデリバリーの魅力が倍増するはずです。そうやって企業と個人がフードデリバリー業界で棲み分けされるようになった暁には、ゴーストレストランも新たな副業の選択肢として定着することでしょう。

クラウドキッチンでゴーストレストランを始める方法まとめ

フードデリバリーの配達員に商品を渡す女性スタッフ

従来型の飲食店がビジネスモデルとして成り立ちにくくなっているコロナ禍にあって、デリバリーに特化したゴーストレストランの取り組みが注目されるところです。感染拡大が落ち着けば飲食店にも賑わいが戻る可能性はありますが、一度定着したフードデリバリーが短期間で廃れてしまうというのも考えにくいと言えます。

フードデリバリーサービスの普及に後押しされたゴーストレストランの開業ラッシュも、今だけの一時的な現象とは限りません。従来より大幅に安い資金で飲食店を開業する手段として定着すれば、ゴーストレストランを副業とする人がアフターコロナ時代にも増えると予想されます。現在はクラウドキッチンの月額料金もまだ割高な印象を受けますが、普及が進めばさらなる低価格化が実現されるようになるはずです。

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