空き地を所有していると、土地を使っていなくても固定資産税が毎年発生します。住宅などの建物が建っている場合と比べ、更地の固定資産税は3倍ほど割高です。
放置していては金を食うだけの存在になりがちな空き地を有効活用して、何とか副業収入を稼げないものかと考えている人も少なくないと思います。立地の条件にも左右されますが、副業に向いた空き地の活用方法は10種類ほど挙げられます。
当ブログはこれまでに、不労所得を稼げる副業の紹介にも力を入れてきました。今回は空き地の有効活用というテーマに絞り込み、10種類の副業に厳選して概要を解説していきます。この記事で紹介する方法のいずれかを実践すれば、手持ちの空き地がお金を生み出してくれるようになります。
駐車場
空き地を活用した収入の手段として誰でも思いつくのは、月極駐車場やコインパーキングなど駐車場の経営です。自分の所有する空き地を整地して駐車場に仕立て上げれば、利用されるごとにお金が自動的に入ってくるようになります。
未舗装の状態でも整地して平坦にすれば、月極駐車場として利用者を募集することは可能です。アスファルト舗装を施すには、1㎡あたり1,500円程度の費用がかかります。空き地をコインパーキングにするには舗装以外にも、精算機やロック板・看板などの設置費用が必要です。
費用をかけて空き地を駐車場に整備するほどでなくても、自宅前の空きスペースや使わない時間帯の車庫を駐車スペースに開放するという手もあります。特Pやakippa(あきっぱ)などが、駐車場シェアの代表的なマッチングサイトです。
空きスペースを駐車場シェアのサイトに登録しておけば、自分で指定した時間帯だけ利用ユーザーに貸し出せるようになります。初期費用をほとんどかけずに副収入が得られる稼ぎ方ですので、「空き地は持っているけれど貯金がない」という人に最適な副業です。
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自販機
人通りのある道路沿いに空き地や空きスペースを持っている人の場合、道路に面した場所に自動販売機を設置するという稼ぎ方が考えられます。
自販機の調達から商品の補充まですべて業者任せのフルオペレーションは、ほとんど手間をかけずに不労所得を稼げる方法です。その代わり売上の半分以上は業者に持っていかれる上に、電気代は自分持ちとなります。自分で自販機を購入するセミオペレーションと比べ、フルオペレーションは利幅が少なくなりがちです。
セミオペレーションを選択した場合は自販機の購入費用が発生し、商品の補充やメンテナンスなども基本的に自分でする必要があります。フルオペレーションより手間はかかりますが、上手に運用すれば立地しだいでまとまった収入を稼ぐことも可能なビジネスです。
無人販売所
自分が常時ついていなくても商品を販売できるスタイルは、自動販売機以外にもいろいろと考えられます。無人販売所で売る商品は野菜が定番ですが、扱う商品は農産物に限りません。スイーツや惣菜・冷凍食品・メダカ・不用品など、いろいろな商品を扱う無人販売所が各地に出現しています。
特に最近増えているのは、フランチャイズまで登場している冷凍餃子の無人販売所です。店内には販売用の冷凍庫と料金箱が置かれているだけですので、3坪から4坪程度の空きスペースがあれば無人販売所を開業できます。敷地に余裕がある場合は駐車場を併置することで、車で通りかかる人を取り込むことも可能です。
看板広告
幹線道路を車で通りかかると、ロードサイドの空き地に野立看板が設置されている光景をよく見かけます。これも無断で設置されているわけではなく、土地の所有者に許可を得た上で設置された有料の屋外広告です。
貸看板とも呼ばれる看板広告には、屋上看板や壁面看板などさまざまな種類があります。中でも空き地で収入を得る手段としてよく利用されているのが、店舗や企業のPR・誘導目的に設置される野立看板です。野立看板は幹線道路沿いだけでなく鉄道の沿線にも設置が可能で、場所によっては周囲に建物がない休耕地や原野も有効活用できます。
賃料収入は立地条件によって大きく左右されるため、どれくらい稼げるのか一概には言えません。交通量の多いロードサイドなどで立地条件がよほど良好な場所でない限り、野立看板1か所につき年間で数万円程度が相場です。
看板の設置費用で10万円以上かかるのが普通ですので、初期費用を回収するのに数年はかかります。自治体によっては景観保護条例が制定されていて、屋外広告を自由に設置できないケースがあるという点にも注意が必要です。
家庭菜園・貸し農園
地方や郊外に空き地を所有している人の場合、使っていない土地を家庭菜園にして野菜づくりを始めるという稼ぎ方も考えられます。本格的な農業を始めるにはある程度の広さを持つ農地が必要ですが、家庭菜園レベルならそれほどの面積は必要ありません。
収穫した野菜を自家消費すれば、物価高が続く中で食費の節約になります。メルカリやラクマ・ヤフオクといったフリマサイトを利用して、余った野菜をお金に換えることも可能です。まとまった収量があれば、道の駅や農産物直売所で委託販売するという手もあります。
田舎の実家を解体した後の空き地を有効活用したいというようなケースでは、自分自身が定期的に通って家庭菜園を営むのは困難です。この場合でも空き地を貸し農園にして、野菜づくりがしたい人に貸し出して賃料収入を稼ぐという手があります。法律上の問題をクリアするためにいろいろと手続きも必要になってきますが、農園のレンタルは今後の需要拡大が期待できる空き地活用ビジネスです。
コインランドリー
無人販売所と似た営業形態としては、コインランドリーも空き地を活用したビジネスの1つに数えられます。立地条件に恵まれて周辺にライバルがいなければ、15%程度の高利回りも実現可能です。店舗には従業員を常駐させる必要がないため、会社員の副業にもできないことはありません。
コインランドリーを開業するには空き地に店舗を建築する費用に加え、洗濯乾燥機や監視カメラなどの機器導入費用と給排水工事・電気工事費用も必要です。小型の店舗でも1,000万円以上の初期費用がかかってくる上に、電気代や水道料金などのランニングコストも発生します。費用を回収するだけの売上が得られなければ、赤字に転落するリスクがあるという点には注意が必要です。
フランチャイズに加盟すれば加盟料やロイヤリティも発生しますが、集客の面では有利になってきます。個人経営だと店舗の清掃やトラブルへの対応など、諸々の管理業務を自分で行うのが一般的です。フランチャイズに加盟していれば管理業務を代行してもらうことも可能なため、副業にしやすいと言えます。
トランクルーム
空き地を活用したビジネスの1つとして、トランクルーム(貸し倉庫)の経営も挙げないわけにはいきません。店舗と違ってそれほど頻繁に利用する施設ではないため、立地条件が良くない空き地でも活用できるという点はメリットです。
初期費用も300万円から1,000万円ほどで、コインランドリーを開業するよりは少なく済みます。設備の維持費用もコインランドリーほどかかりませんが、賃貸住宅などと同じように空室リスクがあるという点には注意が必要です。想定より借り主が集まらない場合は初期費用を回収できず、赤字に転落する恐れもあります。
トランクルーム事業者に空き地を提供して賃料を受け取る事業用定期借地方式なら、初期費用0円で開業することも可能です。この場合は業務委託方式やリースバック方式などと比べて、自分の手元に残る収益が減ってしまいます。個人運営方式なら収益の全額が自分の収入になりますが、失敗した場合のリスクは最も大きい方式です。
資材置き場
空き地をコインランドリーやトランクルームにするには、ある程度の初期費用が必要になってきます。銀行から融資を受けて開業するという手もありますが、できることなら借金をしないで空き地を有効活用したいところです。
近くで土木工事や開発工事が予定されているような場所なら、建設会社の資材置き場に空き地を提供するという選択肢もあります。空き地を資材置き場にするにはある程度の面積が必要ですが、土地を貸し出すだけですので、初期費用はほとんどかかりません。
市街化調整区域にあってアパートやマンションの建築ができないケースや、住宅地に転用できない農地なども資材置き場にすることは可能です。むしろ住宅街にある空き地を資材置き場にすると、住民から苦情が寄せられる可能性があります。業者のトラックが頻繁に出入りすることを考えると、商業施設の付近にある空き地も資材置き場に不向きです。
空き地を資材置き場にしても節税効果は望めませんが、もともと評価額が低い土地であれば固定資産税もそれほど変わりありません。空き地をただ遊ばせておいても、固定資産税は毎年払う必要があります。
資材置き場として貸し出すことで、少なくとも固定資産税の分は捻出することが可能です。交渉しだいでは税金を払っても収益が残るくらいの賃料で、契約が取れる場合があります。空き地を利用した他の副業に比べると大きく稼ぐのは難しいですが、ほとんど手間がかからない点では副業向きの活用手段です。
太陽光発電
資材置き場と同じく、田舎の空き地活用でよくあるのが太陽光発電です。空き地に太陽光パネルを設置して発電し、電力会社に買い取ってもらうことで対価が得られます。
太陽光発電で稼げる金額は、ソーラーパネルの設置枚数と稼働率に左右されてきます。まとまった金額を稼ぐには、空き地にもある程度の広さが必要です。日当たりが良い場所が適しているのは当然として、近くに電柱があるかどうかという点も立地条件の1つに数えられます。
休耕田や耕作放棄地などを太陽光発電に活用するには、農地転用の手続きが必要です。近くに住宅地がある場合も近隣トラブルの可能性がありますので、空き地を太陽光発電に活用するのは避けた方がいいでしょう。
どの空き地でも設置できるというわけではありませんが、一度設置してしまえば管理やメンテナンスを外注することも可能です。ランニングコストもそれほどかからない代わりに、1kWあたり30万円前後の初期費用が必要になってきます。固定価格買取制度をによる買取価格も年々下落傾向だけに、空き地を活用して不労所得を稼ぐ副業としては微妙なところです。
賃貸経営
空き地を利用した副業で最後に紹介するのは、アパートやマンションなどの賃貸経営です。自分の所有する空き地に賃貸住宅を建築することになるため、ある程度の初期費用が必要になっています。物件の購入が必要な不動産投資と比べて、費用を低く抑えることも可能です。
とは言え60坪クラスの木造アパートでも、普通は3,000万円ほどの建築費用がかかってきます。賃貸併用住宅にして自宅部分を共存させれば、不動産投資ローンより金利の低い住宅ローンを利用することも可能です。いずれにしてもまとまった費用が必要になってきますので、空き地の活用方法としてはリスクが高めと言えます。
空き地で稼ぐ副業のまとめ
空き地を副業に活用する方法について、10種類の稼ぎ方を紹介してきました。ある程度の資金が必要な活用方法も少なくありませんが、工夫しだいでは初期費用0円で始めることも可能です。
空き地と呼ぶほどではない自宅前の空きスペースでも、駐車場シェアや自販機設置などに有効活用できます。土地はただ所有しているだけでも税金がかかってきますので、ただ遊ばせておくのはもったいない話です。準備できる資金の有無や立地条件などを考慮しながら、空き地で収入が得られないかどうか検討してみるといいでしょう。