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流木を売る副業は今でも儲かる?流木拾いのコツと販売方法を解説

流木を売る副業は今でも儲かる?流木拾いのコツと販売方法を解説 副業
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野外で自然のものを採取してきてフリマサイトなどに出品し、元手0円で収入を得る副業が人気を呼んでいます。海岸や川などで見つかる流木もさまざまな需要があるため、ただで拾って売れる自然物の1つです。

テレビでも紹介されて話題を集めたせいか、メルカリやYahoo!オークションでは流木の出品が増えすぎてしまいました。飽和状態となっている中にあって、流木拾いで稼ぐ副業は今でも儲かるのでしょうか?

今は拾ってきた流木を出品さえすれば売れる、というブルーオーシャンの状況ではありません。普通にやっていてはたいして儲かりませんが、売り方を工夫すればまだまだ稼ぐ余地はあるはずです。

当ブログでは石や松ぼっくり・貝殻・砂金に砂鉄など、さまざまな自然物を売る副業について紹介してきました。ただで拾った流木をお金に換える副業にも、同じノウハウで収益化が可能です。

そこで今回は4年前に書いた記事を全面的に改稿し、流木拾い&販売の保存版として公開することにしました。この記事を読めば流木の拾い方から販売方法まで、副業にするためのノウハウが学べます。

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流木販売の副業は今でも儲かる?

流木とお金

当ブログで流木に関する記事を最初に投稿した2020年の時点では、まだまだ「風変わりな副業」の扱いでした。テレビの情報番組で取り上げられた影響もあってか、ここ数年で流木を売る人が急増している印象です。

流木販売の副業を始めるのに、初期費用はほとんど必要ありません。近くに海や川がある人なら、原価0円で商品を仕入れることも可能です。市販されている商品を仕入れて転売するのと比べ、利益率の高いところが流木の魅力と言えます。

テレビやインターネットを通じて情報が拡散された結果、フリマサイトでは流木の出品が飽和状態となっている状況です。ライバルが増えすぎて競争が激化したため、価格も以前と比べて下落傾向にあります。

ただで拾った流木を商品化するには、後述するように洗浄やアク抜きの処理が必要です。交通費や水道代に加え、煮沸処理する場合はガス代もかかってきます。フリマサイトで売れた場合の販売手数料や、出品者側で負担する場合の送料も馬鹿になりません。

それらの経費が引かれると、元手0円の流木でも利幅はだいぶ減ってしまいます。高値で売るのが難しくなっている中では、流木を売る副業も以前ほど儲からなくなってきているのが現状です。

ホームセンターなどの一般店舗で売られている流木は輸入物が大半で、価格が割高だという声も少なくありません。国土面積の7割近くを森林が占めている日本は大雨や洪水も多く、流木は毎年豊富な供給量があります。

「店で買うより少しでも安く購入したい」という需要がある限り、流木を個人で販売する副業は今でも成り立つはずです。売り方を工夫すれば、流木はまだまだ儲かる商材の1つに数えられます。

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流木はなぜ売れる?

流木を入れた水槽

川や海に行けばただで拾えるのに、流木が売れるのはどうしてなのでしょうか?

確かに流木は、ホームセンターなどで普通に売られている商品です。店舗の装飾やフラワーアレンジメントの演出など、流木にはさまざまな用途があります。個人が趣味の活動で使うケースも含め、世の中にそれなりの需要があるのは確かです。

流木を自分で拾ってくればお金を出して買う必要もありませんが、拾ったままの状態では使えません。家具やアート作品の材料にするにしても、水槽に入れるにしても、汚れを落としたりアク抜きをしたりの前処理が必要です。

大変な処理を前もって済ませてあげるからこそ、ただで拾った流木にも付加価値が生じると言えます。前処理の手間をかける部分に、お金を出して買うだけの価値が備わってくるわけです。

実際に流木はどのような用途で使われているのでしょうか?代表的な使い道としては、以下のようなジャンルが挙げられます。

  • インテリア
  • DIY・家具材料
  • ガーデニング
  • アクアリウム
  • 流木アート
  • ハンドメイド材料

それぞれの利用状況を詳しく解説します。

流木はインテリアとして人気

流木は長い時間をかけて波に揉まれてきて、1つ1つが個性的な外観をしています。2つとして同じものがないだけに、珍しい形の流木は部屋を飾るインテリアとして利用されてきました。きれいに磨き上げた流木をオブジェや置物として飾ったり、壁や天井から吊り下げたりするような用途です。

無機質になりがちな室内に流木を飾れば、有機的でぬくもりのある空間に早変わりします。拾ったばかりの流木にはゴミや汚れが付着していますので、インテリアに活用するには洗浄の工程が欠かせません。ひと手間をかけることで、元手0円の自然物にもお金を出すだけの価値が出てくるわけです。

流木はDIY・家具にも需要

流木を加工したり他の材料と組み合わせたりすることで、さらに活用の幅が広がります。流木を使ったハンガーや壁掛け・飾り棚・ルームプレートなど、流木を使ったDIYの可能性は無限大です。

流木は椅子やベンチ・テーブルなど、家具の材料にも使われています。アルバイトを雇って材料の流木拾いをさせる家具工房もあるという話です。最近はフリマサイトに出品されている流木を購入して、材料を調達している工房が増えているものと推測されます。

流木をガーデニングに活用

流木は室内の装飾だけでなく、庭やベランダなどのガーデニングにも活用されています。流木も元は同じ植物ですので、花や観葉植物との相性は抜群です。流木がアクセントになって、植物で飾った庭やベランダがワンランクもツーランクもグレードアップします。

DIYが得意な人なら、流木を材料にしてプランターを作ってみるのもいいでしょう。大きいサイズの流木は拾って持ち帰るだけでも大変ですので、お金を出して買いたいという人も少なくないはずです。

流木はアクアリウムにも需要あり

流木は部屋に置いておく装飾品としてだけでなく、水槽に入れるオブジェとしても需要がある商品です。熱帯魚やメダカなどを飼っている水槽に流木を入れておけば、魚たちにとっては格好の隠れ場所にもなります。カブトムシやクワガタの飼育ケースにも使われるため、夏休みシーズンには小型サイズの流木がよく売れるそうです。

インテリア用の流木は汚れを落とすだけでも販売可能ですが、アクアリウム用はアク抜き処理が欠かせません。アク抜きをしない流木を水槽に入れるとアクが出てきて、水槽の水が濁ってしまうからです。アク抜きの処理をすることで流木が水に沈むようになる上に、有害な虫や卵・雑菌を除去する効果も得られます。

具体的なアク抜きのやり方については、流木のアク抜き方法で詳しく解説します。

流木アートの材料

ユニークな形をした流木はそのままでもインテリアとして珍重されますが、ひと工夫を加えることでおしゃれな「作品」になる素材です。流木を使ったアート作品には、大人から子どもまで多くの人たちが挑戦しています。流木アートを専門とする作家が存在するほどに、流木はアート作家のインスピレーションを刺激してきました。

材料とする流木を自分で拾い集める作家が多いですが、材料を購入している人もいます。タレントのカズレーザーさんも若い頃に、流木を拾って作家のもとに届けるアルバイトをしていたという話です。最近はメルカリなどで購入しているアート作家が多いと見られるだけに、フリマサイトへの出品が「流木拾いのアルバイト」代わりとなっています。

流木はハンドメイド材料としても需要あり

アート作品と呼ぶほどでなくても、流木はハンドメイドやクラフトの材料としても用いられてきました。minneCreema(クリーマ)などのハンドメイドマーケットには、流木を使った壁掛けやハンガー・フォトスタンドなどの作品が数多く出品されています。

インテリアとしては需要がない単純な形状の流木も数量をまとめれば、ハンドメイド材料として販売することは可能です。高値ではなかなか売れませんが、ちょっとしたお小遣い稼ぎにはなります。

流木拾いを仕事(副業)にする2つの方法

海岸でゴミ拾いをしている女性の後ろ姿

趣味で流木を拾っている人は多いですが、仕事にする手段は限られてきます。海岸などを歩いてみて、目についた流木を拾い集めただけでは収入になりません。

流木拾いを副業にする方法は、以下の2つに大きく分けられます。

  1. 流木拾いのアルバイト
  2. 流木の販売ビジネスを起業

それぞれ詳しく解説します。

流木拾いのアルバイト

大手の求人サイトに募集が掲載されることは滅多にありませんが、流木を拾って給料(報酬)がもらえるアルバイトが募集される場合もあります。家具の材料やDIYに使う目的で需要が急増したことから、1980年代から90年代には流木拾いのアルバイトが大量に募集されたという話です。

現在でも流木アートの作家が材料を調達するのに、アルバイトを雇うような例があります。流木の販売ビジネスを立ち上げた人がアルバイトを雇って、流木拾いから前処理までの作業をやらせるようなパターンもその1つです。

知名度の高い会社で流木の販売事業をやっているところは、決して多くないと見られます。ネットで流木拾いのアルバイト求人を見かけた場合、募集元がどういう会社(または個人)か判断することが大切です。

流木の販売ビジネス

アルバイトとして雇われれば手っ取り早く稼げるように思いがちですが、求人はなかなか見つからないのが現状です。むしろ個人で流木の販売ビジネスを立ち上げた方が、副業の手段になりやすいとも言えます。実際に拾った流木で収入を得ている人の多くは、アルバイトではなく自分で売って稼いでいる人たちです。

販売ビジネスを起業すると言えば大げさに聞こえますが、個人の立場でもやってできないことはありません。後述するようにメルカリやYahoo!オークションを活用すれば、個人対個人の取引で流木の販売ビジネスが可能になってきます。流木拾い・前処理から出品・販売までを1人でこなし、収益を得ている人は結構いるはずです。

流木を販売するには?

たくさんの流木

自分で流木の販売ビジネスを立ち上げる場合は、あらかじめ販路を確保しておく必要があります。流木を道の駅で売ったり、無人販売所で売ったりするのは、一般的な販売方法とは言えません。

個人で流木を売る現実的な手段としては、以下のような販売経路が考えられます。

  • 買取業者
  • メルカリ(フリマサイト)
  • Yahoo!オークション
  • ハンドメイドマーケット
  • ネットショップ

それぞれ詳しく解説します。

流木の買取業者

流木はホームセンターやアクアショップでも販売されていますが、素人がそういう店に持ち込んでも買取してもらえないのが普通です。店で扱う商品の仕入先はある程度決まっていて、信頼できる取引先企業に限られます。

ホームセンターや大手通販サイトで売られている流木の多くは、海外から安価に仕入れた輸入品です。小規模のアクアショップにしても、安全面で保証がない個人から流木を買取している店はほとんどありません。

小売店から仕入先に選んでもらおうと思えば、専門業者並みにコスト管理を徹底させる必要があります。安い卸値で売っても収益が残るくらいにビジネスを効率化しない限り、大手の小売店に流木を買取してもらうのは困難です。

一部のリサイクルショップで、流木の買取実績をHPに掲載している店は存在します。この場合でも買取の対象となったのは、骨董品としての価値が認められた流木の置物です。

古材の買取を行っている業者でも、交渉次第では流木の買取に応じてくれる可能性はあります。流木を販売している専門店をネットで検索してみて、HPの問い合わせフォームで連絡を取ってみるといいでしょう。

流木はインテリアの素材や家具の材料としても利用されています。流木インテリアを販売している店舗や家具工房も、流木の買取に応じてくれる可能性のある販売先の1つです。

白っぽい色をしている大型の流木は、家具の材料に向いています。個性的な形をした小型の流木はアクアリウム用に向いていますので、近くの熱帯魚専門店やペットショップに相談してみるといいでしょう。

飲食店や雑貨店などで、店内装飾に流木を活用している店もあります。知り合いが経営している店があったら、交渉してみる価値はあります。

メルカリ(フリマサイト)

業者を相手に買取してもらうのが難しいなら、流木が欲しいという人に直接販売するしかありません。幸いにしてインターネット上には、個人対個人で取引できるフリマサイトがいくつかあります。メルカリラクマYahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)といったサイトです。

中でもメルカリは利用ユーザー数が多いだけに、流木に関心がある人も大勢訪れます。ラクマやYahoo!フリマはメルカリほどユーザー数が多くありませんが、同業者のライバルも少なめです。

業者に買取してもらうのと違って、フリマサイトに出品するには商品の写真を撮影したり説明文を作成したりする必要があります。価格は自分で自由に設定できますが、商品が売れても全額が自分の収入になるわけではありません。

出品した商品が売れた場合に売上から引かれる販売手数料はメルカリが10%でYahoo!フリマは5%です。ラクマは販売実績に応じて、手数料が4.5%から10%まで変動します。

フリマサイトでは送料を出品者の側で負担するのが一般的です。販売手数料と送料を引いても利益が残るように価格設定する必要があります。

以前と比べて流木を出品する人が増えたため、特にメルカリでは飽和状態と言われるほど競争が激化しています。よく売れている出品者のやり方を取り入れたり(写真や説明文の丸パクリはもちろんNG)、他にない特徴をアピールしたりする工夫が必要です。

Yahoo!オークション

「ヤフオク」の通称で親しまれきたYahoo!オークションにも、流木は数多く出品されています。オークション形式で1,000件以上、フリマ(定額)形式には約3千件の流木が出品されている状況です。

オークション形式で出品して複数の入札があった場合には価格が吊り上がり、思わぬ高値で落札される可能性もあります。珍しい形をした流木を少しでも高く売るには、フリマサイトよりも有利な販売方法です。

ハンドメイドマーケット

流木はハンガーや壁掛け・オブジェなどの材料になるため、以下のようなハンドメイドマーケットでも販売は可能です。

いずれも流木を使ったハンドメイド作品の出品が多いですが、「素材・道具」のカテゴリには未加工の流木も出品されています。未加工の流木と言っても、拾ったままの状態では商品として適切ではありません。最低でも水と洗剤を使って流木を洗浄し、付着した汚れやゴミなどを洗い流しておく必要があります。

きれいにした流木をハンドメイド材料に適したサイズにカットしたり、サンドペーパーなどを使って表面を滑らかにしておけば万全です。素材として出品した場合はそれほど高くは売れませんが、ハンドメイドマーケットで人気の作品に加工すれば高値で売れる可能性も出てきます。他の出品者の例を参考にしながら、流木を使ったハンドメイド作品にも挑戦してみるといいでしょう。

ネットショップ

流木の販売ビジネスを本格的に展開するなら、インターネット上に自分だけの仮想店舗を作るのも1つの売り方です。以下のネットショップ作成サービスには、初心者向けに「初期費用・月額料金0円」のフリープランが用意されています。

いずれもスマホ1つで、個人でもネットショップが手軽に作れるサービスです。商品が売れた場合に売上から引かれる手数料は、フリープランでもメルカリやYahoo!オークションより低く抑えられます。売上が順調に伸びてきたら、手数料をさらに低くできる有料プランの方が有利です。

個人運営のネットショップはメルカリなどと違って、初期状態では集客力が高いとは言えません。SNSやブログなどを使って、自分で集客する必要があります。フリマサイトで販売してみてどういう商品が売れるかわかってきたら、ネットショップの開業も検討してみるといいでしょう。

流木の値段の相場

流木の置物と「HOW MUCH?」の文字

メルカリやYahoo!オークションでは、流木が数百円から数千円ほどの価格で出品されています。複数本をまとめて出品している例も多いため、1本あたりいくらという平均価格を計算するのは簡単でありません。

1本単位で売れているのはアクアリウム用やインテリア用など、珍しい形をした流木です。置物としての価値がありそうな流木は、1本数千円ほどで売れています。

まっすぐな形をした流木や小型サイズの流木も、ハンドメイドやDIYの材料で需要がある商品です。同じようなサイズの流木の本数をまとめて出品すれば、1本あたり100円から数百円で売れる可能性があります。長さ50cm前後のまっすぐな流木に需要があるようです。

Yahoo!オークションで過去180日間に落札された流木の平均価格は、2024年9月の時点で2,297円でした。メルカリは安値志向のユーザーが多いせいか、1万円以上になると流木はなかなか売れません。Yahoo!オークションなら個性的な形状の流木を出品して、1万円以上の高値で落札された例も複数あります。

家具工房に買取してもらう場合には、1mクラスの大きな流木でないと売れないのが現状です。家具の材料に使えるほどのサイズなら、1万円前後で売れる可能性もあります。

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流木が拾える場所

流木は海岸でも拾えますが、海水には淡水魚に有害な塩分が含まれています。アクアリウム用として売る場合はアク抜きに加え、塩抜きの処理も必要です。

海で流木拾いをすると、前処理の工程が1つ増えてしまいます。川で拾った方が、持ち帰った後の作業で楽になります。ハンドメイドなどの材料として販売する場合も、川の方が状態の良い流木を見つけやすいものです。

流木は長い年月を波に揉まれるほどに、独特の風合いを持つようになります。インテリアや置物にする目的なら、海岸に流れ着いた流木の方が味わい深いものです。前処理に手間がかかっても、高く売れれば元が取れます。

川で拾う場合でも海岸で拾う場合でも、流木が集まるのは地形に特徴のある場所です。湾曲した川の岸辺や中洲、潮の流れで漂着物が打ち上げられやすい海岸など、流木拾いを続けていれば経験的にわかってきます。川の上流に当たる渓谷では激流に洗われて、表面が滑らかな状態になった流木が見つかります。

流木が流れ着いた海岸

海で流木拾いをするなら、人が多く訪れる有名な観光地でない海岸がおすすめです。海水浴場などの周辺は定期的に清掃活動が行われるため、漂着した流木も処分されてしまいます。人があまり訪れない海岸の方が、掘り出し物の流木が見つかりやすいものです。

川や海以外では、ダムにも大量の流木が流れ込みます。ダムの管理をするのに邪魔になることから、台風や大雨の後には流木の回収作業を行うのが一般的です。

流木を欲しいという人に無償で配布しているダムもありますので、河川を管理している事務所に問い合わせてみるといいでしょう。流木の配布はそれほど頻繁でない上に、不定期に実施されるのが普通です。配布スケジュールをいち早く知るために、河川事務所のHPを定期的にチェックすることをおすすめします。

流木の拾い方のコツ

水辺の流木

川や海岸に出かけてみても、手頃な流木が必ず見つかるとは限りません。売れやすい流木を見つけるには、拾い方にもコツがあります。

台風などの悪天候で川や海が荒れた後には、手頃な流木がよく打ち上げられているものです。流木拾いは早いもの勝ちですので、悪天候が去った直後に行きたい気持ちもわかります。

大雨が降った直後の川はまだ増水していて、流木拾いをするのは危険です。水位が下がった後に安全を確認してから拾いに行くようにするといいでしょう。

海岸で流木拾いをする場合でも、台風や嵐の直後は波がまだ高いです。危険を避けるためにも、波が収まってきてから拾いに行くことをおすすめします。

夏から秋にかけての台風シーズンは狙い目ですが、川で流木拾いをするには雑草の多いのが難点です。雑草が少ない冬や春先の方が、流木拾いを効率的にできます。

流木拾いの注意点

軍手

水位が下がった川や波が収まった海岸で流木拾いをする際にも、素手で扱うと怪我の危険があります。軍手やゴム手袋など、作業用の丈夫な手袋を着用して拾うのが鉄則です。

渓谷では珍しい形をした流木が見つかる可能性もありますが、滑って転倒したり滑落したりの危険も潜んでいます。足が濡れるからと言って、サンダルのような滑りやすく脱げやすい履き物はNGです。トレッキングシューズや沢登り用のシューズなど、滑りにくい靴を履いて作業をすることをおすすめします。

夏は流木拾いに適した季節のように思いがちですが、熱中症や日焼けの対策が必須です。冬に流木拾いをする際にも、しっかりとした防寒対策が必要となってきます。

河川敷ではクマやイノシシなどの野生動物や、マムシ・スズメバチ・マダニなどの有害生物にも注意が必要です。海にもクラゲなどの有害生物が潜んでいます。川で流木を探すにしても海岸で拾うにしても万が一の事故に備え、複数人で行動することをおすすめします。

流木を販売するための前処理

たくさんの流木

流木は元手0円で手に入る自然物だけに、拾ったままの状態ではたいした価値がありません。使用目的に合わせた前処理を施すことによって、そこそこの値段で売れるだけの付加価値が生じます。

どのような用途で使用するにしても、流木に付着したゴミや汚れを落とす洗浄作業は最低限必要です。ブラシや使い古しの歯ブラシなどを使って、隙間に入り込んだ細かい土やゴミを洗い流します。

大きなサイズの流木をきれいにするには、高圧洗浄機を使用すれば効率的です。虫の卵や有害生物が付着している場合もありますので、洗浄は念入りに行う必要があります。熱湯を使って殺菌消毒すれば、アク抜きにもなってさらに完璧です。

洗浄した流木を放置しておくと、カビが生える原因となってしまいます。洗浄後は日当たりと風通しの良い場所に置いて、しっかりと乾燥させる工程も必要です。天日干しには流木内部に潜む虫を根絶させる効果もあります。

乾燥まで含めた前処理の所要時間は1ヶ月ほどですが、アクアリウム用の流木にはアク抜きの工程も必要です。アク抜きが加わることで、前処理の所要時間は1ヶ月以上に及ぶこともあります。

流木のアク抜き方法

流木のアク抜き

インテリアやハンドメイド材料にするための流木であれば、洗浄するだけでも商品化が可能です。アクアリウムに使用する場合は、流木を水槽の水に入れることになります。

流木はタンニンやフミン酸・フルボ酸など、水溶性の腐植物質を含んだ物体です。水に入れておくと腐植物質が溶け出し、水が茶色や黄色に濁ってしまいます。

わざと自然環境に近いブラックウォーターの状態にして飼育したいというケースでない限り、水槽の見た目が悪化してしまうのはアクアリストから歓迎されません。水槽の水草が枯れる原因にもなる腐植物質を除去するために、汚れを落とした後の流木にアク抜きの工程を加える必要が出てきます。

アク抜きをしていない流木は、販売価格をよほど安くしないとなかなか売れません。流木をフリマサイトなどに出品した場合、「アク抜き済み」の記載があった方が売れやすくなるのも確かです。

流木をアク抜きするには、以下のような3通りの方法があります。

  1. 水に浸けておく
  2. 煮沸・熱湯
  3. アク抜き剤・重曹

それぞれ詳しく解説します。

流木を水に浸けておくアク抜きの方法

流木をアク抜きする最も手軽なやり方は、水に浸けておくだけの方法です。水を入れたバケツなどの容器に流木を浸けておくだけで、アクが少しずつ抜けていきます。大きいサイズの流木でも、発泡スチロールの大箱や衣装ケースなどを利用すればアク抜きは可能です。

流木が軽くて水に浮いてくる場合は、重石を使って沈んだ状態にします。水が濁らなくなるまでの所要期間は、通常だと1ヶ月ほどです。

サイズが大きかったり形が複雑だったりする場合には、アク抜きに2ヶ月から半年以上かかることもあります。この間はずっと浸けっぱなしではなく、1週間から2週間おきぐらいに水を入れ替える作業が必要です。

煮沸や熱湯によるアク抜き方法

水に浸けておくだけのアク抜き方法は簡単にできる反面、時間がかかるのが難点です。もっと効率的にするには、煮沸によるアク抜きという手があります。流木がすっぽりと収まるサイズの鍋を用意して水に浸し、ガスコンロで加熱するやり方です。

流木のアク抜きは、食品保存用の容器などを煮沸消毒する作業と似ています。流木のアク抜きに使った鍋を料理にも使用するのは、衛生上の観点から見て安全とは言えません。流木専用の鍋を別に用意することをおすすめします。

煮沸によるアク抜きに要する時間は数十分から1時間ほどです。途中1回か2回ほど水を入れ替えた方が、アクが効果的に抜けやすくなります。加熱することで虫の卵や雑菌なども除去できる上に、流木が水に沈みやすくなるという一石三鳥の効果が得られます。

煮沸消毒した後の流木は、1日から3日ほど水に浸けてアク抜きが完了です。洗浄しただけの流木と同じように、乾燥させることで商品化できるようになります。

煮沸によるアク抜きは、鍋に入るサイズの流木でしかできないところが難点です。大きいサイズの流木を効率的にアク抜きするには、鍋や薬缶などで沸かした熱湯に浸しておくという手もあります。水に浸しておくアク抜き方法と比べ、所要時間を少しでも短縮することが可能なやり方です。熱湯に浸しておくことで、煮沸と同様に殺菌消毒の効果も期待できます。

アク抜き剤や重曹を使ったアク抜き

流木をアク抜きする第3の方法は、アク抜き剤や重曹を使用するやり方です。第1のアク抜き方法と同じく、鍋や熱湯は使わずに流木を水に浸します。この水に市販のアク抜き剤を投入することで、流木に含まれるアクが効果的に抜けやすくなるという仕組みです。

アク抜き剤の成分が残っていると、流木のpHがアルカリ性に偏ってしまいます。水の濁り具合を見ながら途中で水を交換し、アク抜き剤の成分を洗い流すようにしましょう。早ければ2日から3日、遅くとも2週間ほどで水が濁らなくなってくるはずです。

市販のアク抜き剤もそれほど高価な製品ではありませんが、代用品に重曹を使えばさらに安く上がります。重曹は山菜のアク抜きや食品添加物に使われる他、キッチン周りの汚れ落としなどにも使用される弱アルカリ性の粉末です。重曹を使った流木のアク抜きの手順も、アク抜き剤を使用する場合と変わりありません。

海で拾った流木は塩抜きも必要

海岸で拾った流木をアクアリウム用に販売する際には、アク抜きだけでなく塩抜きの工程も必要です。塩分が含まれたままの流木を水槽に入れると水に塩分が溶け出し、飼っている淡水魚や水草に悪影響が出てしまいます。第1のアク抜き方法と同じように、水を張った容器に流木を浸けておく塩抜き処理が欠かせません。

塩抜きには最低でも1週間、長ければ1ヶ月以上はかかります。流木を水に浸しておく第1のアク抜き方法は、塩抜きにも効果のあるやり方です。他の方法でアク抜きをした場合でも、塩抜きをするなら追加で水に浸しておく必要があります。

流木を売るのは違法?

六法全書を調べる男性

流木のような漂流物は、法的には人の占有を離れたものとして扱われます。川や海岸に漂着した流木には、基本的に所有権が存在しません。つまり「誰のものでもない」という状態ですので、拾ったものを販売しても違法にはならないと考えられます。

民法で規定された無主物の帰属に関する条文は以下の通りです。

第二百三十九条  所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
出典:民法 _ e-Gov 法令検索

流木のような「無主物」(所有権のないもの)は、所有の意思を最初に示した人が所有者となります(無主物先占の原則)。河川法や海岸法に触れるようなやり方で大量採取したりするのでない限り、拾ってきた流木を売る行為そのものは違法になりません。

ただし物事には必ず例外というものがありますので、流木拾いをする場所によっては注意が必要になってきます。個人の利用範囲で拾う場合は問題なくても、販売目的で採取する場合は管理者の許可が必要な場所もあるからです。

川でも海岸でも流木を販売する目的で大量に持ち帰ろうとする場合は、許可が必要な場所でないかどうか確認しておくことをおすすめします。「河川または海岸の名称 管理者」のキーワードで検索すれば、連絡先が見つかります。

流木拾いが違法になるケース

個人で利用する範囲なら、流木を拾うのにいちいち許可を得る必要はありません。ただし場所によっては、流木拾いそのものが違法になるケースもあります。

国立公園や国定公園など自然公園法の規制を受ける公園で、特別保護地区に指定されたエリアはその1つです。自然公園の特別保護地区では、石ころ1つと言えども勝手に持ち帰ることは許されません。特別な許可がなければ、特別保護地区では流木拾いそのものが違法になります。

河川敷や海岸の多くは国や自治体が管理者となっていますが、中には私有地となっている場所もあります。国や自治体以外の団体が所有する土地だったり、個人の所有地だったりするようなケースです。そのような私有地に落ちている流木を持ち帰りたい場合は、土地の所有者から許可を得る必要があります。

自然公園の特別保護地区ではなく私有地ではない場所であっても、すべての漂着物を勝手に持ち帰ってもいいというわけではありません。水害などで木造建築物の一部が流出し、川や海岸に打ち上げられるケースもあるからです。

経済的な価値がないと見なされる流木には、通常は水難救護法が適用されません。流出した木材に名前が書いてあったりして、所有者が明らかな場合は例外です。発見した場合は勝手に持ち帰らず、拾得物として警察や自治体に届け出るのが正しい対応と言えます。

まとめ

流木アート

流木は川や海岸に行けばただで拾える上に、ものによっては高値で売れるほどの需要があります。流木を売るビジネスがちょっとした流行のようになった結果、フリマサイトでは出品が飽和状態です。以前と比べれば高く売るのが難しくなってきてはいますが、出品の工夫しだいでは今でも稼げる副業になり得ます。

ただで拾った流木を商品化するには、洗浄やアク抜きなどの面倒な作業が必要です。手間をかければかけるほど付加価値が高くなり、高く売れるようになるのが流木の魅力と言えます。この「手間をかける」という部分でライバルに差をつけることが、流木の販売ビジネスを成功に導く秘訣です。

「流木は欲しいけれど、自分で拾ってきて洗ったりアク抜きしたりするのは面倒」という人は確実に増えてきています。ただも同然で手に入る自然物を、個人のレベルでも商品化して販売できるのが流木の面白いところです。手間を厭わず自分で商品を作り出すことに魅力を感じる人は、流木の販売ビジネスに挑戦してみるといいでしょう。

ただで拾ったものが売れる自然物は、流木の他にもいろいろとあります。以下の記事で20種類の自然物を紹介しておきました。「流木拾いのついでに探してみようかな」というものが見つかる可能性がありますので、参考にしてみるといいでしょう。

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