食品や光熱費などの値上げが相次いで、家計のやり繰りに頭を悩ませている主婦の方も多いかと思います。
家事の合間に副業をして収入を増やしたいけれど、在宅で収入が得られる仕事はパソコンを使う必要があったりして難しそう…
パソコンを使った在宅ワークが苦手な人でも、造花作りなら特別なスキルなしに在宅で収入が得られます。昔ながらの内職は求人が少なくなりましたが、企業に頼らなくてもハンドメイド販売で稼ぐことは十分に可能です。
当ブログでは副業の解説に力を入れてきて、主婦向けの副業や在宅で収入が得られる仕事を数多く紹介してきました。その知見を生かして、今回は造花作りの副業を始める2つの方法を紹介します。さまざまな事情で外へ働きに出るのが難しい専業主婦でも、この記事を読めば在宅の仕事で収入を得る道が開けてきます。
造花作りを副業にする2つの方法
造花はアーティフィシャルフラワーやアートフラワー、シルクフラワーとも呼ばれ、紙や布・プラスチックなどを材料にして作られた人工の花です。本物の花を模した製品だけでなく、フェイクグリーンと呼ばれる人工観葉植物も対象に含まれてきます。
造花は本物の花と違って枯れることがないため、長期間飾っておくような用途に最適です。コサージュや髪飾りの他、造花のアレンジメントは冠婚葬祭やプレゼント用・装飾用などさまざまな場面で需要があります。工場で大量生産される造花がある一方、本物そっくりに作られた精巧なアートフラワーはインテリアとして人気の商品です。
そんな造花作りの仕事を在宅で行う副業を始めるには、以下のように2つのパターンが考えられます。
- 内職
- ハンドメイド販売
それぞれ詳しく解説していきます。
造花作りの内職
在宅の軽作業で収入が得られる内職にはアクセサリー作りや袋詰め・シール貼り・宛名書きなど、さまざまな種類の仕事があります。造花作りもその1つで、冠婚葬祭や企業向けの商品が中心です。開店祝いの胡蝶蘭や葬儀用の供花、店舗やオフィス向けの人工観葉植物などを手作りしていきます。
かつては造花作りの内職も盛んに募集されていましたが、近年は求人が減少傾向です。現在も求人を募集している造花製作会社はありますが、工場や店舗に出社して作業を行う例が多くなっています。「週2日からOK」など副業向きの求人の多くは、販売や配達・装飾など他の仕事を含めたアルバイトやパートが中心です。
インターネットが普及する以前から仕事探しに利用されてきたハローワークでは、内職のような業務委託契約の求人は扱っていません。内職に関しては全国の自治体で相談に応じてくれるケースがありますので、インターネットで求人が見つからない場合は地元の役所に相談してみるといいでしょう。
ハンドメイド販売
造花作りの内職は求人が見つかりにくい状況ですが、在宅で造花を作ってお金を稼ぐ方法は内職だけではありません。造花やアートフラワーでアレンジメントや髪飾り・リースなどを作って、個人対個人の取引で販売するという稼ぎ方も考えられます。対面販売のフリーマーケットやハンドメイドイベントに出店する方法以外にも、インターネットを通じたハンドメイド販売が可能です。
ネットでハンドメイド販売を行う方法としては、以下のような3つのパターンに大きく分けられます。
- ハンドメイドマーケットに出品する
- フリマサイトに出品する
- 個人でネットショップを運営する
実際にminneやCreema(クリーマ)・iichiといったハンドメイドマーケットには、造花を使ったハンドメイド作品が数多く出品されています。結婚式用のブーケや成人式・卒業式にも使える髪飾りの他、インテリア用のアレンジメントも人気の商品です。
メルカリやラクマといったフリマサイトでも造花を使ったハンドメイドは売れ筋商品ですが、価格が全般に低めの傾向も見られます。ハンドメイドマーケットの方が作品のクォリティが高いせいか、価格設定が高めでも売れやすいのは確かです。初心者でも売れやすいフリマサイトから始めて、腕に自信がついたところでハンドメイドマーケットに打って出るという手もあります。
メルカリのようにライバルが多いサイトだと、どうしても他の出品者に埋もれがちです。ブログやSNSなどと併用した独自の集客が可能であれば、ハンドメイド販売のネットショップ開業も検討してみるといいでしょう。
BASEやSTORES・カラーミーショップといったサービスを利用すれば、ホームページ制作の知識がなくてもインターネット上に自分だけの店を持てるようになります。初期費用・月額料金0円のフリープランからスタートし、売上が増えてきたところで決済手数料の安い有料プランに移行することも可能です。
以上のようなハンドメイド販売を内職と比べた場合のデメリットとして、出品した作品が必ず売れるとは限らないという点が挙げられます。内職の場合は成果物の品質に問題がない限り、会社側で確実に買い取ってくれる仕組みです。ハンドメイド販売の場合は購入してくれるお客さんを自分で見つける必要があるため、せっかく作った造花の作品が売れ残るリスクはあります。
造花作り内職の単価はどれくらい?
以前と比べて求人は少なくなりましたが、造花作りの内職は現在でも一部の地域で募集されています。会社と雇用契約を結んで働くアルバイトやパートの場合は、給料が1時間あたりいくらという時給の形で支払われるのが普通です。時給は都道府県ごとの最低賃金に沿って決められているため、不当に安い給料で働かされることはありません。
内職の場合は雇用契約ではなく、業務委託契約を結んで働くのが一般的です。給料は働いた時間ごとに支払われるのではなく、成果物に応じて出来高制で支払われます。
造花作りを行う内職の場合、成果物1点あたりの単価は5円から20円が相場です。作業に慣れない人が造花1本を作るのに1時間かかったとすると、時給換算でわずか5円から20円しか稼げないことになります。
作業に慣れれば短時間で作れるようになるため、1時間でこなせる本数も増えてくるはずです。1本あたりの単価が10円だとすると、1時間で10本をこなせば100円、20本をこなせば200円稼げます。
雇用契約が対象の最低賃金は年々上がっていて、2022年10月からは金額が低い県でも850円以上になる見通しです。最も高い東京都の最低賃金1,072円を造花作りの内職で稼ごうと思えば、単価20円でも1時間に54本を作る必要があります。よほど熟練した内職者でも困難な数字ですので、決して効率的に稼げる仕事ではありません。
その代わり内職の仕事は出社の必要がなく、自分のペースで働ける点がメリットです。決められた納期を守る必要はありますが、接客や同僚との人間関係で消耗することもありません。そういう楽な部分があるからこそ、実質的に最低賃金以下でも働き手がいるわけです。
ハンドメイド販売の出品価格
造花作りの内職は単価の低さが最大の難点ですが、ハンドメイド販売にも同じように当てはまるわけではありません。ハンドメイドマーケットよりは価格が全般に低めと言われるメルカリでも、造花はもっと高い値段で売られています。
内職の造花は1本あたり数十円ほどにしかなりませんが、メルカリの最低出品価格は300円です。さすがにその値段で1本単位に出品している例は少なく、複数本の造花と付属品を組み合わせたアレンジメントのような形で出品している例が目立ちます。リースやブーケなど手の込んだ造花のアレンジメントは、数千円から1万円以上でも結構売れている状況です。
メルカリの場合は送料を出品者側で負担するのが一般的となっていて、造花の場合は梱包にも気を使います。材料費も引くと収益はさらに減ってしまいますが、送料や梱包資材の分も含めて売価設定すれば大丈夫です。造花作りの内職ではどう逆立ちしても最低賃金以上の金額を稼ぐのは難しいですが、ハンドメイド販売なら工夫しだいで稼ぎをいくらでも増やせます。
minneのようなハンドメイドマーケットには、メルカリより強気の価格設定で出品している人も少なくありません。送料も購入者側で負担する設定にしている例が多いだけに、より安全な発送方法を選択することも可能です。他の出品者の価格設定や送料設定を参考にしながら、自分なりに出品を工夫してみるといいでしょう。
造花作りの内職に関する注意点
運良く造花作りの内職が見つかったとしても、よく考えないで安易に契約するのは考えものです。在宅の仕事で収入を得ようとする主婦は詐欺の標的になりやすく、かつては「内職商法」の被害が多発していました。
入会金や資材代・教材費などさまざまな名目で、内職の仕事をするのに初期費用を請求してくるのが悪徳業者の常套手段です。高額の費用を支払っても仕事がほとんど与えられず、しまいには業者と連絡が取れなくなるというパターンが目立ちます。市役所や区役所などが紹介している内職の会社は安全性が高いですが、インターネットで「内職募集」の広告を見つけた場合は注意が必要です。
最近は内職の仕事を希望する主婦が減ったせいか、内職商法の被害も減少の傾向が見られます。その代わりパソコンを使った在宅ワークや、スマホ1つで高収入を稼げると称する副業で詐欺の被害が相次いでいる状況です。時代とともに詐欺の手口も変わりつつあるとは言え、内職商法が完全になくなったわけではありません。
最近はTwitterやインスタグラム・LINEなど、SNSを悪用した副業詐欺の例が急増しています。SNSやネット検索で内職募集の情報を見つけたら、求人を募集している会社名で改めて検索してみることをおすすめします。会社の所在地が不明確だったり、代表の連絡先が携帯番号だったり、悪い評判があったりした場合には、その会社と関わらないのが賢明です。
まとめ
ネガティブな側面も含めて、造花作りの仕事を副業にする2つの方法について解説してきました。造花作りの内職は求人が見つかりにくく単価も低い反面、品質に問題がない限り成果物を確実に買い取ってもらえる点がメリットです。ハンドメイド販売は売れ残りのリスクもありますが、自分の裁量しだいで内職より高く売れる可能性があります。
与えられた仕事をコツコツとこなすのが得意な人は内職を、自分なりに創意工夫を凝らすのが好きな人はハンドメイド販売がおすすめです。造花やアートフラワーの市場は想像以上に大きいだけに、個人が参入する余地はまだまだ残されています。内職からスタートした場合でも造花作りの腕に自信がついてきたら、ハンドメイド販売にチャレンジしてみるといいでしょう。