副業で稼ぐには誰でもできるような仕事をするよりも、趣味や特技を生かして収入を得るのが一番です。特に写真や動画の撮影が得意な人なら写真販売や撮影代行・出張撮影など、副業の手段はいろいろと考えられます。
カメラの初心者に撮影テクニックを教える講師の仕事なども含め、撮影スキルを生かして収入を得る副業を10種類選んで総解説してみました。撮影の副業10選の中には、スマホのカメラ機能を使ってお小遣い稼ぎができる方法もあります。デジタル一眼レフカメラやデジカメを持ってないという人にも必見の内容です。
撮影代行
撮影スキルを生かして稼ぐ副業の1つめは、依頼主に代わって商品撮影やモデル撮影などを行う撮影代行の仕事です。後述する出張撮影も広い意味での撮影代行に含まれますが、そちらは個人からの依頼が中心となります。商品撮影やモデル撮影の代行を依頼しているのは企業が多く、個人の依頼者でも副業で物販ビジネスを手がけているような人が大半です。
つまり撮影代行は何らかの事業に伴う写真や動画の撮影を代行する仕事で、従来はプロのフォトグラファーやカメラマンに依頼するのが一般的でした。現在の撮影代行サービスにはアマチュアのカメラマンも多く在籍しているだけに、撮影を趣味としている人の副業手段となり得る状況です。
またはココナラのようなスキルシェアサービスを利用して集客し、個人事業主として撮影代行を営むという手もあります。後述するように、クラウドソーシングの各サイトでも撮影代行の仕事は募集中です。個人が撮影代行の仕事を副業にする5つの方法については、個人が撮影代行を副業にするには?業者に対抗して集客する方法を解説で詳しく解説しておきました。
出張撮影
撮影で稼ぐ副業10選の2つめは、近ごろ話題を集めている出張撮影です。前述の通り広い意味では撮影代行の一種ですが、出張撮影は個人からの依頼を受けて撮影を行うケースが多くなっています。
出張撮影で最も需要があるのは、結婚式や運動会・発表会・七五三・入学式のような記念撮影を行う場面です。最近はSNSやマッチングアプリなど、プロフィール写真の撮影を依頼する人も増えています。不動産物件の撮影やセミナー動画の撮影など、企業からも依頼も少なくありません。
かつては地元の写真屋さんがその役目を果たしていましたが、専門業者に依頼すると料金が割高な面もあります。よりリーズナブルな料金で記念撮影や行事の撮影をしてもらえるサービスとして、カメラマンを派遣する出張撮影サービスの人気が高まってきているのです。
出張撮影サービスは数多く存在しますが、代表的なサービスとしては以下の3つが挙げられます。
いずれも専属のフォトグラファーが在籍していて、撮影してもらう人を利用客が選べる仕組みです。審査に通過して各サイトのフォトグラファーとして採用されれば、出張撮影を副業にして収入が得られるようになります。もちろん利用客に選ばれなければ報酬も発生しませんが、個人で集客するよりは仕事が得られる確率も高くなるはずです。
フォトグラファーとして採用されるための審査には書類選考による一次審査と、面談を中心とした二次審査があります。ストックフォト大手のPIXTAが運営するfotowaは審査がなかなか厳しく、二次審査の際にはコミュニケーション能力やディレクション能力も審査の対象です。
自分で集客する自信のある人は、スキルマーケットを利用して出張撮影のサービスを個人で出品するという手もあります。スキルを30分単位の時間で販売できるタイムチケットは、出張撮影の分野で高いシェアを誇るスキルマーケットです。マッチングアプリやSNSのプロフィール用写真に加え、結婚式や家族写真・ビジネス写真などさまざまな需要が期待できます。
クラウドソーシング
クラウドソーシングはプログラム開発や記事作成・データ入力など、パソコンを使う在宅ワークを中心にさまざまな仕事が掲載されているサイトです。その中に写真や動画撮影の仕事も含まれますので、撮影のスキルを活用した副業の手段になります。撮影の仕事が多く掲載されているのは、クラウドワークスとランサーズという2大サイトです。
クラウドワークスには「写真・画像・動画」のカテゴリ内に、「写真撮影」「映像撮影」というサブカテゴリが用意されています。この記事を書いた時点で「写真撮影」には75件、「映像撮影」には39件の仕事が掲載されていました。写真撮影のカテゴリでは、以下のような案件が募集されています。
- 地域の風景や街並み・ランドマーク写真を撮影する仕事
- 自身がモデルとなって指定の商品を利用している場面を撮影する仕事
- 自身または友人をモデルとして、お腹や脚などの身体パーツ写真を撮影する仕事
- 新規オープンするクリニックの院内撮影や院長・スタッフのポートレート写真の撮影
- 保育園の運動会や発表会の出張撮影
- 犬や猫など自身が飼っているペットの写真撮影
- 指定した場所にある駐車場に看板を設置し、駐車場内の写真を撮影する仕事
- ブランドバッグや財布・アクセサリーなど商品の撮影代行の仕事
写真のモデルを募集している案件も見受けられますが、撮影スキルを生かして収入が得られる仕事が多く掲載されています。インタビュー取材に同行するカメラマンの募集など在宅ワーク以外の仕事も目立ちますが、写真撮影が得意な人は稼ぐチャンスです。
写真撮影と比べると案件数は少なめながら、映像撮影のカテゴリでもさまざまな仕事が募集されています。保育園運動会の撮影やセミナー動画の撮影、結婚式の記録ムービーを撮影する仕事など、出張撮影の案件が中心です。新幹線やモノレール・緊急車両などの走行動画を撮影する仕事も複数の募集が見られるだけに、乗り物が好きな人は楽しみながら収入が得られます。
この他にも自然の風景や料理動画・家事をしている場面の動画など、撮影しやすい映像を募集した案件は少なくありません。YouTubeやTikTokに投稿する動画の撮影代行案件も掲載されていますので、興味のある人はクラウドワークスで募集をチェックしてみるといいでしょう。
ストックフォト
撮影代行や出張撮影の仕事だと、撮影した写真や動画を依頼主に納品してしまえばそれ以上の収入は得られません。相手に満足してもらうことでリピート依頼を受ける場合もあり得ますが、普通は写真や動画を納品してしまうと収入はそのとき1回きりです。
ストックフォトと呼ばれる販売サイトに写真を提供すれば、アップロードした写真が継続的に収益を生み続ける資産となります。写真がダウンロード購入されなければ報酬も得られませんが、自分の撮影した写真を商品として販売できる点は魅力です。
写真や動画・イラスト・音源などの有料コンテンツを販売しているストックフォトサービスには、以下のようなサイトが挙げられます。
ShutterstockやAdobe Stock・iStockのような海外のストックフォトサイトの場合、報酬はドルで支払われるのが一般的です。報酬を受け取るには、paypalやPayoneer・Skrillといったオンライン決済サービスを利用する必要があります。PIXTAやフォトライブラリーなど日本の企業が運営するストックフォトサイトであれは、報酬を登録口座に振り込むことが可能です。
いずれも写真1枚の金額が安い上に、各サイトによって割合が異なる手数料も引かれてしまいます。撮影代行や出張撮影の報酬と比べ、ストックフォトで写真が売れても1枚あたりの報酬は微々たる金額です。よほど数を売らないとまとまった金額にならないため、撮影スキルを生かした副業としては稼ぐ難易度が高めと言えます。
どのような写真でも販売できるというわけではなく、審査を通過した写真だけがストックフォトサイトに登録される仕組みです。ストックフォトで月に10万円以上も稼いでいるという人は、何百点何千点という数の写真を登録しています。
フリー素材サイト
ストックフォトは写真やイラスト・動画などの素材を有料販売するサイトですが、インターネット上には素材を無料でダウンロードできるサイトも多く存在します。何らかの見返りがなければ、フリー素材サイトに写真や動画を提供する人は集りません。
作品を無償で提供したのでは副業の手段になりませんが、フリー素材サイトにも広告が掲載されています。広告収入をクリエイターに還元しているフリー素材サイトがあれば、作品を無料で提供しても収入が得られるはずです。
実際にフリー素材サイトの写真ACには、写真が1回ダウンロードされるごとにいくらという形で報酬が発生する仕組みがあります。1ダウンロードあたりの報酬金額は人物写真で5円、人物以外の写真では2.75円です。
ストックフォトと比べても微々たる金額ですが、無料だと有料販売よりダウンロードしてもらえる確率が格段に高くなります。多くの写真を登録しておけば塵も積もれば山となるで、ちょっとしたお小遣い稼ぎにもなり得る副業です。
フリー素材サイトは個人のブロガーなども多く利用しているため、ダウンロードされている作品は必ずしも高品質の写真ばかりとは限りません。当ブログでも写真ACには日頃からお世話になっていますが、いかにも素人が撮ったような写真でも、記事のテーマに合っていれば積極的にダウンロードして使わせてもらっています。そういう需要をうまくすくい上げれば、フリー素材サイトでもダウンロード回数を稼いで収益に結びつけられるはずです。
コンテンツ販売
自分で撮影した写真がストックフォトで売れた場合でも、売上の全額が自分の収入になるわけではありません。売上の一定割合が手数料として引かれ、残りの金額が報酬になる仕組みです。
売上に対する報酬の割合を示すコミッション率は30%から40%という例が多く、条件によってはもっと低い場合もあります。売上の半分以上を運営側に持っていかれる仕組みだけに、ストックフォトは手数料が高すぎると感じる人も少なくありません。手数料をもっと少なく抑えたいという人は、デジタルコンテンツの有料販売が可能な他のプラットフォームを利用するのも1つの手です。
文章や画像・音楽などの作品を配信できるプラットフォームとして人気上昇中のnoteには、作品を有料コンテンツとして販売できる仕組みがあります。文章や音声とともに画像も有料公開の対象となっているため、自分で撮影した写真が有料noteとして売れれば収入につながるというわけです。
動画は今のところ有料コンテンツの対象外ですが、YouTubeやTwitterで公開した動画のリンクを有料記事に貼り付けるという手もあります。撮影で稼ぐ副業の手段としては、主に写真のマネタイズとして有効な方法です。
noteで無料公開した写真でも、ユーザーが気に入ってくれれば「サポート」機能を通じて投げ銭収入が得られる可能性があります。noteで写真を有料販売した場合の手数料は売上の10%ですので、ストックフォトと比べれば格安です。
BASEやSTORES・カラーミーショップのようなサービスを利用すれば、誰でも自分のネットショップを簡単に作成できます。いずれのネットショップも物販ビジネスだけでなく、写真やイラスト・漫画・小説などのデジタルコンテンツも販売の対象です。
ストックフォトと違って自分で集客する努力も欠かせませんが、自分で写真販売サイトを開設すれば売上から引かれる手数料は最も安く上がります。BASEとSTORES(ストアーズ)・カラーミーショップで月額料金無料のフリープランを選んだ場合でも、売上から引かれる手数料は6%前後です。SNSやブログと併用して上手に宣伝すれば、ストックフォトで販売するより効率的に稼げる可能性があります。
写真・動画買取
最近は下火になってしまいましたが、以前は事件や事故・災害などの決定的瞬間を撮影したスクープ写真・動画の買取を行うサイトが複数存在していました。ペットや赤ちゃんなどの日常的な面白動画も、スクープ映像として買取の対象とされていたのです。
テレビのニュース番組では視聴者から提供されたスクープ映像や写真もよく見かけますが、テレビ局では写真や動画の買取を行っているのでしょうか?
結論を言えば、テレビ局にスクープ写真や動画を提供しても謝礼をもらえることはほとんどありません。担当者の判断でクオカードなどをもらえる場合もありますが、ほとんどのケースでは無償でスクープを提供することになりそうです。
週刊誌はスクープ情報に高額の謝礼を払っているという噂もありますが、真偽のほどは定かでありません。信頼できる情報を総合すると、新聞や雑誌の場合もテレビ局と似たような状況と見られます。
NEXTVISION株式会社が運営するvideocashは、テレビ局などのメディアにスクープ映像を配信している動画売買プラットフォームです。自分で撮影したスクープ動画をvideocashに投稿して審査に通過すれば、動画が購入された際に収益の一部を報酬として受け取れます。現状ではこのvideocashが、写真や動画の買取が可能な唯一のサイトと言える状況です。
写真集出版
撮影スキルを生かして収入を得る副業の8つめは、撮り溜めた作品を編集して写真集として出版する方法です。もちろん名前の知られた写真家やカメラマンでもなければ、出版社から写真集出版の話が持ち込まれることはありません。どうしても出版したい場合は自費出版という手もありますが、よほどの部数を売らない限りは費用の方が上回ってしまいます。
それは紙媒体の話であって、今は誰でも電子書籍を出版できる時代です。電子書籍市場で圧倒的なシェアを誇るAmazonのKindleには、Kindleダイレクトパブリッシング(KDP)というセルフ出版の仕組みがあります。このKDPを利用して、漫画や小説・ビジネス書・実用書などさまざまなジャンルの電子書籍が個人出版されてきました。
写真集はKindleストアでも人気カテゴリの1つだけに、腕に自信のある人は自分で撮影した写真で印税収入を稼ぐチャンスです。紙の本を自費出版するのと違って、KDPを利用した電子書籍なら初期費用0円での写真集出版も可能になってきます。表紙とタイトルを工夫して読者の目をうまく引きつけられれば、印税で高収入を稼ぐことも夢ではありません。
とは言え無名の素人が出版した写真集にお金を出してくれる人は限られますので、最初のうちはなかなか売れないのが普通です。Kindleには月額980円で、対象書籍が読み放題となるKindle Unlimitedのサービスもあります。出版する写真集をKindleストアの独占販売に設定すれば、KDPセレクトに登録してKindle Unlimited対象書籍にすることも可能です。
Kindle Unlimitedで写真集がダウンロードされると、「読まれたページ数×約0.5円」が著者の報酬となります。写真1枚あたりで稼げる金額はストックフォトやフリー素材サイトへの投稿と比べても少額ですが、天下のAmazonが運営するサービスだけに集客力は桁違いです。他の方法でなかなか収入に結びつかないという人は、KDPを利用した写真集出版も試してみるといいでしょう。
撮影教室の講師
自分で撮影した写真や動画を販売したり、撮影を代行したりするだけが副業の手段ではありません。カメラの初心者を対象に、撮影の基礎やテクニックを教えて講師収入を稼ぐという手もあります。
写真や動画の撮影教室で講師を務めている人は、必ずしもプロのフォトグラファーやカメラマンとは限りません。他に本業の仕事を持っていてカメラを趣味としている人でも、撮影講座を開いて初心者に教えることは可能です。以前は教室を借りたり屋外に生徒を集めたりして対面で教える方式が主流でしたが、コロナ禍をきっかけにオンライン講座も人気を集めています。
生徒募集の集客手段として最も多くの人に利用されているのは、国内最大級の教室集客サイトストアカです。ストアカの「写真・映像」カテゴリには「写真(カメラ)基礎」や「風景・夜景撮影」「ポートレート撮影」「スマホ撮影」など、約2,500の講座が登録されています。
「動画・写真レッスン・アドバイス」のカテゴリが用意されているココナラや、「カメラレッスン」のカテゴリがあるタイムチケットも撮影スキルを収入に換える手段の1つです。撮影行為そのものでお金を稼ぐわけではありませんが、カメラの扱いに慣れた人の副業手段としては検討してみる価値があります。
レシート撮影
最後に紹介するのは副業と言うよりお小遣い稼ぎの部類ですが、レシート買取アプリも撮影で収入を得る手段の1つです。普通はゴミとして捨てられるレシートも、企業にとっては消費者の買物行動を知る貴重なデータとなります。わざわざお金を出してレシートを買い取ろうとする企業が存在する限り、レシート買取ビジネスも成り立つというわけです。
レシート買取アプリを利用すれば、スマホのカメラでレシートの写真を撮影して送信するだけでポイントがもらえます。付与されたポイントは現金やギフト券と交換できるため、ちょっとしたお小遣い稼ぎになるという仕組みです。これまでに紹介した9つの副業とは毛色がだいぶ異なりますが、レシート買取アプリ広い意味では撮影で稼ぐ副業の一種と言えなくもありません。
レシート画像の買取をしている主なアプリは、以下の通りです。
いずれもレシート1枚あたりで稼げるのは微々たる金額ですが、数をこなせばちょっとしたお小遣い稼ぎになり得ます。日頃から1円でも2円でも安く買い物しようと心がけている人は、家計節約術の1つとして取り入れてみるといいでしょう。
撮影で稼ぐ副業番外編
撮影スキルを生かせる副業10選は以上ですが、巷ではインスタグラムへの写真投稿で高収入を稼げると称する副業の勧誘も出回っています。以下の記事で紹介したようにインスタグラムで広告収入を稼ぐ手段が存在するのも事実ですが、誰でも簡単に稼げるわけではありません。
多くのフォロワーを持つインスタグラマーになるには、人の何倍もの努力が必要です。詐欺まがいの商法も問題となっていることから、今回の副業10選に「インスタグラマー」は入れませんでした。
インスタ映えする写真を地道に投稿し続けてフォロワーを着実に増やしていけば、自分で撮影した写真が収入に結びつく新たな副業にもなり得ます。インスタグラマーが副業として成り立つようになるには相当に時間がかかると予想されますので、頭の片隅に置いておく程度にとどめるのが無難です。
自治体や新聞社・企業などが募集する写真コンテストに応募して賞金を狙う方法も、確実に稼げるわけではないため副業10選の対象外としました。映像作品を募集している公募も含め、100万円以上の高額賞金がかかるコンテストも開催されています。腕に自信がある人は最新の募集状況をチェックした上で、賞金獲得にチャレンジしてみるといいでしょう。
撮影で稼ぐ副業10選まとめ
番外編まで含めると、写真や動画の撮影で収入を得る手段は10本の指に余るほど用意されている状況です。どれも簡単には稼げないのが現状ですが、出張撮影やストックフォトには人によって向き不向きもあります。
どれか1つを試してみてなかなか稼げなかった人が、他の副業に変えてみたら違う結果が出たというのはよくある話です。撮影のスキルを生かして収入を得る副業の手段が1つでないと知っていれば、たとえ失敗しても挽回のチャンスが与えられます。カメラの撮影が得意な人は今回の記事で紹介した情報を参考にしながら、自分に合った副業を探してみるといいでしょう。
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