PR

便利屋を副業にするのは難しい?仕事内容と必要な資格を解説

便利屋の仕事に使う道具類 副業
記事内に広告が含まれています。

部屋の片付けや掃除から草むしり・害虫駆除に至るまで、生活に関するさまざまな困り事を代わりにやってあげるのが便利屋の仕事です。便利屋は普通にアルバイトの仕事をするより儲かると言われ、副業の手段としても紹介されています。その反面、便利屋を開業するには会社の仕事がネックとなってくるため、副業でやっていくのは難しいという声も少なくありません。

本当のところはどうなのか、便利屋の仕事内容を分析した上で、副業としての可能性を考察してみました。便利屋の仕事で資格や許可が必要なケースについても、記事の後半で詳しく解説します。

スポンサーリンク

便利屋の仕事は副業でも可能

キッチンの水回り修理

結論から先に言うと、便利屋の仕事は副業でもやってできないことはありません。実際に会社勤務の傍らで便利屋を開業し、夜間や土日などを利用して仕事の依頼に応じている人が存在します。

便利屋は個人が開業している例だけでなく、企業が手がけている例も少なくありません。他の個人事業主や企業が運営する便利屋でアルバイトを募集していれば、土日や夜間だけ働くような形でも副業は可能です。

個人で便利屋を開業した場合、土日や夜間限定の営業では集客に苦労する可能性はあります。便利屋を開業したからと言って必ず収入が得られるとは限りませんが、集客面の課題さえクリアできれば副業になり得る仕事です。稼げるかどうかわからない状態で会社を辞めて開業するよりは、副業からスタートして脱サラを目指すのが安全とも言えます。

スポンサーリンク

副業の便利屋が儲からないと言われる理由

仕事募集中の男性

便利屋の市場規模は1兆円を上回るとも言われ、高齢者や単身世帯を中心に需要は年々拡大傾向です。便利屋が人気を集めるようになった背景には、ここ数十年で急速に進行した社会構造の変化があります。

「ちょっと手伝ってほしい」「代わりにやってほしい」といった頼み事があれば、以前は身内や近所の人を頼るのが普通でした。最近は人間関係が希薄になっているせいか、困ったときに頼める人が近くにいないという人が増えています。

専門業者に依頼するほどでもない細々とした作業の担い手として、地域密着型の便利屋は頼もしい存在です。身内や知り合いに依頼するのと違ってお金はかかりますが、便利屋の料金は専門業者ほど高くありません。1時間あたり数千円前後の料金で済むのなら、お金を出してでも便利屋に依頼しようという人が増えるわけです。

これほど有望な仕事にも関わらず、普通の会社員が副業で便利屋の仕事を始めても「儲からない」という声があります。その理由として考えられる弱点は、以下の通りです。

  1. 仕事をする時間が土日や夜間限定だと、地域住民の信頼を得るのが難しい
  2. 便利屋のアルバイトは時給がそれほど高くない

それぞれのケースについて、詳しく解説していきます。

個人で便利屋を開業した場合

個人で便利屋を開業して地域密着型のビジネスを本格的に展開するには、緊急性の高い依頼にも24時間対応できるぐらいの態勢を整えておく必要があります。便利屋の仕事が本業であれば、お客さんからの依頼を最優先として現場に急行することも可能です。

自営業や専業主婦など時間にある程度の融通がきく人も柔軟な対応は可能ですが、会社員の場合は本業の仕事がどうしても優先されてしまいます。便利屋が重宝されているのは、困ったときにいつでも駆けつけて問題を解決してくれる頼もしい存在だからです。

困り事や頼み事がたまたま土日や夜間に発生すれば、副業でも便利屋の仕事はできそうに思えます。平日の日中に「今すぐ助けてほしい」という依頼が発生した場合、その時間帯でも対応できる便利屋が選ばれてしまうのは当然です。仕事ぶりに満足してもらえば、「次に何かあったときも同じ便利屋さんに頼みたい」という流れになってしまいます。

お客さんが便利屋を選ぶ基準は、料金や仕事の質だけではありません。「困ったときにいつでも駆けつけてくれる人かどうか」という点も、重要な選択基準の1つとなります。たいていは自宅に業者の人を招き入れることになるだけに、便利屋は何よりも信頼が第一です。土日や夜間しか対応できない便利屋は信頼を獲得する機会も限られるため、専業で便利屋をやっている業者や個人事業主と比べて不利な立場にあります。

料金の安さや仕事ぶりの面で顧客満足度がよほど高ければ、副業の範囲内でも地域住民の支持を得ることは可能です。サービスの質や料金が他の便利屋とたいして変わりないとすれば、あとは「いつでも駆けつけてくれる便利さ」の差が決め手となってきます。副業で便利屋を開業した人の多くはそのへんの課題をうまくクリアできないでいるために、仕事の依頼が少なく「儲からない」状態に陥っているというわけです。

便利屋のアルバイトとして働く場合

便利屋を自分で開業するのではなく、企業が運営している便利屋のアルバイトとして働くという手もあります。「週1~2日からOK」「土日のみOK」などといった求人が見つかれば、自分で開業しなくても便利屋の仕事を副業にすることは可能です。

こうした便利屋はたいてい複数のスタッフを雇用していて、シフトを組んで平日の依頼にも対応できるようにしています。土日のシフトに入れる人なら、採用する側にも重宝されるはずです。

いろいろと面倒な集客も会社の方でやってくれますが、アルバイトの給料は特別に高額というわけではありません。求人サイトで募集されている便利屋スタッフの時給を見ても、1時間あたり1,000円から1,500円の範囲内に収まっている求人が大半です。1,500円というのはよほど条件が良い求人の話で、アルバイトの時給としては平均的な水準にとどまります。

お客さんの立場で便利屋を利用した場合は、基本料金だけで1時間あたり3,000円前後の料金がかかります。そうした料金相場から「便利屋は儲かる」仕事だと期待した人から見れば、少々物足りない数字かもしれません。
会社組織で便利屋を営む場合、徴収された料金の一部が人件費として従業員に支払われます。料金から会社の取り分が引かれてしまうために、給料の金額が平凡な数字になってしまうわけです。

稼ぐ金額はコンビニや飲食店でアルバイトをするのとたいして変わりありませんが、便利屋の仕事内容は変化に富んでいます。時にはめったに経験できない刺激的な仕事を依頼されるケースもあるだけに、給料よりやりがいを重視したい人におすすめの仕事です。

便利屋の仕事内容

部屋の片付け

便利屋に寄せられる依頼の数々は多岐にわたるだけに、仕事の種類はほとんど無数とも言える状況です。コンビニのバイトやスーパーの品出しバイトなどは、仕事の手順がある程度マニュアル化されています。

倉庫の軽作業や製造業の仕事などもルーティンワークの繰り返しですが、便利屋は実際に依頼されるまで何の仕事をするかわかりません。部屋の片付けや掃除を依頼される場合もあれば、パソコンのトラブル解決やゴキブリ退治を依頼される場合もあるという具合です。

便利屋によって対応できる仕事とできない仕事はありますが、対応できる依頼の種類が多ければ多いほど便利屋としての価値が上がります。実際にどのような仕事を依頼されているのか、これから便利屋を始めようという人にとっては気になるところです。

便利屋で考えられる仕事は100種類以上もありますので、大まかなカテゴリ別に仕事内容をまとめてみました。その中には資格や許可が必要な仕事も含まれますので、便利屋を営むのに資格が必要になるケースについては後述します。

DIY系の仕事

DIYのイメージ

便利屋の仕事には日曜大工や家具の組み立てなど、DIY関連の作業を依頼されるケースがよくあります。ホームセンターや工務店・電機店・ガソリンスタンドなど、企業が運営する店舗がサイドビジネスとして便利屋を展開している例も少なくありません。

個人で便利屋を開業する場合でもDIYのスキルがあれば、仕事を獲得する上で大きな武器となり得ます。そんなDIY系の仕事で、便利屋によくある依頼は以下の通りです。

  • 屋根や外壁の塗装
  • 壁紙貼り・補修
  • 家具組み立て代行
  • 換気扇・温水便座などの交換作業
  • 収納棚の製作・設置
  • 絵画やアート作品の設置
  • 防犯カメラの設置
  • 大型家具の解体
  • カーテンレールや物干しなどの取り付け作業
  • テレビやパソコンなどの配線接続作業

リフォーム関連の作業は専門業者に依頼した方が確実ですが、料金はたいてい高くつきます。ちょっとした作業なら便利屋に依頼した方が安く上がることから、住宅関連の専門領域にも食い込めるというわけです。

日曜大工を趣味にしている人にとっても、便利屋は特技を生かして収入を増やせる副業になり得ます。土日限定で依頼を受け付けるような営業の仕方であっても、料金の安さを前面に打ち出せば仕事を獲得できる可能性があります。

修理や補修作業

DIY関連の依頼をこなせるだけの腕を持っていれば、住宅に関するさまざまなトラブルへの対応も可能になってきます。便利屋に寄せられる依頼の中でも、修理や補修作業は依頼件数の多い仕事の1つです。

DIYの特技を生かせる修理や補修の仕事としては、以下のような例が挙げられます。

  • 家屋の修繕・修復
  • トイレやバスルーム・キッチン・洗面所など水回りの修理
  • 雨漏り修理・雨樋補修
  • 障子や襖・網戸の張り替え・補修
  • 家電製品の修理
  • アンテナ修理
  • 窓ガラスの修理・交換

器用な人なら道具や材料を用意して自分で修理するところですが、女性や高齢者の中には修理や補修が苦手な人も少なくありません。これも専門業者に依頼すると料金が割高になりやすいだけに、比較的安い料金で修理や補修に対応できる便利屋の出番です。

力仕事

家具を積み込んだトラックの荷台

便利屋の利用客は男性より女性が多く、男女を問わず高齢者からもよく利用されています。女性や高齢者の多くは力仕事が苦手なだけに、体力の要る作業の代行や手伝いも便利屋でよくある依頼の1つです。

専門業者には頼みにくいちょっとした力仕事でも、便利屋なら気軽に頼めるというイメージが定着しています。中でも依頼の多い力仕事は以下の通りです。

  • 引越しの手伝い
  • 家具の移動
  • カーペットの交換
  • 大型家具・家電の設置代行
  • 雪かき・雪下ろし代行
  • タイヤ交換

大型家具の移動や屋根の雪下ろしなどは想像以上の重労働で危険も伴うため、1人で行うのは困難です。個人で開業した場合は便利屋仲間に声をかけたりして、複数人で作業を行う必要があります。

家事代行

エアコンクリーニングを行う便利屋の男性

掃除や調理・買い物といった日常的な家事も、体力の衰えた高齢者にとっては負担が大きい作業です。大掃除や断捨離・遺品整理に伴って、大量のゴミや粗大ゴミが出る場合もあります。仕事の忙しい社会人の単身世帯や共働き世帯など、煩雑な家事をこなしきれないでいる人は少なくありません。

そんな人たちに代わって細々とした家事を引き受ける仕事も、便利屋でよくある依頼の1つです。家事代行サービスや家政婦の派遣サービスも人気を集めていますが、便利屋には何でも頼めるという気楽さがあります。他の仕事を依頼したついでに、家事代行もお願いするというのはよくあるパターンです。

便利屋に依頼される家事代行の仕事には、ほとんど無数と言ってもいいぐらい多くの種類があります。その中でも特に依頼が多いのは、以下のような家事の仕事です。

  • 掃除代行
  • 部屋の片付け・断捨離の手伝い
  • ゴミ屋敷片付け
  • 遺品整理
  • ゴミ捨て・不用品回収・粗大ごみ処分
  • ハウスクリーニング
  • エアコンクリーニング
  • 買い物代行
  • 洗濯代行
  • 料理代行・作り置き
  • 子守り・子供の遊び相手
  • 介護代行
  • ペットの世話・預かり・犬の散歩代行

DIY系の仕事や力仕事はどちらかと言うと男性向きですが、家事代行の仕事をメインにすれば女性でも便利屋を開業できます。便利屋の利用客は女性が多いだけに、便利屋自身も女性なら利用する側にとって安心です。

もちろん男性でも細々とした家事の依頼に対応できれば、便利屋として仕事の幅が広がります。部屋の片付けや遺品整理で出た不用品を回収するには、後述するように一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

雑用

電球の交換

日常生活を送る中では、以上のような家事以外にもさまざまな雑用に煩わされます。専門業者を利用するまでもない細々とした雑用も、便利屋にとっては貴重な仕事の1つです。便利屋が依頼される可能性のある雑用を挙げればきりがありませんが、以下のような雑用は依頼が多い例に数えられます。

  • 電球の交換
  • 留守番・空き家管理
  • 電話番
  • 草刈り・草むしり
  • 庭木の剪定・伐採
  • 水やり代行
  • 洗車代行
  • 子供や高齢者の送り迎え・付き添い代行

電球の交換や留守番などは普通だと家族や友人に依頼するところですが、近くに頼めるような人がいないお客さんが便利屋を頼ってきます。草刈りや剪定・伐採などは専門業者に依頼すると高くつくケースが多いだけに、便利屋でも依頼を獲得できる可能性のある雑用の1つです。

トラブル解決

便利屋に持ち込まれる依頼で意外と多いのは、日常生活の中で生じるさまざまなトラブルの相談です。前述の修理や補修は住宅関連のトラブルを解決する仕事ですが、「家にゴキブリが出たので退治してほしい」「パソコンがフリーズしてしまったので直してほしい」といった類のトラブルもあります。

これまたトラブルの種類に応じて便利屋の仕事も無限に増えることになりますが、依頼が多いのは以下のようなトラブルや相談の例です。

  • ゴキブリやアリなどの害虫駆除・蜂の巣駆除
  • ネズミやハクビシン・コウモリなどの害獣駆除
  • 鍵開け・鍵の交換
  • パソコンのトラブル解決
  • パソコン設定・スマホ設定
  • インターネット回線の新設
  • ご近所トラブルの相談
  • 人生相談や人間関係の相談など悩み相談
  • 愚痴聞き・話し相手

便利屋は電話1本でも開業できる仕事だけに、悩み相談の窓口となる面もあります。電話だけで問題が解決して仕事獲得にはつながらず、報酬を得られないケースがあるかもしれません。

そうなると電話で話した時間の分だけ骨折り損をしたような気になってしまいますが、同じ人から再び相談の電話がかかってくる可能性もあります。次回は実際に相手の自宅を訪問することになれば、今度こそ報酬につながる仕事が得られるというわけです。

便利屋はリピート率の高い仕事でもありますので、電話を使った無償の悩み相談が次回以降の仕事獲得につながります。たとえ出動する結果にならないとしても、相談の電話をもらったら懇切丁寧に応対しておくのが得策です。

企業や店舗からの依頼

便利屋を利用している人は個人客が多いイメージもありますが、企業や店舗など法人客から依頼を受ける可能性もあります。個人客は生活に関連した困り事の相談が多いのと比べ、法人客の依頼は業務に関連した仕事が中心です。

本来であれば従業員を使って自社で対応すべきところを、人員不足で仕事を外注している企業も少なくありません。専門業者に外注すると料金が割高となることから、低料金によるコスト削減効果を期待して便利屋が選ばれているというわけです。

そんな法人客からの依頼でよくある仕事の例を、以下に羅列してみました。

  • 産業廃棄物の処理
  • オフィス移転や模様替えの手伝い
  • 店舗の覆面調査
  • チラシ配り・ティッシュ配り
  • ホームページ制作代行
  • ブログ運営代行・SNS運営代行
  • 資料作成
  • 事務作業・秘書代行
  • 発送代行
  • セミナー出席代行
  • イベントスタッフ
  • クレーム対応代行
  • 棚卸し代行

中には専門スキルや許可を要する仕事も含まれますが、誰でもできる簡単な仕事を依頼されるケースも少なくありません。法人客からこうした仕事を獲得できるようになれば、便利屋としての安定収入につながります。個人客だけで思うように稼げない場合には、地元の企業や店舗にも営業をかけてみる価値があります。

変わった依頼

便利屋として営業していると、時には風変わりな仕事の依頼を受けることがあります。依頼人に代わってさまざまな役目を演じる代行の仕事もあれば、探偵の真似事をするような仕事の依頼もあるという具合です。実際に引き受けるかどうかは別として、以下のような依頼を受ける可能性があります。

  • 恋人代行・友人代行・家族代行
  • 結婚式代理出席・葬儀代行
  • 墓参り代行
  • モーニングコール代行
  • 並び屋(行列並び代行)
  • 場所取り代行
  • 撮影代行
  • 年賀状作成代行
  • 面接の練習相手
  • 合コンの人数合わせ
  • サクラ代行
  • 謝罪代行
  • 行方不明になったペットの捜索

中には法的に見て微妙な依頼も含まれるだけに、何でもかんでも引き受けるのは良くありません。違法性はなくても倫理的に見て違和感を感じる依頼をされた場合、時には断る勇気を持つことも必要です。

便利屋の仕事で資格や許可が必要なケース

便利屋は「専門業者に頼むより安上がりだから」という理由で利用されるケースも多いですが、以上で紹介してきた中には資格や許可が必要な仕事もあります。

例えば「引越しの手伝い」は便利屋で特に依頼の多い仕事の1つですが、荷物の運搬を代行するには一般自動車貨物運送事業または貨物軽自動車運送事業の運送業許可が必要です。許可を得ていない場合は依頼客自身の車に荷物を運ぶのを手伝ったり、引越し先で車から荷物を運び入れる手伝いをする範囲でしか依頼に対応できません。

荷造り作業を手伝う分にも許可は必要ありませんが、引越しに伴って不用品の処分を代行する場合は一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。回収した不用品を転売して利ざやを稼ごうとする場合には、管轄の警察署を経由して古物商許可を取得しておく必要もあります。

引越しの手伝いや不用品の回収に限らず、便利屋を開業するなら運転免許が欠かせません。依頼客の自宅まで移動するのに車を使うのが一般的で、道具を運んだりするにも車があった方が便利だからです。子供や高齢者などの送迎を行う際には普通自動車二種運転免許が、依頼客の車を預かって運転を代行する場合は自動車運転代行業の許可も必要になってきます。

後部座席のドアを開けた車

DIY系の仕事でコンセントを増設したり門灯を修理したりする場合は、電気工事士の資格が必要です。犬や猫などのペットを預かって世話をする仕事はペットシッター業務に該当しますので、第一種動物取扱業の資格を持っている必要があります。

以上のような資格や許可を持っていれば、便利屋を営む上で有利になってくるのは間違いありません。司法書士や行政書士の国家資格を取得した人は、役所などに提出する書類の手続き代行も可能になります。

便利屋に寄せられる変わった依頼の中には、浮気調査・素行調査・人探しなども含まれます。探偵業者に依頼すると高額な料金を請求されることになるため、便利屋に依頼して安く済ませようというわけです。

しかしながらそれらの調査を業として実施するには、探偵業の届け出が必要になってきます。探偵に依頼の多い「盗聴器の発見」そのものは探偵業の許可がなくても可能ですが、盗聴器が電源コンセントに取り付けられている場合の取り外しには電気工事士の資格が必要です。

ゴキブリなどの害虫やイエネズミを駆除するのに資格は不要ですが、イエネズミ以外の害獣や害鳥を駆除するには狩猟免許が必要な場合があります。罠などの狩猟具を使って害獣を捕獲するには、使用する道具別の狩猟免許が必要です。害獣を追い出したり侵入口を塞いだりするだけであれば、狩猟免許なしでも依頼に応じられます。

断るべき仕事の依頼

以上のような資格や許可の有無に関わらず、道徳的に考えて問題がある仕事の依頼も便利屋にはあり得ます。そういう仕事を安易に引き受けてしまった場合には、後でトラブルに巻き込まれるリスクがあるという点に注意が必要です。

以下のような依頼を受けたら、丁重にお断りすることをおすすめします。

  • 宿題代行・卒業論文代行
  • 替え玉受験
  • 復讐代行・呪い代行
  • 偽レビュー・中傷コメントの投稿
  • 薬物など違法な荷物の運び屋
  • 特殊詐欺の出し子・受け子
  • 復縁・別れさせの工作

問題がある仕事の依頼は他にもいろいろと考えられますので、自分で是非を判断できるだけの能力も便利屋には求められます。

できない仕事を依頼されたら?

アウトソーシングのイメージ

便利屋を営業していく中では、「自分にはできない」という仕事を依頼される可能性もあり得ます。その仕事をするのに必要な資格を持っていなかったり、スキルに自信がなかったりして、報酬を受け取るのに値しないようなケースです。

そんな場合は依頼を断るのが定石ですが、便利屋だからと言って何でもかんでも自分で仕事をすることはありません。資格がないために自分ではできない仕事を依頼されたら、知り合いの有資格者に外注してみるのも1つのやり方です。資格が必要ない仕事を依頼された場合でも、自分が得意でない仕事は得意な人にやってもらった方が良い結果につながります。

仕事を外注すれば費用も発生することになりますが、お客さんが支払う料金の一部を仲介料として自分の取り分にすることも可能です。いつも利用している便利屋さんに専門業者を紹介してもらえれば、お客さんにとっても業者を探し回る手間が省けるメリットがあります。つまりお客さんに代わって専門業者を探してあげる仕事も、便利屋が提供するサービスの一部というわけです。

他の業者と連携すれば受注できる仕事の範囲が大きく広がり、便利屋としての価値が高まります。そのためには日頃から便利屋仲間や地域の専門業者と交流を深め、人脈を築き上げておくことも大切です。

まとめ

ここまで長々と紹介してきたように、便利屋の仕事には非常に多くの種類があります。「何でも屋」の別名があるくらいで、あらゆる困り事や相談が仕事の種になる業種です。それだけに稼げる可能性も無限大で、その気になれば便利屋稼業で1千万以上の高年収を稼ぐことも夢ではありません。

ただし会社員が副業の範囲で便利屋の仕事をする場合は、依頼に応えられる時間帯がどうしても限られてきます。週末起業の形で便利屋を始めても、地域住民からの信頼を得るのは至難の業です。

副業だと会社の仕事がある時間帯は対応が困難なだけに、土日や夜間だけの営業でも仕事を獲得できるような工夫が必要になってきます。この記事で紹介してきた仕事の中から、緊急性の高くない依頼に絞って対応するような営業の仕方です。1件でも仕事の依頼を獲得できたらそのお客さんに満足してもらうように全力を尽くし、リピーターになってもらえるように努力する必要もあります。

そこまでの高収入を求めないのであれば、副業の範囲でも便利屋の仕事は可能です。リピート客が増えて副業ビジネスが軌道に乗ってきたら、便利屋を本業にすることも検討してみるといいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました