仕事に付きもののストレスを溜め込みすぎると、さまざまな病気の原因となって健康を害してしまいます。そうならないためには趣味や運動・飲み会などでストレスを適度に解消させ、溜め込まないようにすることが大切です。
そんなストレス解消につながる活動の1つとして、本業以外に収入を得るために行う副業が挙げられます。仕事のストレスを他の仕事で解消させるというのは一見矛盾しているようでもありますが、実際に副業を始めた人の多くは心が楽になったと感じているのも事実です。
収入を増やすためにする副業でストレスが解消されるのはどうしてなのか、仕事でストレスを受けてしまう原因から心のメカニズムを考察してみました。自分に合わない仕事を副業の手段に選んだり、休む暇もないくらいに働きすぎたりするのはもちろん逆効果です。ストレス解消につながる副業の選び方についても、記事の後半で詳しく解説します。
仕事でストレスが溜まってしまう理由
副業をストレス解消に役立てようとする前に、そもそも仕事でストレスを受けてしまう原因について知っておく必要があります。そうでないと本業のストレスに副業のストレスまで加わり、身も心も疲れ果ててしまうということになりかねません。
もちろん仕事でストレスが溜まってしまう原因は誰でも同じというわけではなく、1人1人性格が違うようにストレスの原因も異なるのが普通です。もともと人付き合いが得意でない人が接客を伴う仕事をしていてはストレスが溜まるのも当然ですが、会話が得意な人ならそれほどの負担になりません。屋外の仕事で夏の暑さや冬の寒さがストレスになる場合もあれば、冷え性の人は冷房が効きすぎたオフィスがストレスになるという具合です。
管理職や担当者は責任の重さが精神的な重圧につながり、顧客の存在もストレスの一因になり得ます。そうした中でも特に多くの会社員を悩ませているのは、職場や取引先との人間関係に由来するです。仕事内容そのものに不満を抱いている人にとっては、仕事のやりがいが感じられないという点もストレスにつながります。
人間関係に由来するストレス
仕事のストレスと言っても以上のように原因は多岐にわたりますが、最も多いのは職場の人間関係が原因となっているケースです。上司から必要以上に強く叱責されたり退職を強要されたりするのは、現在の基準ではパワハラに該当します。被害者として声を上げれば改善される可能性もあるものの、パワハラ被害者の大半は職を失うのを恐れて泣き寝入りしているのが現状です。
そうした状況で仕事を続けていてはストレスが溜まってしまうのも当然ですが、自分自身が管理職に昇進した場合でも部下をうまく統率できないとストレスにつながります。職場の中に相性が合わない人が1人でもいると毎日の仕事が苦痛になり、事あるごとに対立しては疲れ果ててしまうものです。
職種によっては取引先の担当者から恫喝されたり、執拗なクレームを受けたりして消耗してしまうのも人間関係に由来するストレスに含まれます。工場の製造ライン担当や清掃業など、黙々と働くのが好きな人に向いた仕事であれば人間関係に悩まされることもそれほどありません。
それでも仕事をする以上は何らかの形で他人と関わる場面が出てきますので、対人関係は仕事をする上で最大のストレス源です。そんな対人ストレスが少ない仕事を選ぼうとしても、本業の仕事では選択の余地が決して多いとは言えません。本業としてまとまった収入が得られるような仕事は限られてくるため、ほとんどの人は何らかの形で人間関係に悩まされながら生活のために働き続けているのです。
職場の人間関係に疲れた人が試すべき対処方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
人間関係に問題がなくても、仕事そのものに不満を抱いたままではストレスが溜まってしまうのも当然です。やりがいの感じられない仕事を嫌々やっていると疲れてしまう理由については、以下の記事で考察を試みました。
仕事のストレスを解消させる副業
職場の人間関係や仕事の不適合に由来するストレスを解消させるには、仕事から離れて趣味を楽しんだり適度な運動で体を動かしたりする時間を持つのが効果的とされています。そうすることで精神的なストレスがその都度発散され、蓄積されることなく心身がリフレッシュされるのです。
趣味や運動も悪くはありませんが、どうせストレスを発散させるならついでにお金を稼ぐように工夫した方が効果も高まります。自分の好きなことや体を動かすことでお金を稼げるような仕事があれば、それを副業にすることで一石二鳥のメリットが得られるのです。
お金にはそれほど困っていないという人でも、稼ぐという行為そのものにストレスを解消させる効果が期待できます。人間は「お金を稼ぐ=価値を獲得する」という行為に対して、一種の快楽を感じるようにプログラムされた存在です。もちろん世の中には貧しくとも気高い精神を持つ清貧の士も存在しますが、承認欲求が満たされた結果としてお金が稼げる種類の仕事もあります。
本業では責任があるため仕事を純粋に楽しめないという人でも、副業ならゲーム感覚で稼ぐ行為に徹することも可能です。それが自分の好きなジャンルであればお金を稼ぐ以上の楽しみが仕事から得られるため、趣味でストレスを発散させるのと同じ感覚で取り組むことができます。
好きなことを副業にしてストレス解消
誰にでも同じように当てはまるという意味で仕事のストレス解消になる副業があれば紹介したいところですが、ストレスの感じ方には個人差があるためそういう仕事は存在しません。例えばスポーツインストラクターは体を動かすことや人に教えることが好きな人に向いている仕事で、運動の苦手な人や人付き合いの苦手な人には不向きです。
どのような仕事でも自分に向いていないとストレスの原因になり、自分に合った仕事を選べばストレスをむしろ解消させる方向に働きます。本業の仕事では自分の都合で自由に仕事を選べるわけではないため、不向きな仕事に無理やり合わせることでストレスが生じていました。
するもしないも自由な副業なら、自分に合わない仕事を無理にする必要はありません。たまたま自分の好きな分野でお金を稼げる手段が見つかれば、時間の許す限り取り組むことで無理をせずに収入を増やせるようになります。
例えば小さい頃からテレビが好きだった人が番組制作の仕事をしたいと思っても、現実にはテレビ業界に就職するのはなかなか難しいものです。本業の仕事ではテレビとまったく関係のない会社の仕事を嫌々とやりながらストレスを溜め込んでいた人でに、副業YouTuberとして動画で稼げるようになれば違った形で夢が実現できます。
YouTuberも競争が厳しい世界で本業にするのは大変ですが、副業で収入を増やす程度の金額なら普通の会社員でも稼げる可能性があります。普段はOLの仕事をしている女性が小さい頃は食べ物屋さんになるのが夢だったとしたら、副業でキッチンカーを始めるというのも1つの手です。
どのような仕事でもストレスは付きものとは言え、自分が本当に好きなことを仕事にすれば癒やしにつながります。本業の仕事でストレスに悩まされているという人は自分に向かない職業を選んでいるケースが多いだけに、本当にやりたかった仕事を副業にすることで自分が解放され、心が楽になれるのです。
仕事のストレスを副業で解消する方法まとめ
あくまでも収入を増やす目的で副業を始めようとする人は、時給の高いアルバイトなど効率的に稼げる仕事を選びがちです。そういう仕事の多くは体力的な負担や精神面での負担が大きいだけに、本業だけの場合と比べて仕事のストレスが倍増しかねません。
得られる収入を度外視するほどでなくても、効率的に稼げるかどうかという点を重視せずに副業を選べばストレス解消も十分に可能です。自分がやりたい仕事なのかどうかという点を何よりも優先させて副業を選び、お金を稼ぐことを二の次にして楽しみながら取り組めばストレス解消につながります。そんな副業でも睡眠時間を極端に削ったりして過剰に入れ込みすぎるとかえって逆効果ですので、何事もほどほどに取り組むのが心の安定を保つための秘訣なのです。