収入を増やそうとして副業を始めようという場合に、絵を描くのが得意な人は断然有利な立場にあります。今はインターネットを利用したイラストの販売方法が数多く考え出されているため、自作のイラストを売ってお金を稼ぐのに事欠かない状況にあるのです。
と言っても高収入を稼いでいるのは上級者の話で、プロでもない一般の人が自作イラストを販売してもなかなか売れないという事情もあります。そんな初心者でもやり方次第では稼げる可能性のある4種類のイラスト販売方法について、副業の始め方や収入の目安といった基本情報をまとめてみました。
イラストで収入を得る副業の種類
この記事は主にプロのイラストレーターでない素人を対象として、副業で自作のイラストを販売しながら収入を得る方法を取り扱います。イラストの特技を生かして収入を得る方法は数多く考え出されていて、作品の販売はその中の1つに過ぎません。自作のイラストを直接販売する以外にも、以下のような副業が挙げられます。
- クラウドソーシングでイラスト制作の仕事を受注する
- フリー素材サイトにイラストを提供して広告収入の還元を受ける
- 自分でフリー素材サイトを運営して広告収入を稼ぐ
- イラスト投稿サイトに作品を投稿して投げ銭収入を得る
- 自作イラストを使ったグッズ販売で稼ぐ
- 企業からイラスト制作の仕事を直接請け負う
- イラストの描き方を人に教えて収入を得る
このうち(2)のフリー素材サイトを利用した稼ぎ方は(3)と同じように、作品そのものは無料でダウンロードされます。イラストACに代表的されるフリー素材サイトで登録したイラストがダウンロードされると、サイトに入る広告収入の一部が投稿者にも還元される仕組みです。
https://ifbusy.com/hukugyou/illust-toukou-koukoku/
これから解説するイラスト販売はフリー素材と違って有料で作品を提供する方法だけに、ダウンロードしてもらえる確率は無料と比べてどうしても低くなります。クラウドソーシングでイラスト制作の仕事を受注した方が手っ取り早く稼げますが、必ずしも自分がやりたいようなイラストの仕事が募集されているとは限りません。
イラスト販売なら自分に主導権があるため、描きたい作品を制作して収入を得ることも可能です。一口にイラスト販売の副業と言っても販売方法はさまざまで、以下のように4種類のパターンに大きく分けられます。
- ストックイラスト
- ハンドメイド販売
- コンテンツ販売
- スキル販売
それぞれの特徴と主な販売サイトについて詳しく解説します。
ストックイラストに作品を登録して稼ぐ
インターネット上にはイラストをダウンロードできるサイトが数多く存在しますが、それらはストックイラストとフリー素材サイトの2つに大きく分けられます。無料でダウンロードできるフリー素材サイトと違って、ストックイラストはダウンロードに課金されるという点が最大の違いです。作品をサイトにアップロードして登録しておけば、自作のイラストがダウンロードされる度に報酬が発生します。
ストックイラストを他の副業にたとえるなら、インターネット上にイラストの自動販売機を設置するイメージです。自宅の敷地に飲料の自販機を設置して管理を業者に任せた場合は、飲料が1本売れるごとに販売価格の20%前後が自分の収入となります。自販機に供給する電気代は負担することになりますが、商品の補充は業者に一任できるため自分で用意する必要はありません。
ストックイラストの場合はPIXTAやShutterstockのような素材サイトが自販機の役割を果たし、商品に相当するイラスト素材を登録さえしておけば不労所得につながります。自販機の電気代に相当するサーバー代は運営会社が負担してくれますが、イラスト素材の方は自分で用意しなければなりません。
自分の描きたいように描いた作品が収入に結びつく方法だけに、副業としての自由度が高いという点もストックイラストの魅力です。ダウンロードされやすいイラストの傾向を把握して作品を制作する必要はありますが、依頼主の注文に縛られることはありません。
ストックイラストで有料販売されるイラストの著作権は作者に帰属するのが一般的で、同じ作品を複数のサイトに登録することも可能です。サイトに自作のイラストを登録しておけば、以後は作品が勝手に収益を生み出してくれるようになります。
まとまった収入を得るには何千点という単位で作品を登録する必要もありますが、トップクラスのクリエイターになれば1,000万円以上の年収も夢ではありません。メジャーなサイトほど利用ユーザーの数も多いため、稼ぐ効率が違ってきます。
主なストックイラストは以下の通りです。
それぞれの概要を紹介します。
Shutterstock
米国発のShutterstockはイラストや写真などの画像だけでなく、音源や動画素材も扱う総合的なストック素材サイトです。世界でも最大級の素材サイトで利用ユーザー数が桁違いに多く、イラストを登録しておけば全世界のユーザーに購入してもらえる可能性があります。
作品の登録申請を行う画面は現時点で日本語に対応していないため、英語が苦手な人は翻訳ツールが欠かせません。イラストに英語以外の文章が大量に含まれていたり類似素材が多かったりすると、Shutterstockでは審査でリジェクト(却下)されやすくなります。Shutterstockの報酬率は15%から40%まで6段階があり、1年間の累計ダウンロード件数に応じたランクで報酬レートが決まる仕組みです。
Adobe Stock
プロ向け画像編集ソフトのPhotoshopやIllustratorで知られる米Adobe社でも、写真やイラスト素材を扱うストックフォトサイトのAdobe Stockを運営しています。PhotoshopやIllustratorを含むAdobe Creative Cloudと統合されているため、Adobe Stockに作品を登録すればイラストを世界のクリエイターに販売することが可能です。
Shutterstockと同様にAdobe Stockも審査が厳しいことで有名だけに、登録されているイラストにはクオリティの高い作品が揃っています。Adobe Stockは米国のサイトですので、作品登録の際には米国の税金に関する手続きが必要です。
購入プランによって販売価格が異なり、報酬の単価は1枚あたり30円から数千円までかなりの幅が見られます。1,000円以上で売れるケースはめったになく、平均すれば1ダウンロードごとに150円前後が報酬単価の目安です。
PIXTA
写真やイラストなど6,000万点以上の素材が登録されているPIXTAは日本のサイトだけに、海外のサイトより利用しやすいのが特徴です。クリエイター登録する際には最初に選択式の入門テストがあって、テストに合格すればイラストを登録して販売できるようになります。
PIXTAに登録できるイラストの形式は、JPG・ベクター(EPSなど)・PNGの3種類です。アップロードしたイラストのデータは1~7日ほどかかる審査を経てサイトに登録され、ダウンロード可能な状態になります。
PIXTAで作品がダウンロードされた場合の報酬はクリエイターランクによって決まり、一般クリエイターのコミッション率(報酬の割合)は単品購入の場合で22%からのスタートです。販売実績を積み重ねてクリエイターランクが上がるごとにコミッション率もアップし、過去1年間の販売実績が5,000枚以上の最高ランクになると42%にまで上がります。専属クリエイターのコミッション率は30~53%で、人物専属クリエイターは42~58%です。
定額制で素材が購入された場合は、「1クレジット=110円」のレートで換金できるクレジット単位で報酬が発生します。報酬のクレジット単価はクリエイターの種類やランクによって0.25~0.65の間で変動し、10クレジット以上で現金と交換できるようになる仕組みです。
LINEスタンプ
メッセージアプリのLINEで友人や家族と会話をする際には、スタンプと呼ばれるキャラクターの画像が多くの人に愛用されています。無料で使えるスタンプもありますが、有料スタンプでも120円程度で安く購入できるため人気を集めてきました。
このLINEスタンプの制作が新たな副業としてブームとなり、「LINEスタンプ長者」が続出したのは数年前の話です。LINEは国内のアクティブユーザー数が約6,000万人に達し、SNSとしては最も多くの人が利用しています。それだけにトップクリエイターの中には1億円以上の収入を稼ぐ人もいますが、あまりにも多くのクリエイターが参入したため現在は飽和状態です。
必ずしもプロ並みのハイクオリティなイラストが売れるとは限らず、子供の落書きのような絵が案外ヒットしたりします。レッドオーシャンは承知の上で挑戦したい人は、LINE Creators Marketにクリエイター登録してみるといいでしょう。
アップロードした画像が審査を通過すれば、LINEスタンプとして販売できるようになります。静止画を使った通常スタンプだけでなく、アニメーションを使った動くスタンプや着せ替えスタンプを販売することも可能です。
LINEスタンプの価格も以前は一律120円でしたが、現在は240円・360円・480円・600円にも設定できます。とは言え240円以上のLINEスタンプはなかなか売れないため、ほとんどのスタンプは現在でも120円で売られている状況です。1セットあたりのスタンプ個数も40個必要だったところを、現在は8個から販売できるようになりました。
販売価格の35%がスタンプ制作者の報酬になる仕組みで、120円で販売した場合は1セットあたり42円稼げる計算です。収益が1,000円以上で振込申請が可能になり、LINEペイを使えば振込手数料が無料となります。最低出金額に達するためには、1セット120円のスタンプを24セット売らなければならない計算です。
ハンドメイドマーケットで自作のイラストを販売する
ストックイラストに登録する作品は、パソコンを使ってデジタルの画像データとして作成するのが一般的です。本格的なイラストを制作するにはPhotoshopやIllustratorなど、プロのイラストレーターも使っている画像編集ソフトを使いこなす必要があります。
パソコンが苦手な人でも手描きイラストの販売ならそれらのソフトを使う必要がなく、スマホ1つで出品登録できるので始めやすいはずです。手描きのイラストの販売が可能なサービスには、ハンドメイドマーケットやフリマアプリが挙げられます。
インターネット上でハンドメイド作品を売り買いできるマーケットとしては、minneやCreema(クリーマ)が代表的な存在です。フリマアプリのメルカリやネットオークションのヤフオク!にも、自作のイラスト作品が数多く出品されています。
以上のような販売サイトを利用すれば手描きイラストの原画だけでなく、原画をスキャンした上で紙に印刷した作品を販売することも可能です。一点物の原画は一度売れてしまえばそれっきりですが、スキャン画像を印刷すれば繰り返し何回でも売れるようになります。作品が売れるたびに印刷して発送する手間さえ厭わなければ、1点あたりの単価が安いストックイラストより効率的に稼げる可能性があります。
minne
GMOペパボ株式会社が運営するminneは、登録作家数65万人を誇る国内最大級のハンドメイドマーケットです。minneにはアクセサリーや雑貨などの手作りグッズだけでなく、自作のイラスト作品も数多く出品されています。購入しているユーザーの大半は女性ですので、女性受けするタッチのイラストが売れ筋です。
一点物の原画を出品するのが本来のハンドメイド販売ですが、印刷したイラストを出品している人も少なくありません。ポストカードやポスターの他、額縁に入れたイラストも人気を集めています。
minneは売上に占める報酬の割合がストックフォトより高く、販売価格から税込10.56%の手数料を引いた残りの金額が自分の収入になる仕組みです。出品されているイラストの販売価格にはかなりの幅も見られますが、1,000円前後の作品が多くを占めています。
1万円を上回る高額な作品の多くは原画の出品で、中には直筆サインとエディションナンバーを入れて20万円前後で売られている版画作品もありました。さすがにこれだけ高額だとめったに買い手がつかないのではないかと想像されますが、イラストでも美術品としての価値が認められば高く売れる可能性はあります。
Creema(クリーマ)
インターネットのハンドメイドマーケット市場でminneと人気を二分するCreema(クリーマ)にも、同じようにイラストのカテゴリがあります。登録作家数はminneより少なめの約15万人ながら、プロ向けの作品や大人向け作品の多いところがCreemaの特徴です。現在はminneでも海外販売に対応していますが、2016年から中国版がリリースされているCreemaは海外展開しやすいという強みがあります。
プロ向けの作品が中心のせいか、Creema(クリーマ)に出品されているイラストの販売価格はminneより全般に高めの印象です。minneと同様に原画を数十万円で販売している例も見られますが、500円前後から数千円の印刷作品が多くを占めています。Creemaで作品が売れた場合には、販売価格から税込11%の手数料が引かれた残りが自分の収入になる仕組みです。
メルカリ
言わずと知れた人気No.1のフリマアプリメルカリは、不用品販売だけでなくせどりや転売の手段にも利用されてきました。利用規約で出品が禁止されたもの以外なら何でも売れるだけに、メルカリにも「イラスト」のカテゴリがあります。minneやCreemaのように紙に印刷した絵だけでなく、イラストをデジタルデータとして出品している例も珍しくありません。
メルカリは何と言っても巨大市場だけに、落書きのようなイラストでも「駄目で元々」のつもりで出品していれば買い手がつく可能性があります。出品価格は1,000円前後が目立ちますが、1万円以上で「SOLD」となっているイラストも少なくない状況です。他のジャンルの商品と同様に、メルカリで売れた場合には売上から10%の手数料を引いた残りが自分の収入となります。
ヤフオク
メルカリより長い歴史を持つネットオークション最大手のヤフオク!にも、イラスト作品が数多く出品されています。女性ユーザーが多いメルカリと違ってヤフオクは男性ユーザーが優勢のせいか、出品されているイラストも美少女や萌え系が売れ筋です。
メルカリの場合は購入者から値下げ交渉される場合もあるのと比べ、ヤフオクでオークション出品すれば価格が逆に釣り上がる可能性があります。男性好みのイラストが得意で「少しでも高く売りたい」という人は、メルカリよりヤフオクに出品するのが得策です。
コンテンツ販売で稼ぐ
デジタルデータの形で作成したイラストの画像をストックイラストサイトで販売しようとすると、ほとんどのクリエイターは売上の半分以上を運営側に持っていかれてしまいます。販売するプラットフォームを利用している以上は手数料が発生するのも仕方がないと言えますが、「もっと自分の取り分を増やせないか」と思っている人も少なくないはずです。
そんな人は自分でネットショップを開設し、イラストの画像をデジタルコンテンツの形で独自に販売するという手もあります。有料コンテンツの販売プラットフォームとして人気が高まっているnoteも含め、画像データをデジタルコンテンツとして直接販売するのがイラスト販売で3つ目に挙げられる副業です。ハンドメイドマーケットやフリマアプリでもイラストをデータで販売している人は少なくありませんが、ネットショップやnoteの方がコンテンツを販売しやすいと言えます。
ネットショップ
インターネット上にネットショップを作れるサービスとしては、BASEとSTORES(ストアーズ)が人気を二分しています。いずれも基本プランは無料で利用できるため、誰でも初期費用0円からネットショップを始められるという手軽さが人気の一因です。有料でネットショップが作れるサービスの中では、エコノミープランで月額918円から利用できるカラーミーショップが人気を集めています。
ネットショップと言えば物販ビジネスを想像しがちですが、イラスト画像データのような無形のデジタルコンテンツも販売が可能です。ストックイラストと違ってネットショップはあくまでも独立した店舗とみなされるため、販売者の氏名や住所・電話番号など特定商取引法に基づく情報をサイト内に表示する必要があります。
印刷したイラストや手描きの原画を販売する場合でも、自前のネットショップで売れれば手数料が引かれることはありません。個人情報を公開するのに抵抗のある人には不向きな方法ですが、少ない初期費用で自分の店が持てるという点では夢のある売り方です。
PIXTAやminneなどのプラットフォームに依存しない販売方法だけに、個人運営のネットショップは集客力が弱いという課題もあります。インスタグラムやTwitterなどのSNSで宣伝したり、ブログやYouTube動画と併用して情報発信したりするような集客の工夫も欠かせません。そういった点でBASEやSTORESには後述するnoteと連携できる機能があるため、SNSと相性がいいnoteを集客の手段として利用するという手もあります。
note
文章や画像・音楽・動画などさまざまな作品を投稿できるnoteも、自作のイラストを販売する手段の1つに数えられます。noteの投稿機能はブログやSNSと似ていますが、デジタルコンテンツを有料販売できる仕組みを備えている点が最大の特徴です。noteには注釈をつけた画像データも投稿できるため、デジタルコンテンツとして作成したイラストの販売にも使えます。
noteに投稿したイラストは1枚単位で売るだけでなく、複数枚をテーマごとにまとめて有料マガジンとして販売することも可能です。イラスト素材をギャラリーのようにしてnoteに公開し、ストックイラストのようにして購入できる仕組みを作るという手もあります。マガジンを定期購読に設定して会員が何枚でも購入できるようにすれば、イラスト販売をサブスク化して安定収入につながります。
インターネット上で個人がネットショップを開設しただけでは、砂漠の真ん中に店をオープンするようなものです。イラストを販売する「店」をお客さんに見つけてもらうためには、普通はブログやSNS・YouTube動画などをうまく活用しながら集客する必要があります。その点でnoteはTwitterなどのSNSとも相性が良く、SNSで集客してnoteに誘導するという流れを作りやすいのが特徴です。
とは言え無名の初心者がnote内で有料コンテンツを売ろうとしても、知名度が低いうちはなかなか購入してもらえません。SNSと連携しながら情報発信に努め、知名度を高めていけば購入につながっていきます。
noteの投稿は無料で公開することも可能ですので、イラストのサンプルを無料noteとして公開して有料コンテンツに誘導するのも効果的です。イラストを手軽に投稿できるnoteをポートフォリオとして活用すれば、BASEやSTORESなど他の販売サイトの集客にも役立ちます。
スキル販売サイトでイラスト制作の注文を受ける
あらかじめ制作しておいたイラストを出品して販売する方式とは異なりますが、ココナラやSKIMA(スキマ)のようなスキル販売サイトもイラスト販売で稼ぐ副業の一種に数えられます。この場合は「イラストを描く」というスキルそのものを商品に見立てて出品し、購入者の注文に合わせた作品を描くことで対価を得るという販売方法です。
オーダーメイドのような形でイラストを描く必要があるという点では、スキル販売はクラウドソーシングでイラストの仕事を受注する形態と似ています。クラウドソーシングの場合は仕事募集の主導権が依頼主にあるのと比べ、スキル販売サイトは自分自身にあるという点が大きな違いです。
販売価格も自分に決定権があるため、売り方としてはあらかじめ描いておいたイラストを出品するのと大きくは変わりません。完成したイラストを出品するのが一般的となっているminneやメルカリでも、イラストのオーダーメイドを受け付ける形で出品している人の例はよくあります。オーダーメイドも1つの販売形式と考えられますので、イラスト販売方法の番外編としてココナラとSKIMAを紹介しておきます。
ココナラ
国内最大のスキル販売サイトとして絶大な人気を誇るココナラは、130万人のユーザーが利用するインターネット上の仮想的な巨大マーケットです。トークルームでのやり取りやテキストチャットなどを通じてサービスを提供しながら、主に個人対個人でスキルの売り買いが行われています。
占いや相談系のカテゴリと並んで、イラスト作成はココナラでも人気カテゴリの1つです。ブログのプロフィール画像や電子書籍・同人誌の表紙イラストなど、個人の間でもイラスト作成の需要は少なくありません。結婚式のウェルカムボードや誕生日の似顔絵なども含め、オーダーメイドでイラストを注文する場面は意外と多いものです。
ココナラにサービスを出品していれば個人だけでなく、企業からイメージキャラクターやロゴデザインの注文が来る場合もあります。いずれも業者に依頼すれば料金が割高なだけに、イラストを安く作成してもらえるココナラが重宝されているのです。
イラストを作ってほしい人が多く集まるココナラを上手に利用すれば、ストックイラストに完成品を登録するより稼ぎやすくはなります。とは言えイラスト関連はココナラでも一二を争う人気ジャンルとなっているため、ライバルも多くひしめく激戦区です。
ココナラでの販売実績が少ないうちはライバルに顧客を奪われがちで、初心者がサービスを出品しても普通はなかなか購入してもらえません。参入して間もないうちは相場より低めの価格で出品しながら、プロフィールやポートフォリオを充実させてアピールするのが仕事獲得のポイントです。ココナラでは販売実績とともに、サービスを利用したユーザーからの評価にも売上が大きく左右されます。
「イラスト作成」のカテゴリには2万件近いサービスが出品されていますが、全部に目を通しているユーザーはほとんどいません。出品サービスはランキング順にソートできるようになっているため、ランクが高い出品者ほどユーザーに選ばれやすく有利な状況です。ココナラで販売実績や評価を積み重ね、「レギュラー」から「プラチナ」まで5段階あるランクを上げれば売上アップにもつながっていきます。
「イラスト作成」カテゴリに出品されているサービスの価格は数千円から1万円以上まで幅が見られ、他のカテゴリと比べれば平均価格は全般に高めの傾向です。イラストのカテゴリは1,000円が最低価格となっていますが、3,000円~5,000円でも安い部類に入ります。販売実績が少ないうちは価格を5,000円以下に設定し、「少しでも安くイラストを作ってほしい」というユーザーに見つけてもらうのがコツです。
SKIMA(スキマ)
ココナラは「何でもあり」のスキル販売サイトですが、SKIMA(スキマ)はイラストやデザイン関連に強いオーダーメイドマーケットです。サイトには「イラスト」「デザイン」「キャラ販売」に加え、「文章」「その他」という合計5つのジャンルがあります。「オリジナル小説執筆します」「歌ってみたMIX承ります」といったスキルも出品されていますが、「イラスト」カテゴリには最も多い3万件以上のスキルが出品されている状況です。
登録ユーザー数で見ればココナラの方が圧倒的に多い中で、イラストやデザイン関連の出品数に関してはSKIMAも遜色がありません。それだけにイラストのレベルも全般に高めで、プロのイラストレーターも相当数出品しているものと推察されます。
ココナラの場合は売上5万円以下の部分にかかる手数料が税込み27.5%で、5万円を超える部分については金額に応じて税込み22%・16.5%・11%へと段階的に下がる仕組みです。SKIMAの手数料は売上2万円までが税込み22%で、2万円超~5万円までが16.5%と、ココナラより低めに抑えられています。
利用ユーザー数はココナラより少なめですが、拡散ボタンを通じてTwitterやFacebookなどSNSとの連携が可能です。noteのようにSNSを活用して上手に宣伝すれば、ココナラ並みに集客できる可能性もあります。
イラスト販売で稼ぐ副業まとめ
自作のイラストを販売して収入を得る手段には、以上で紹介したような4種類のパターンが考えられます。ストックイラストはインターネット上にイラストの自動販売機を設置するイメージで、販売する場所として素材サイトのプラットフォームを借りる方式です。
パソコンが苦手で画像ソフトを使いこなす自信がないという人でも、ハンドメイドマーケットやフリマアプリを利用すればスマホ1つで手描きイラストを販売できるようになります。ネットショップサービスやnoteを利用したコンテンツ販売は、画像編集ソフトを使ってイラストをデジタルで制作している人に向いた販売方法です。オーダーメイドもイラスト販売の1つとして考えるなら、ココナラやSKIMAのようなスキル販売も特技を生かした副業として成り立ちます。
どの方法もイラストの分野はライバルが多く、副業を始めてもなかなか稼げないという人は少なくありません。激しい競争が繰り広げられている中で少しでも作品を売れるようにするには、自分に合った販売方法を選ぶことが大切です。この記事で紹介した情報を参考にしながら、どの売り方が自分に向いているのか検討してみるといいでしょう。