ココナラに代表されるスキル販売は副業の手段としてすっかり定着し、類似のサービスも続々と登場しています。その中でスキルクラウドは後発組だけに、業界1位のココナラに比べると知名度はまだ低めです。サービスを出品する際のライバルも少ないせいか、スキルクラウドは初心者でも稼ぎやすいと言われています。
スキルシェアの副業を始めようと検討している人に向けて、スキルクラウドの仕組みや登録方法など知っておきたい情報をまとめてみました。ココナラとの違いについても、記事の後半で詳しく解説します。
スキルクラウドとは?
株式会社ヒューマン・コネクトが運営するスキルクラウドは、2018年にサービスが開始された比較的新しいスキルシェアサイトです。クライアントが募集した仕事に応募するクラウドソーシングと違って、スキルシェアの場合は自分でサービスを出品して購入者を募集するという違いがあります。商品を販売の対象にするのか、それともサービスを販売対象にするのかという違いはありますが、スキルシェアの販売方式はフリマアプリのメルカリに似たスタイルです。
ココナラと同様にスキルクラウドでも、イラストの作成や占い・相談など無形のサービスを商品に見立てて販売することになります。メルカリのように個人対個人の取引が基本で、商品が売れたら購入代金から手数料を引いた残りが自分の収入になる仕組みです。スキルクラウドでは現時点でiPhone用のアプリはありませんが、Androidのスマホを使っている人ならアプリ版を入手できます。
スキルクラウドに出品されているサービスのジャンルは以下の通りです。
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- 占い
- 心・気持ちの相談
- 拡散・アクセスアップ・WEB広告
- イラスト・似顔絵
- 画像
- ライティング・キャッチコピー
- 趣味・ライフスタイル・娯楽
- サイドビジネス・副業
- 資産運用・お金
- ビジネス総合
- その他
「その他」のカテゴリには「動画作成・映像や音」「HP・アプリ・プログラミング」といったクリエーター系のスキルだけでなく、「資格・就活」「翻訳・英会話」も含まれます。「時間の提供・お手伝い・代行」のように何らかの作業を伴うサービスや、「育児・家事・介護等」「恋愛・結婚」といった相談系のサービスも「その他」カテゴリにまとめられている状況です。「その他」には「スポーツ・アウトドア・ダイエット」「ハンドメイド・クラフト」といった小カテゴリも含まれ、「占い」から「ビジネス総合」までの10カテゴリに入らないスキルのすべてが対象となってきます。
4種類の稼ぎ方が可能
スキルクラウドの出品方式はオンラインで完結する「専用ルーム型」に加え、「対面型」と「教室型」という3種類があります。対面でのサービス提供が可能な点ではタイムチケットと共通している一方で、教室型に関してはストアカにも通じるスタイルです。そういう意味でスキルクラウドは、ココナラとストアカ・タイムチケットの特徴を兼ね備えているとも言えます。
スキルクラウドにはこの他にも、クラウドソーシングと似た「オーダースペース」も用意されています。合計すると4種類の稼ぎ方が可能なため、自分に合ったサービスの提供方法を選びやすいというわけです。それぞれの特徴について、以下に概要を紹介しておきます。
専用ルーム型
サービス購入者と出品者だけが利用できる専用ルームは、ココナラのトークルームに相当する非公開のページです。対面型や教室型を選んだ場合でも専用ルームが開設され、購入者とのやり取りを行うに使われます。サービス提供タイプとして「専用ルーム」を選んだ場合は、メッセージのやり取りを通じてサービスを提供することになります。
専用ルームでは言葉を使ったメッセージ以外にも、画像や音声データなどのファイルを添付して送受信を行うことが可能です。スキルクラウドではWeb会議システムのZoomにも対応しているため、音声通話やビデオ通話によるリアルタイムのサービスも提供できます。
対面型
スキルクラウドの対面型は購入者と出品者が直接会ってサービスを提供する方式で、基本的には1対1で取引を行うことになります。30分単位の時間を販売する形でスキルを売り買いするタイムチケットでも、同じように1対1の対面でサービスを提供する例が大半です。
タイムチケットはオンラインでのサービス提供も可能ですが、スキルクラウドの対面型は購入者と実際に会ってサービスを実施することになります。取引を行う場所や日時を事前に決める必要がありますので、サービス購入後に開設される専用ルームで購入者と打ち合わせを行う仕組みです。
教室型
スキルクラウドの教室型も基本的には対面でのサービス提供となりますが、教室やカフェなどを利用した講座やレッスンのスタイルで実施する点が対面型との違いです。教室の実施場所や日時は、対面型と同じように専用ルームで購入者と決めておきます。対面型は1対1でのサービス提供を想定しているのと比べ、教室型は1対複数や複数対複数での取引も可能な点が特徴です。同じように教室型でサービス提供を行うストアカも以前は対面での講座に限定していましたが、現在はオンライン講座の出品が可能になっています。
スキルクラウドの「教室型」サービスは対面で教える方式を想定しているせいか、現時点では専用ルーム型や対面型より出品数が少ない状況です。Zoom対応サービスの出品は専用ルーム型だけでなく、対面型や教室型でも見られます。対面による教室で受講者が集まりにくい場合は、Zoomを使ったオンラインでの教室開催も検討してみるといいでしょう。
オーダースペース
スキルクラウドには以上のような3種類の出品方式以外にも、依頼者の側でスキルの提供を募集する「オーダースペース」が用意されています。通常のサービス出品とは逆にサービスを提供する側が依頼を見て応募するという点では、ココナラの公開依頼(旧リクエストボード)と似た仕組みです。
オーダースペースで応募したい依頼が見つかったら予算の上限価格と募集期限を提案し、購入者に選んでもらった後で依頼内容に応じたサービスを提供することになります。クラウドソーシングのプロジェクト方式と似たような仕組みですが、自分で希望価格を提示できるという点が特徴です。ココナラの公開依頼に比べて募集件数が少ないため選択肢は多くありませんが、スキルが当てはまる人は手っ取り早く稼ぎやすい手段となり得ます。
スキルクラウドはココナラとどう違う?
スキルクラウドの登録ユーザー数は非公開ですが、200万人以上のユーザー数を誇るココナラよりは少ないのものと見られます。サービスの総出品数もココナラの約46万点に対し、スキルクラウドはこの記事を書いた2021年5月時点で3,600点ほどです。
ココナラはサービス開始が2012年にまでさかのぼり、運営会社は東証マザーズに上場しています。テレビCMの宣伝効果も手伝ってココナラは圧倒的な知名度を誇りますが、後発組のスキルクラウドにそこまでの知名度はありません。
とは言えココナラにサービスを出品している人は非常に多く、人気カテゴリは大変な激戦区です。初心者がサービスを出品しても簡単には稼げない状況となっているだけに、ココナラで安定した収入を得るには販売実績と売り方の工夫が欠かせません。その点でスキルクラウドはココナラよりライバルが少ないため、初心者でもサービスを購入してもらえるチャンスがあります。
スキルクラウドは初心者でも稼げる?
ココナラより出品数が少ないと言っても、スキルクラウドにも一定数の利用ユーザーは存在するはずです。強敵となり得るライバルの多くはココナラを主戦場としているため、スキルクラウドは一種の穴場となっています。サービスを購入してもらって収入が得られるのであれば、ココナラで稼ぐのもスキルクラウドで稼ぐのも変わりはありません。
スキルに自信があって集客力を発揮できる人なら、ユーザー数が最も多く市場規模が大きいココナラの方が稼げるのは確かです。とは言え誰でも簡単に稼げるというわけではなく、競争力の弱い初心者は売上ゼロという結果に終わりかねません。まずはライバル少なめのスキルクラウドで販売実績を積み重ね、スキルの腕を磨いたところでココナラの巨大市場に打って出るのが無難だと言えます。
手数料の違い
スキルクラウドで売上から引かれる手数料は税込20%で、この他に振込手数料が160円かかります。ココナラも2021年4月に手数料を改正し、実質的な値下げに踏み切りました。改正後にトークルームを開設した分に関しては、売上金額に関わらず一律で22%です。他のスキルシェアサービスも手数料は20%前後というところが多く、20%のスキルクラウドが割高というほどではありません。
細かく見ると税抜の手数料はココナラと同じ20%ですが、ココナラは消費税分を出品者自身が負担すすることになります。スキルクラウドは消費税分を運営側が負担してくれますので、「少しでも手数料を安く済ませたい」という人には見逃せないポイントです。
サービス提供方式の違い
ココナラにも「ココナラミーツ」という別サイトで対面型サービスの提供は可能ですが、基本的にはオンライン完結型でサービスを提供することになります。スキルクラウドは対面型でのサービス提供にも対応している上に、ストアカのように教室型のレッスン方式でスキルを提供することも可能です。サービス提供方法の選択肢がココナラより多いという点は、スキルクラウドならではのメリットに数えられます。
スキルクラウドは0円出品も可能?
ココナラにないスキルクラウドだけのメリットとして見逃せないのは、登録1カ月までの新規会員限定で「お試し価格0円出品」が可能な点です。0円で出品したサービスが購入されても報酬は発生しませんが、購入されやすいので実績作りには大いに役立ちます。
ココナラでも以前は0円出品が可能でしたが、現在は廃止されてしまいました。購入されやすくするために値下げしようと思っても、カテゴリごとに決められた最低価格以下には下げられません。
スキルクラウドなら新規登録から1カ月は0円出品が可能なため、有料だとなかなか購入してもらえない初心者には有利です。初めての出品で料金を取るのに自信がないという人でも、0円出品なら心理的な負担が軽くなります。
スキルクラウドには独自の投げ銭システムがありますので、サービスに満足してもらえれば0円出品でも報酬が発生するかもしれません。登録から1カ月以上経って有料サービスに移行してからでも、価格以上の価値を感じてもらえば投げ銭が加算される可能性があります。ココナラにも似たような「おひねり」の仕組みはありますが、こちらは有料オプションの追加料金に近い扱いです。
スキルクラウドで稼ぐ手順
ココナラや他のスキルシェアサービスと同じく、スキルクラウドも会員登録やサービス出品そのものは無料です。公式サイトの無料会員登録ページでメールアドレスを入力すれば、本登録案内メールが届きます。URLをクリックして本登録ページに移動し、ユーザー名とパスワード・生年月日・性別を入力するという手順です。Facebookのアカウントを持っていれば登録作業は不要で、そのままスキルクラウドにログインできます。
以上の手順で登録を済ませたら、ユーザー名や自己紹介文を入力してプロフィール情報も登録しておきましょう。プロフィール情報にはSNSアドレスの他に、ホームページやブログのURLも任意で入力可能です。
プロフィール画像には顔写真が必要というわけではありませんが、500×500ピクセル以上の正方形の画像が推奨されています。飼っているペットの写真やイメージ写真など、さまざまな画像がプロフィールに使われている状況です。
サービスの出品方法
スキルクラウドで実際に出品するには「サービスを出品する」ボタンをクリックし、設定画面で以下の情報を入力します。
- サービスタイプ
- カテゴリ
- 小カテゴリ
- タイトル(30文字以内)
- タイトル補足(120文字以内)
- サービス内容(2000文字以内)
- 価格
- 納品予定日
出品設定画面では10件までの追加サービスに加え、YouTube埋め込みコードやPR・お願い事項も入力が可能です。PRとお願い事項はどちらも400文字以内という文字制限がありますので、要点を簡潔に記載する必要があります。
最初に入力するサービスタイプというのは、前述した「専用ルーム」「対面型」「教室型」という3種類のサービス提供方式です。カテゴリは「その他」を含めて11に分かれている大カテゴリだけでなく、その下の小カテゴリまで指定します。対面型や教室型にはサービス提供の実施日時を入力する欄をありますので、忘れずに記載しておきましょう。
対面型ではサービス提供場所として「応相談」「フリー入力」のいずれかを選び、フリー入力の場合は「東京都内」など大まかな場所を入力します。教室型を選んだ場合は以前にマイページの「教室管理」でサービス提供を行う教室の名称と、住所・連絡先電話番号を登録しておく必要があります。
価格設定と画像の登録
どのサービス提供タイプでも最低価格は1,000円で、500円刻みに価格設定できる仕組みです。基本料金の他に有料オプションを付け加えることも可能で、合計10件まで追加サービスが設定できます。
追加サービスの価格も基本料金と同じように、最低価格1,000円からの500円刻みです。有料オプションを別料金にして基本料金を低く抑えれば、初心者でもサービスを購入してもらいやすくなります。
以上の出品情報を入力して保存したら、次は画像登録を行います。合計5MBまでなら複数枚の登録が可能ですので、少しでも購入されやすくするために画像を最大限に活用するといいでしょう。
最後に「公開する」または「非公開にする」の公開設定を行って、出品作業は完了です。出品者として登録して報酬を受け取れるようにするには、アカウント情報で名前や住所・電話番号も登録する必要があります。誰でも見られるプロフィール情報と違って、アカウント情報は購入者にも公開されないので安心です。
サービス購入から完了までの流れ
出品されたサービスが購入された場合には、登録アドレス宛にメールが届きます。メールの本文にURLが記載された専用ルームを通じて、サービスを購入してくれた相手と連絡を取り合うことになります。対面型や教室型でサービスを提供する場合は日時などを決めるのに専用ルームを利用しますが、専用ルームでの取引を選んだ場合はその中でサービス提供を行う仕組みです。
料金のやり取りはスキルクラウドが仲介し、購入者が支払った料金を運営側がいったん預かる形となります。スキルクラウド以外の場所で金銭のやり取りを直接行うのは規約違反に当たりますので、その点には注意が必要です。
報酬が3,000円以上に達すれば振込依頼申請が可能になり、最大で月に2回振り込んでもらえます。15日までに振込申請した分は月末に振り込まれ、16日から月末までに申請した分は翌月の15日に振り込まれる仕組みです。
専用ルームを開設してから3日間連絡をせずに放置していた場合、購入者がサービス購入をキャンセルできるようになる点にも注意が必要です。サービス提供が終了して購入者が取引に合意したら、スキルクラウドに納品完了通知を行って取引が終了されます。
スキルクラウドの評価制度
取引終了後は購入者に対する評価を行うことになっていますので、5つの評価項目ごとに★から★★★★★までの5段階で評価を送信しておくといいでしょう。出品者自身も購入者から5段階で評価が行われ、こちらは文章によるレビューでも評価される仕組みです。
スキルクラウドには「スタンダード」から「プロフェッショナル」まで、5段階の評価ランク制度があります。ココナラの出品者ランクと似た制度で、サービス提供後に得た評価の点数と販売実績によってランクアップしていく仕組みです。
5段階評価で★1個ごとに1点、販売数1件につき5点が付与されます。サービスに満足してもらって最高評価の★★★★★が得られれば、販売1件で合計10点を一気に獲得できる計算です。20点以上でスタンダードからブロンズへとランクアップし、50点以上でシルバー、150点以上でゴールドへとランクが上がっていきます。最高ランクの「プロフェッショナル」に到達するには、最高評価35回分の販売実績に相当する350点以上が必要です。
一度ランクアップしてもスキルクラウドでの取引が3か月以上なかった場合は、1ランクダウンしてしまいます。逆に見れば3か月以内に1件でも取引実績があれば、平均評価や納品完了率・販売額に関わらずランクダウンを免れる仕組みです。スキルクラウドは初心者が実績を作りやすいだけでなく、評価ランクを維持できる基準もココナラより緩めだと言えます。
スキルクラウドの特徴まとめ
ココナラほど知名度が高くないとは言え、スキルクラウドには以上のような多くのメリットがあります。ライバルが多すぎる中ではなかなか稼げないでいる人でも、競争相手が少なければ稼げる可能性は十分にあるはずです。
対面型や教室型でのサービス提供も可能で多彩な出品方式に対応できる点は、スキルクラウドならではの特徴の1つに数えられます。新規登録から1カ月以内限定とは言え、0円出品も可能な点は他のサイトにないメリットです。これからスキルシェアの副業を始めるなら、スキルクラウドも有力な選択肢の1つとなり得ます。