コロナの影響で収入が減ったという人が増えている中、収入を増やす手段としての副業に対する関心が高まっています。コロナをきっかけに副業を始めたという人も少なくないと見られますが、実際に取り組んでいる副業の種類としては男女ともアンケートモニターが1位にランクされるという意外な調査結果が出ました。男性は投資で稼いでいる人が多い一方で、女性はフリマアプリが上位にランクされるという違いも見られます。
withコロナ時代を乗り切るための副業としてどのような稼ぎ方が選ばれているのか、ランキングの傾向から見えてくる時代の潮流について考察してみました。
現在している副業の1位は男女ともアンケートモニター
株式会社ゼニスが実施した副業に関する調査によると、20代から30代の社会人で副業の手段として男女ともにアンケートモニターが1位にランクされています。
副業について詳しい人から見れば、この調査結果は少々意外に感じられるはずです。アンケートモニターはスマホ1つあれば手軽に収入が得られる反面、普通は回答1回あたりの報酬が決して高額とは言えません。
当ブログでも過去に取り上げているように、高額の報酬がもらえるのは会場調査や座談会・インタビュー形式で実施される商品モニターに限られます。最も手軽に回答できるWebアンケートは報酬の単価が数円から数百円程度で、月に1万円以上を稼ごうと思えば相当に数をこなさなければなりません。
それにも関わらず副業の1位に男女ともアンケートモニターが選ばれたのは、副業禁止でも会社にバレずにこっそり稼ぎやすいという点も一因ではないでしょうか? Webアンケートなら回答にそれほど時間がかからず、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用してお小遣い稼ぎができます。以前は副業と言うとアルバイトのような仕事を想像しがちでしたが、スマホの普及で今は本業以外に収入を得る手段も多様化してきている証拠です。
アンケートモニターは男女とも堂々の1位にランクされていますが、男性は32.8%だったのに対して女性は44・0%で半数近くにも達しました。男性では28・3%で3位となっている「ポイントサイト・ポイント投資」も、女性は35・8%で2位に入っています。
以上は女性は男性よりもアンケートモニターやポイントサイトなど、スマホを使って手軽に稼げる副業に取り組んでいる人が多いという事実を示すデータです。毎月の副業収入に関する質問で「1万円未満」と回答した人が最も多かったのも、そうした傾向を裏付けています。
男性には投資も人気
今回の調査では「どのような副業をしていますか?」という質問に対して、男女とも5位までの順位がそれぞれ公開されています。男性はアンケートモニターに次ぐ2位に「株式投資」が入り、4位にもFX(外国為替証拠金取引)が入りました。ポイントサイトと合わせて3位に入った「ポイント投資」も含め、男性の間では投資が人気を集めている様子が見て取れます。
株やFXなどの投資は資産運用に該当し、本来の意味での副業には当たらないとするのが一般的な認識です。そのため副業禁止の会社に勤めている人や公務員の間でも、不動産投資や投資信託などを含めた投資で収入を増やしている人は少なくありません。
今回の調査は投資も含めた広い意味での副収入を稼ぐ手段を対象としていることから、特に男性は投資が上位を占めるという結果になりました。株式投資は女性でも4位にランクされていますが、男性の30.3%と比べておよそ半分の15.8%にとどまります。
こうした違いが生じたのは、男性よりも女性の方が現実志向が強いという性格の違いが一因です。株やFXなどの投資は読みが当たれば大きく稼げる可能性がある一方で、読みが外れて大損する例も珍しくありません。
一般に女性よりも男性の方が投機的な行為に魅力を感じやすいと言われており、ギャンブル人口も女性より男性の方が多数を占めます。副業の選択でも安定志向が強い女性と比べ、男性が一攫千金の要素のある投資を選びがちなのはそういう性格の違いに由来しているのです。副業としてすっかり定着した感のあるクラウドソーシングは男性が11.1%で女性の11.9%と大差がなく、どちらも5位という結果でした。
女性はフリマアプリも上位にランク
人気の副業ランキング上位の顔ぶれを見ると、男女とも「アンケートモニター」「ポイントサイト・ポイント投資」「株式投資」「クラウドソーシング」の4つが入っているという点では共通しています。男性はこの他にFXがランク入りしているのに対して、女性では「フリマアプリ」が3位に入った点には注目です。
フリマアプリとして絶大な人気を誇るメルカリは男女ともに幅広く利用されていますが、特に30代以下の女性ユーザーが多いと言われています。中年以上の男性ユーザーが多いヤフオク!と比べ、メルカリは若い女性が気軽に利用しやすい雰囲気があるのです。
人気の副業に関する調査は複数回答可のため、メルカリ以外でも収入を得ている人は少なくないものと見られます。出品作業や梱包・発送作業も慣れればそれほど時間がかかりませんので、本業の合間や休日のスキマ時間を利用して収入を増やす手段に最適です。
メルカリには古着やアクセサリー・雑貨類だけでなく、普通ならゴミとして捨てるようなものまで出品されています。苔や石・流木・貝殻・木の実など、外から拾ってきたものが結構売れている状況です。
医薬品や現金・チケット類など出品が禁止されているもの以外なら何でもお金に換えられる可能性があるだけに、メルカリで物品を販売する行為は物販系副業として立派に通用するようになりました。人気の副業ランキングで女性のみフリマアプリが上位に入ったのは、小売業界でも男性より女性従業員の割合が多い点を反映してるものと見られます。
物販系の仕事をしている女性にとって、フリマアプリは本業の仕事に近い感覚で取り組みやすい副業です。小売業以外の仕事をしている女性の中にも、物を売ってお金を稼ぐという行為に本能的な喜びを感じるという人は少なくありません。
第一生命が全国の幼児や児童を対象に毎年実施している「大人になったらなりたいもの」調査でも、男女の違いは明らかです。男の子はサッカー選手や野球選手が毎年上位にランクされているのと比べ、女の子は22年連続で「食べ物屋さん」が1位という結果でした。
サッカー選手や野球選手で成功するのはほんの一握りの人に過ぎませんが、食べ物屋さんなら努力すれば誰でもなれます。夢のある仕事に魅力を感じる人が多い男性と比べ、女性は現実志向の人が多いという性格の違いが反映されたランキングだと言えます。
6位以下で人気の副業
人気の副業ランキングでは5位までの順位が男女別に発表されていますが、6位以下については順位不同で、男女とも次のような副業の種類が挙げられています。
- デリバリースタッフ
- YouTuber
- ライブチャット
- せどり
- 民泊
このうち「デリバリースタッフ」は宅配業務を行う幅広い仕事が含まれるものと見られますが、コロナ禍で特に注目されているのは飲食店の料理を届けるウーバーイーツ配達員です。コロナの影響で来店客が激減した飲食店は少なくないだけに、テイクアウトとともにデリバリーサービスに力を活路を見出そうとする店が増えています。
需要が高まっているウーバーイーツ配達員は普通のアルバイトと違って特定の飲食店に縛られず、好きな時間に働いて稼げるという自由さが最大の魅力です。ウーバーイーツ配達員と言えば男性が多いイメージもありますが、最近は女性の配達員も珍しくなくなりました。
時代の先端をゆく副業という点では、根強い人気を誇るYouTuberもウーバーイーツ配達員に負けていません。ここ数年は動画に広告を掲載できる基準が厳しくなっているため、誰でもすぐに稼げるようになるというわけでないという点には注意が必要です。
男女ともに人気の副業の1つとして名前が挙がっている「せどり」は、フリマアプリで稼ぐ副業とも共通する部分があります。主に中古品を仕入れて転売し差額で収益を得るのがせどりの手法で、商品の販売先としてメルカリが利用される例も少なくありません。オークションによって値が釣り上がればメルカリより高く売れやすくなるせいか、特に男性はせどりの手段としてヤフオク!を利用している人も多いと見られます。
これまではブックオフなどのリサイクルショップで安く仕入れた商品を、Amazonで売るのがせどりで稼ぐ典型的なパターンでした。メルカリが普及したことで女性の間でもせどりを始める人が増えていますが、中古品を仕入れて継続的に販売するには、たとえ副業でも古物商許可の取得が必要です。
男女とも人気の副業に名前が挙がっている民泊は2019年まで空前の盛り上がりを見せていましたが、訪日外国人観光客が激減したことで稼ぎにくくなってしまいました。コロナ禍でも民泊を続けていくには、テレワーク目的での利用などにターゲットを変えていく必要があります。
副業に関する調査まとめ
今回の調査では毎月の副業収入金額についての回答結果も発表されていますが、月に10万円以上と回答した人は全体の約5%に過ぎません。男女共通で上位にランクされている副業は気楽に始めやすい稼ぎ方が多い反面、収益性という点では必ずしも効率的に稼げるとは限らない面があります。
当ブログではこれまでにさまざまな副業の種類について紹介してきた中で、もっと効率的に稼げる仕事も少なくありませんでした。そういった副業をうまく組み合わせていけば、コロナで減った分の収入を取り戻せる可能性が出てきます。人気の副業ランキングではジャンルに偏りも見られますので、副業を通じていろいろな仕事を経験してみたいという人は、名前が挙がっていなかった代行業やシェアビジネスにも挑戦してみるといいでしょう。
コメント
[…] 副業1位はアンケートモニター?意外な調査結果の理由を考察株式会社ゼニ… […]