雪の多い地方に住んでいると雪かきが日課となりますが、家の前の雪を片付けても稼ぎにはなりません。世の中には高齢だったり病気がちだったりして、自宅前の雪かきをするのも難しいという人たちがいます。お金を払ってでも代わりにやってほしいという需要も少なくないだけに、雪かきを仕事にする方法があるはずです。
当ブログではこれまでに、「除雪バイト」や「雪下ろし代行」の仕事を紹介してきました。筆者自身も積雪の多い地方に住んでいて、雪かきを仕事にしている人を何人も知っています。
そこで今回は「雪かきボランティア」「雪かきバイト」「雪かき代行ビジネスの起業」の3通りに分けて、仕事の始め方と稼げる金額の目安をまとめてみました。この記事を読めば、普通は1円にもならない雪かきでお金を稼げるようになります。
雪かきを仕事にする方法
筆者の自宅は幹線道路沿いにありますが、歩道の除雪は来たり来なかったりで、あまり当てになりません。家の前の歩道は毎朝自分で雪かきを行い、通行人が少しでも歩きやすくなるようにはしています。
大雪が降った日には朝だけでなく、1日に何回も雪かきをしないと追いつきません。こうなるとほとんど仕事も同然ですが、自宅で雪かきをしたところで1円の収入にもならないのがつらいところです。
積雪の多い地方に住んでいる人の多くは、同じような思いをしながら雪と闘っています。それでも体力があるうちはまだいいですが、高齢になったり病気をしたりすると、自宅の雪かきですら困難になってきます。駐車場の広い商業施設や病院なども、敷地内の雪かきを自分たちで済ませるには人手が足りません。
積雪の多い地域ではそんな人たちを対象として、雪かきの代行サービスが成り立っています。無償で雪かきを行うボランティアの団体もありますが、最近はボランティアでも有償化するケースが増えているという話です。
商業施設や病院などでは、有償ボランティアよりも高額な報酬で雪かき代行の仕事を募集している例も少なくありません。いずれにしても筆者が住んでいるような積雪地帯では、冬季限定の仕事として「雪かき代行」の需要が発生します。
雪かきを仕事にする方法は以下の3通りです。
- 雪かきのボランティアに参加する
- 雪かきのアルバイトとして雇われる
- 自分で雪かき代行ビジネスを起業する
それぞれ詳しく解説します。
雪かきボランティア
全国各地の積雪地帯では、冬になると高齢世帯などを対象に雪かきボランティアが募集されます。自力では除雪が困難な高齢者や障害者に代わって、ボランティアのメンバーが雪かきを行う活動です。屋根の雪下ろしや駐車場の除雪には対応しないケースが多く、スコップやスノーダンプなどの除雪用具を使用して依頼者宅周辺の雪かきを行います。
自治体が雪かきボランティアを募集している例もあれば、社会福祉協議会のような民間団体でボランティアを実施している例もあります。利用料金が無料の場合は、雪かきのボランティアも原則として無償です。
最近は人手不足を背景に、1時間1,000円前後の利用料金を払う有償ボランティアが増えています。この場合はボランティアに対しても、謝礼や交通費を支払うのが一般的です。
収入にはこだわらず地域への奉仕を目的に雪かきの仕事がしたい人は、無償ボランティアでもやりがいを感じられます。収入を得ることを目的に雪かきを仕事にしたい人は、地域で有償ボランティアを募集していないかどうか検索してみるといいでしょう。
雪かきのバイト
以上のようなボランティアとは別に、広い駐車場を抱える店舗や病院などで独自に雪かきのアルバイトを募集しているところがあります。筆者の隣のクリニックも駐車場や敷地が広いだけに、冬場限定のアルバイトを雇って雪かき作業を任せています。
場所によってはスノーダンプなどを使って手作業で雪かきを行うこともありますが、駐車場などは除雪機を使用した方が効率的です。早朝に作業を行うケースが多いせいか、副業で雪かきのアルバイトをしている会社員の例も見られます。
筆者の隣のクリニックでは冬に仕事がなくなる農家の人がアルバイトに来ていて、積雪の状況によっては日中も随時除雪作業を行う契約だそうです。大雪が降った日などは、ほとんど1日中作業をしていたこともありました。その代わり雪が降らない日は仕事が休みになり、暖冬の年は出動日数そのものが激減する可能性もあります。
アルバイトの給料は時給または日給の形で支給されるのが一般的ですので、働いた時間や日数が多ければ多いほど稼げる仕事です。雪が多い年は稼ぎが多く、少ない年はあまり稼げないのも仕方がありません。有償ボランティアの謝礼よりは給料が全般に高額ですので、収入を得ることを目的に雪かきの仕事がしたい人におすすめの働き方です。
雪かき代行ビジネスを起業
雪かきボランティアは自治体や民間団体で、雪かきのアルバイトは企業や店舗・医療機関などで、それぞれ求人を募集しています。地域によっては募集が見つからない場合もありますが、そんな人でも自分で雪かき代行ビジネスを起業することは可能です。
雪の多い地域なら代行の需要も確実にあるはずですので、あとはどうやって依頼を獲得するかが課題となります。新聞折込やポスティングでチラシを配布したり、ホームページやブログ・SNSを通じて情報発信したりするのがよくある宣伝手法です。
2021年には北海道のベンチャー企業BaySherwood社が、雪かきのマッチングアプリSnow Bellを正式リリースしました。雪かきを代行してほしい人と、雪かきの仕事で収入を得たい人をマッチングする画期的なサービスです。屋根や歩道・車庫など除雪してほしい個所にチェックを入れ、アプリのベルを押して依頼する人を募集する仕組みです。
「Buster」と呼ばれる作業者には除雪業者だけでなく、個人事業主として活動する雪かきのプロも登録しています。自分の働きたいときだけ雪かきの仕事ができるところは、雪かき版ウーバーイーツとも言えます。当初は札幌市など北海道の主要都市から運用をスタートさせ、現在は対象エリアを全国に拡大中です。
Snow Bell以外では、以下のような仕事マッチングサイトで雪かき代行のカテゴリが用意されています。
くらしのマーケットは家事代行を中心とした仕事マッチングアプリで、登録された代行業者の料金と口コミを利用者が比較できる仕組みです。アプリ内では「店舗」「店長」などと紹介されていますが、個人で登録している人も少なくありません。
フリーランス・中小企業向けマッチングサイトのゼヒトモには、雪かきのプロが2,000人以上登録されています。見積もり比較サイトのミツモアにも、雪かき・除雪・雪下ろし業者が数多く登録されています。無料掲示板のジモティーには、雪かきをしてほしい人と雪かきの仕事がしたい人の両方で投稿が見られる状況です。
全国に数多く存在する便利屋の中にも、冬場の雪かきに対応しているところがあります。便利屋のポータルサイトに登録することで一定の集客効果は得られますが、他の集客手段と併用するのがおすすめです。
雪かき代行の料金相場
雪かきを仕事にする上で気になるのは、実際にどれくらいの金額を稼げる仕事なのかという点です。この点に関しては、「ボランティア」「アルバイト」「起業」という3つの働き方によって金額が異なります。雪かき代行の料金そのものが、働き方しだいで違ってくるからです。
雪かきボランティアは福祉を目的に実施している例が多いだけに、無料で利用できるケースも珍しくありません。有料だとしても安価に利用できるのが普通ですので、ボランティアに支払われる謝礼の金額はどうしても低くなりがちです。雪かきボランティアの謝礼相場は、1人1時間あたり0円から1,000円前後と推定されます。
企業や店舗などで募集している雪かきアルバイトの場合は、「お金を払ってでもしっかりと除雪をしてほしい」という依頼主が大半です。料金の相場は作業員1人1時間当たり1,500円から3,000円ほどに上がり、北海道では6,000円に達するところもあります。1日あたりいくらという形で給料が支給される求人では、12,000円から15,000円程度が日給の平均的な相場です。
ちなみにくらしのマーケットの「雪かき代行」カテゴリでは、作業員1時間あたり3,500円から7,000円という例が多くなっています。個人で雪かき代行ビジネスを起業する場合でも、こうした相場を踏まえた上で料金設定する必要があります。起業したばかりの頃は相場より低めの料金で集客力を高め、実績を積み重ねたところで金額を少しずつ上げていくのが無難なやり方です。
雪かきを仕事にする方法のまとめ
雪かきはかなりの重労働でやりたがる人が多いとは言えない仕事だけに、積雪の多い地方では冬場限定の代行ビジネスとして成り立っています。雪かきボランティアだとたいした金額を稼げませんが、地域への貢献が目的の人にとってはやりがいのある仕事です。
企業や病院などに雇われる雪かきのアルバイトは時給が高めの代わりに、雪の降り方によって収入が不安定な面もあります。アルバイトの募集が見つからない場合でも、くらしのマーケットやゼヒトモなどのマッチングサイトを利用すれば、自分で雪かき代行ビジネスを起業することも可能です。
個人で起業した場合は集客面が課題となりますが、うまく依頼を獲得できれば最も稼げる働き方です。雪かきが得意な人は、自分に合った働き方を選んで社会に貢献してみるといいでしょう。