トーク力を生かした副業で収入を増やしたいけれど、顔出しはしたくない…
そんな人にピッタリなのが、声だけで出演できるラジオ番組です。でも個人でラジオ局を開局するのはハードルが高く、ラジオパーソナリティの求人もなかなか見つかりません。
インターネットラジオなら個人でも番組を作れる上に、サブスク化や投げ銭による収益化も可能です。副業としても有望視されているのを受けて、個人が音声の配信で収入を得る方法について徹底調査してみました。利用が可能なプラットフォームは大きく分けて3種類がありますので、主要な配信アプリに関する情報も種類別にそれぞれ解説していきます。
ラジオ番組出演を副業にする方法
今はYouTubeやNetflixなど動画全盛の時代ですが、ラジオも意外に根強い人気を維持しています。視覚と聴覚の両方に訴えかける動画メディアと比べ、音声だけが頼りのラジオは情報量が少ないと思いがちです。
実際には余分な視覚情報がない分だけ、ラジオパーソナリティの声は想像力をかきたてる面があります。ラジオはテレビよりリスナーとの距離が近いだけに、番組に固定ファンがつきやすいという点もメリットの1つです。ラジオ番組への出演を仕事にする側から見れば、顔出しをしなくて済むというメリットも見逃せません。
ラジオパーソナリティの求人は決して多いとは言えませんが、地方のコミュニティFM局なら求人が見つかる可能性もあります。本業で会社員や自営業の仕事をしながら、副業で地元FM局への番組出演を引き受けている人も少なくありません。
微弱無線装置を利用したミニFM局なら、総務省の許可を得なくても個人でラジオ番組の配信が可能です。この場合は電波法の壁に阻まれ、電波の届く範囲がごく狭い地域に限定されてしまいます。イベント会場や商業施設内に限定した情報発信の手段として、訪れた人に向けて番組を配信するしかありません。
何かと制約の多い電波をわざわざ使わなくても、今はインターネット回線を利用してラジオ番組の配信が可能な時代です。地方のFM局やコミュニティFM局でも、radikoなどのサービスを通じてインターネットラジオを配信している例が増えています。
radikoで配信されるようなラジオ番組を個人で配信するのはハードルが高いですが、ポッドキャストやラジオ配信アプリを利用した音声配信なら可能です。音声のみの配信も可能なライブ配信アプリを含めると、声だけの出演で収入が得られる副業は合計4つのパターンが考えられます。
このうちコミュニティFM局などで募集しているラジオパーソナリティの求人を除いて、以下の3パターンが今回の記事で取り上げるテーマです。
- ポッドキャスト
- ラジオ配信アプリ
- 音声だけの配信が可能なライブ配信アプリ
それぞれ詳しく解説します。
ポッドキャスト
インターネットを利用した音声配信メディアでリスナー数が最も多いのは、AppleやGoogleなどのポッドキャストです。インターネットラジオのradikoは国内の月間リスナー数が推定900万人ですが、ポッドキャストのリスナー数は月に1,000万人を上回ります。
ポッドキャストはもともと携帯音楽プレーヤーのiPod用として、音声による番組を配信するための仕組みでした。現在はiPodの枠を越え、GoogleやSpotify・Amazonといったプラットフォームでもポッドキャストの番組が提供されています。
Anchorのような配信サービスを利用すれば、ポッドキャストの各プラットフォームに同時配信できる仕組みです。専用の録音機材を使えば高音質で音声を収録できるようになりますが、スマホだけでも収録できないことはありません。
ポッドキャストで番組を配信する場合は、事前に収録した音声データを編集して公開するのが一般的です。音声版のYouTubeとも言える配信方式だけに、基本的には無料で音声コンテンツを公開することになります。そのままでは収益化が難しいため、副業の手段にするには工夫が必要です。
2021年にはApple Podcastでサブスク化による有料チャンネルの提供が可能になりました。Spotifyでも海外版では、広告掲載による収益化が可能という情報があります。
ラジオ配信
AppleやAmazonなど従来型のポッドキャストと比べ、「独立系ポッドキャスト」とも呼ばれるラジオ配信アプリは収益化の部分でリードしています。リスナー数の面では大手のポッドキャストに及びませんが、再生回数に応じた収益還元や投げ銭で稼ぐ手段が用意されているからです。
100万人のリスナーがいても、番組が無料で公開されるだけでは1円の収入にもなりません。収益の手段が確立されているプラットフォームの場合、リスナーが1人でもいれば稼げる可能性があります。
音声のみの配信に特化していて、収益化も可能なラジオ配信アプリは以下の通りです。
5つのラジオ配信アプリは、いずれも投げ銭に相当する機能が実装されています。リスナーがアプリ内の通貨やアイテムを購入し、お気に入りの配信者にプレゼントすることで収益が発生する仕組みです。
リスナーから受け取った投げ銭の全額が自分の収入になるわけではなく、運営側の手数料が引かれます。投げ銭の還元率はSpoonが最も高い40%で、stand.fmは推定30%前後です。ピカピカの還元率は他の配信アプリより低めの約20%で、Voicy・Radiotalkの還元率は非公開となっています。
Voicyはクリエイター登録そのものに審査制が採用されているため、誰でも配信者になれるわけではありません。審査が不要のstand.fmには投げ銭だけでなく、再生時間に応じた収益還元システムもあります。広告収入の一部がクリエイターに還元される仕組みですが、再生時間に応じたこの収益還元プログラムだけはVoicyと同様に審査制です。
stand.fmでは他にもチャンネルのサブスク化(月額課金)による収益化の手段も用意されています。同様のサブスク化はVoicyやRadiotalkでも可能ですが、stand.fmでは音声コンテンツの有料販売も可能です。収益化のパターンが多く用意されているせいか、情報販売系のネットビジネス界隈ではstand.fmが一番人気です。
クリエイター登録のハードルが高いVoicyには、スポンサー収入で稼ぐ方法も用意されています。専用のラジオ配信アプリ以外では、投稿サイトのnoteでも音声コンテンツの配信が可能です。投稿したコンテンツを有料販売したり、無料で公開して投げ銭収入で稼いだりする収益化のパターンが用意されています。
ライブ配信アプリ
音声特化型のラジオ配信アプリ以外でも、音声だけの配信が可能なライブ配信アプリがあります。アプリ内に複数の配信モードが用意されていて、顔出しの通常配信か音声だけのラジオ配信かが選べる仕組みです。キャラクターを描いたイラスト画像を表示しておいて、声だけで出演するタイプのアプリもあります。
数あるライブ配信アプリの中で、音声のみの配信が可能なアプリは以下の通りです。
いずれも収益化のメインは、リスナーが有料で購入するアイテムやギフトなどの投げ銭機能です。17LiveやPocochaのように、視聴回数や配信時間に応じた報酬システムを導入しているアプリもあります。
投げ銭収入の収益還元率は15%程度から50%超まで、ライブ配信アプリによってかなりの差が見られる状況です。30%前後という例が多い中で、ふわっちの還元率は50%に達します。
ツイキャス・ライブには還元率が70%の特別収益対象アイテムも用意されていますが、ライブ収益を有効にするには以下のような条件を満たすことが必要です。
- 直近3か月の累計視聴時間が100時間以上のユーザー
- YouTubeチャンネル登録者数100人以上のユーザー
- Twitterフォロワー数3000人以上のユーザー
ふわっちには収益化の条件もありませんので、誰でも投げ銭をGetすれば50%の還元率で自分の収入になります。音声特化型のラジオ配信アプリやポッドキャストも含めた中で、最も効率的に稼げる配信アプリと言えそうです。
まとめ
インターネットラジオが普及したことで、全国のラジオ番組がスマホで手軽に視聴できるようになりました。そのわりにラジオパーソナリティの求人は見つかりにくい状況ですが、ポッドキャストやラジオ配信アプリを利用すれば個人でもインターネットラジオの番組を配信することが可能です。
通常は顔出しの映像で生配信を行うライブ配信アプリでも、音声のみのラジオ配信モードを導入する例が増えています。それだけ顔出しの出演に抵抗がある人が多い一方で、音声だけのコンテンツにも一定の需要がある証拠です。
以前は無名の一般人がラジオパーソナリティになるには、簡単に越えられない高い壁がありました。インターネットが普及した今では、ラジオ配信のハードルが低くなってきています。
個人でもインターネットラジオの番組配信が可能になってきているため、副業の手段としても有望な選択肢の1つです。音声配信を収益化できるプラットフォームは数多く用意されていますので、自分に合ったアプリを選んで配信にチャレンジしてみるといいでしょう。