コンテンツ販売は新たな副業の手段として定着しつつありますが、「そもそもコンテンツって何?」という声がよく聞かれます。販売の対象となるデジタルコンテンツには幅広いジャンルの無形商品が含まれるだけに、定義があいまいで今ひとつ理解しにくいのも事実です。
初心者にとっては捉えどころのない面のあるデジタルコンテンツを16種類に分け、それぞれの販売方法について基本情報をまとめてみました。「自分にはコンテンツ販売なんて無理」と諦めていた人でも、この記事を読めば副業の手段となるコンテンツが見つかります。
今回の記事は全文を読むのにかなりの時間がかかりますので、時間に余裕がない人は以下の見出しで興味がある項目にジャンプすることをおすすめします。
デジタルコンテンツとは?
「○○コンテンツ」や「コンテンツマーケティング」など、ビジネス界隈ではさまざまな場面で「コンテンツ」という言葉が使われています。英語で「contents」と言えば、「中身」「内容」を意味する「content」の複数形です。
「コンテンツ」は「記事」や「目次」という意味する言葉としても使われていますが、「コンテンツ販売」の対象は文字情報だけに限りません。画像や音声など文字以外の要素からなる情報も、コンテンツの定義に含まれてきます。
実用日本語表現辞典に記載された「コンテンツ」の定義は以下の通りです。
コンテンツとは、基本的には「内容」「中身」を意味する英語由来の言葉であり、とりわけIT産業や娯楽産業において「情報の中身」「情報そのもの」を指し示す概念である。分かりやすくいうと、表現内容や表現手法も含めて《情報そのものが商品的価値を持つ情報》のことである。
(出典:実用日本語表現辞典コンテンツとは何? Weblio辞書)
「商品的価値を持つ情報」の「情報」も幅広い意味が含まれる概念で、ゲームやアプリなどのプログラムも情報の一種です。
広い意味でのコンテンツはデジタルで記述された情報とは限らず、アナログで表現された文章や映像も含まれます。パソコンやスマホなどで扱えるようにコンテンツをデジタルで表現したものが、今回の記事で取り上げる「デジタルコンテンツ」です。
一般に「コンテンツ販売」などと言う場合のコンテンツは、アナログではなくデジタルのコンテンツを意味します。ノウハウ集のように情報としての価値がある商品だけでなく、小説や漫画・音楽など鑑賞の対象となる作品もこれに含まれます。
販売が可能なデジタルコンテンツの種類は多岐にわたってくるだけに、副業を始めるに当たっては情報の整理が必要です。合計16種類に分けたデジタルコンテンツの詳細については後述するとして、まずはコンテンツ販売の副業を始める方法について概要を解説します。
コンテンツ販売の副業の始め方
本や家電製品・アパレル製品などの物品を販売しようという場合には、不用品を販売するのでない限り商品を仕入れる必要があります。デジタルコンテンツを販売する場合は一部の例外を除いて、売るべき商品は自分自身で作成するのが普通です。商品を用意するのに手間はかかりますが、物販ビジネスと違って在庫を抱える必要はありません。
デジタルコンテンツはいくらでも複製が可能なため、一度用意した商品が繰り返し何度も収益を生み出してくれるようになります。物販ビジネスの作業が「商品の仕入れ→販売」の2プロセスからなるのに対して、コンテンツ販売の作業は「商品の制作→販売」という2プロセスに単純化できるというわけです。
商品となるコンテンツの制作は後述する種類によって異なりますが、販売のプロセスはある程度共通します。インターネット上に存在するプラットフォームを利用する方法と、自分で独自に集客して販売する方法の2パターンです。それぞれの始め方について、詳しく解説していきます。
販売プラットフォームを利用する
物販ビジネスの副業を行う場合にAmazonやヤフオク・メルカリといったサイトがよく利用されているように、デジタルコンテンツにも販売プラットフォームが存在します。
ヤフオクでもPDFファイルや画像データ・ソフトウェアなどのダウンロード販売は可能ですが、実体のない商品の売買だけにトラブルがないとも限りません。メルカリでも記録メディアなどを使って発送すれば販売できなくはないとは言え、デジタルコンテンツの販売方法としては不便なやり方です。デジタルコンテンツを専門に扱う販売プラットフォームを利用した方が、購入者とやり取りもスムーズに運びます。
クリエイター界隈で話題を集めているnoteは、文章や画像・漫画・音声などのデジタルコンテンツを有料または無料で公開できるプラットフォームです。noteにアップロードしたコンテンツを有料公開に設定すれば、売上から手数料を引いた残りの金額が自分の収入になります。
2020年にサービス提供が開始されたBrainは、主に情報コンテンツの販売に使われている知識共有プラットフォームです。ノウハウ集などの情報コンテンツを販売する際には、インフォトップやインフォカートのような情報商材系のASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を利用してアフィリエイターに商品を紹介してもらうという手もあります。
この他にも電子書籍の販売サイトやストックフォト・ストックイラストの各サイトなど、各ジャンルに特化した販売プラットフォームが数多く存在します。ココナラやSKIMA(スキマ)などのスキルシェアサイトも、デジタルコンテンツの販売によく利用されているプラットフォームの一種です。
いずれも売上から一定の手数料は引かれてしまいますが、プラットフォームを利用しない場合と比べて集客の面では有利になってきます。noteやココナラなど知名度の高いプラットフォームはサイト自体に集客力があるだけに、宣伝に費やす労力の何割かを節約できるというわけです。
独自に集客して販売する
最近はBASEやSTORES・カラーミーショップなど、個人でもネットショップが作れるサービスが人気を集めています。物販ビジネスを始める際にもメルカリやAmazonのようなプラットフォームを利用せず、個人運営のネットショップを通じて商品を販売している人は少なくありません。
それらのネットショップサービスでは形のある商品ばかりでなく、デジタルコンテンツの販売にも対応しています。物販の場合と同じく特定商取引法に基づく表記を守る必要はありますが、ネットショップ作成サービスを利用すれば初心者でもコンテンツ販売の店舗を開設することは可能です。
料金プランによっては月額費用や初期費用がかかる一方で、商品が売れた場合に売上から引かれる手数料はプラットフォームを利用した場合より安く済みます。各サービスのフリープランを利用すれば、それらの費用もかかりません。まずは料金無料のフリープランでコンテンツ販売をスタートさせ、軌道に乗ってきたところで制約が少ない有料プランに移行するのがおすすめです。
WordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を使えば自分でネットショップを作成することも可能ですが、決済システムの導入やECサイト運営の知識も必要になってきます。一定の手数料が引かれるとしても、初心者はネットショップ作成サービスを利用するのが無難な始め方です。
販売プラットフォームを利用せずにコンテンツ販売を始める場合は、いずれもゼロから集客する必要はあります。SNSやブログなどを通じて情報発信しながら自己ブランディングに努め、商品の販売につなげていくのが効果的な宣伝方法です。
デジタルコンテンツの種類
物販ビジネスで取り扱う商品に多くの種類があるのと同じように、コンテンツ販売で扱う商品=デジタルコンテンツの種類もさまざまです。コンテンツの種類ごとに作成方法が違ってくるのは当然として、特定のコンテンツだけを扱う販売プラットフォームも存在します。
コンテンツ販売の副業を始めるに当たっては、まずデジタルコンテンツの種類について知っておくことが必要です。人によって分類の仕方が異なる面もありますが、解説の便宜を図るために以下のような16種類のコンテンツに分けてみました。
- テキスト
- イラスト
- デジタルアート
- NFT
- 写真
- 漫画
- 電子書籍
- 動画
- 音楽
- BGM・効果音
- 情報商材
- デザイン・テンプレート
- プログラム・アプリ
- ゲーム
- 3Dデータ
- 占い
それぞれの概要について、順番に解説していきます。
テキスト
あらゆるデジタルコンテンツの中でも、文字情報だけで構成されたテキストコンテンツは最もシンプルな表現形式です。後述する情報商材も、PDFなどのファイルに変換したテキスト主体のコンテンツとして販売されているケースが目立ちます。
PDFファイルは必ずしも文字情報だけで構成されているというわけではなく、図表やイラストを盛り込んで視覚に訴える形式にすることも可能です。何らかのノウハウについて解説した情報コンテンツとして販売するのに向いていますが、小説やエッセイ・詩集のような文学作品をデジタルコンテンツとして販売している例もあります。
青空文庫や小説家になろう・小説を読もう!など、作品を無料で読めるサイトはインターネット上に数多く存在します。そうした中でアマチュア作家の書いた作品を有料販売しても、なかなか購入してもらえないのが普通です。
コンテンツ販売で扱う商品としてそうした文学作品は不向きですが、小説投稿サイトの中には作品の有料販売が可能なところもあります。作品を無料公開して広告収入の還元が受けられる投稿サイトも含め、小説やエッセイを書くのが得意な人はテキストコンテンツで収入を得るチャンスです。
ココナラのようなスキルシェアサイトでも、オーダーメイドで小説を書くサービスを出品しているアマチュア作家は少なくありません。広告収入の還元や投げ銭で稼げる小説投稿サイトについては、以下の記事で詳しく解説しておきました。
イラスト
絵を描くのが得意な人は、自作のイラストをデジタル化することでコンテンツ販売が可能になってきます。画材を使ったアナログの手法で描いたイラストでもスキャンすればデジタル化は可能ですが、最近はデジタルイラストの手法が主流です。
ペンや絵筆の代わりにペンタブレットを使用し、CLIP STUDIOやIllustratorなどのソフトを使えば手書きに近いイラストをデジタルで描けるようになります。いずれかの方法でイラスト作品をデジタル化すれば、デジタルコンテンツとして販売が可能になるというわけです。
ストックイラストと呼ばれる販売サイトを利用すれば、イラストをデジタルコンテンツの形で販売できるようになります。デジタル化あれたイラストは手書きのイラストと違って一点物ではなく、いくらでも複製が可能です。メルカリやヤフオクでデジタルイラストを売る場合は、印刷や梱包・発送の手間もかかります。
ストックイラストなら作品をアップロードして登録しておくだけで済むため、作品が購入されてもそうした手間は不要です。イラスト販売で収入を得る副業については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
洋服やアクセサリーなどの商品には大量生産される既製品と、オーダーメイドで生産される一点物の商品があります。デジタルコンテンツとしてのイラストも同様に、依頼客からの注文に合わせて作品を描くオーダーメイドでの販売が可能です。
この場合はストックイラストではなく、ココナラやSKIMA(スキマ)のようなスキルシェアサイトが利用されています。SKIMAはイラストや漫画などクリエイター部門に特化したスキルシェアサービスだけに、サービスを出品している人の腕前も全般にハイレベルです。
デジタルアート
絵画や彫刻などを制作しているアーティストが現金収入を得るには、個展を開いて作品の購入者を募ったり、画廊や画商を通じて作品を販売するのが一般的な方法でした。近年はアートの分野にもデジタル化の波が押し寄せ、デジタルアートを専門に扱う販売サイトも登場しています。
前述のストックイラストでもデジタルアート作品の販売は可能ですが、作品の価値に見合った価格で売るのは困難です。ストックイラストのサイトを利用しているのは法人が中心で、商用に使えるイラストをできるだけ安く購入しようという目的があります。
デジタルアートの分野には専門の販売サイトが存在し、作品はストックイラストより高値で取引されている状況です。デジタルの手法で描かれた絵画作品だけでなく、プロジェクションマッピングなどの手法で表現される映像作品も含まれます。
テキストコンテンツと違ってアート作品は言語の壁がないだけに、全世界の愛好家が顧客の候補です。国内の販売サイトは決して多いとは言えませんが、海外ではデジタルアートを扱う販売サイトも増えています。
NFT
デジタルアートは新しい分野だけに、市場が十分に成熟していない面も否定できません。販売サイトに作品を出品しても、買い手がなかなか見つからない事態が考えられます。デジタルアート作品は複製が可能なため、一点物の価値が重視されてきたアートの分野では希少価値が認められにくいのも事実です。
いくらでも複製できるデジタルアートに一点物の価値を与える画期的な技術として、NFTと呼ばれる手法が注目されています。NFTとは「非代替トークン」を意味する英語「non-fungible token」を略した言葉です。
NFTもデジタルデータの形で記述される点ではデジタルアートと同じですが、ブロックチェーンの技術を使ってデジタル署名がされている点が異なります。NFTに使われてるブロックチェーンは、ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨の価値を保証するネットワーク上の承認制度です。デジタルアート作品をNFT化することでそのファイルに所有権が付与され、一点物の価値が生じることになります。
NFT化された元データと複製されたデータは明確に区別できるため、所有権を付与された元データを高値で売り買いすることも可能です。NFTはデジタルアートの分野にとどまらず、音楽や動画・ゲームアイテム、果てはTwitterの投稿文に至るまで広がりを見せています。こうなるとNFTも販売が可能なデジタルコンテンツの一種と見なすことが可能です。
他のコンテンツを販売するには基本的に自分で制作する必要がありますが、NFTの場合は他人の制作物を購入した上で転売の対象にもなり得ます。最近になって大きな盛り上がりを見せているNFTについては、以下の記事で主要なジャンルについて詳しく解説しておきました。
写真
デジタル化したイラスト作品をストックイラストのサイトで販売できるのと同じように、自分で撮影した写真もストックフォトのサイトを利用すれば販売が可能です。PIXTAやAdobe Stock・Shutterstockなど主要なストックフォトサイトは、写真とイラスト両方の販売に対応しています。
写真のファイルをアップロードし、審査を通過すればサイト内で写真を販売できるようになる仕組みです。ストックフォトのサイトに写真を登録しておけば、写真が売れるごとに報酬が発生します。
いずれのサイトを利用する場合でもある程度の撮影クォリティが求められるため、デジタル一眼レフやミラーレス一眼を持っている人の方が有利なのは確かです。最近はスナップマートのように、スマホのカメラで撮影した写真を販売できるサイトも増えてきました。
こうしたサイトを利用して購入客のニーズを満たすような写真を登録しておけば、プロのフォトグラファーでなくても写真の販売で収入を得ることは十分に可能です。写真ACのように、登録した写真が無料ダウンロードされるごとに報酬が発生するフリー素材サイトもあります。
漫画
イラストと同様にデジタル作画が主流となりつつあるに漫画の分野でも、作品を無料で公開しながら収入につながる投稿サイトが数多く存在します。投稿した作品を有料販売できるサイトは決して多くありませんが、それらのサイトを利用すればプロの漫画家でなくても自作の漫画で稼ぐことが可能です。
自作の漫画を電子書籍の形でセルフ出版できるサービスとしては、Kindleインディーズマンガが挙げられます。クリエイター界隈で人気を集めているnoteでも、漫画は文章やイラスト・音楽などとともに有料販売が可能なデジタルコンテンツの1つです。
「作品に自信がないので有料販売はちょっと…」という人は、広告収入の還元が受けられる漫画投稿サイトで作品を無料公開するという手もあります。投稿作品のPV数(閲覧数)や投稿実績に応じて、サイトの収益の一部が報酬として還元される仕組みです。投げ銭収入が得られるサイトも含めた漫画投稿サイトについては、以下の記事で詳しく解説しておきました。
電子書籍
AmazonのKindleダイレクトパブリッシング(KDP)を利用すれば、漫画以外のコンテンツも電子書籍として出版できるようになります。楽天Koboライティングライフも、個人で電子書籍の出版や販売を可能にするサービスの1つです。
漫画でも小説でも自分で書いた作品を売るには、新人賞を受賞してプロデビューする必要がありました。電子書籍のセルフ出版サービスが登場した現在では、誰でも自作の小説や漫画を売るチャンスが与えられます。
紙の本を自費出版する場合と違って、KDPや楽天Koboライティングライフは出版そのものには費用がかかりません。作品データを電子書籍化してそれぞれの販売サイトに登録しておけば、作品が売れるごとに販売価格に応じた印税率で報酬が発生する仕組みです。
無名のアマチュア作家が書いた作品を有料販売してもなかなか購入してもらえないのが普通ですが、タイトルや表紙などを工夫すれば少しでも売れやすくなります。電子書籍出版の対象となるコンテンツは、小説や漫画などのストーリー性のある作品に限りません。エッセイやビジネス書・実用書・写真集など、紙の書籍と同様にさまざまなジャンルの電子書籍が販売されています。
小説や漫画のような作品を書くのは無理という人でも、電子書籍を出版して収入を得ることは十分に可能です。むしろビジネス書や自己啓発本のようなジャンルの方が、小説やエッセイなどと比べて電子書籍でも売れやすいと言えます。
動画
動画投稿サイトのYouTubeや短尺動画アプリのTikTokが人気を集めていますが、どちらも動画投稿を収益化するのは難易度が高めです。世界には億単位の年収を稼ぐ人気YouTuberが存在する一方で、収入ゼロの弱小YouTuberも少なくありません。
格差社会の縮図のようになっているYouTube以外にも、動画コンテンツを収益化できるサイトは数多く存在します。YouTubeやTiktokのように誰でも動画を気軽に投稿できるわけではありませんが、Vimeoのようなプラットフォームを利用すれば動画の有料販売が可能です。動画販売サイトを無料で作れるFilmuyや、BASEなどのネットショップ作成サービスを利用して動画コンテンツを販売するという手もあります。
前述したストックフォトサイトの中でもPIXTAやShutterstockなどは、写真と同様に動画素材の販売が可能です。ビジネスや語学などのノウハウを動画教材の形でコンテンツ化すれば、Udemyなどのプラットフォームを利用して販売できるようになります。事故や災害などニュース動画やバラエティ動画・裏技動画を扱うvideocashのように、テレビや新聞などメディアの動画買取を仲介しているサイトもあります。
17LIVE(イチナナ)やPococha(ポコチャ)・ふわっちなどのライブ配信もまた、動画や音声の生配信で収入が得られるという点ではコンテンツ販売の一種です。ライブ配信された動画はそのままだと消えてしまいますが、収録したアーカイブ動画を販売することで2次収益を得ることも可能です。
以上のように動画コンテンツの販売ではさまざまな収益パターンが考え出されていますので、自分に合った販売方法を選ぶことが大切になってきます。
音楽
音楽を聴く手段がCDからダウンロード~ストリーミングへと変わってきたのと歩調を合わせるようにして、楽曲やアルバムもデジタルコンテンツの1つとして商品価値を持つようになりました。アマチュアのミュージシャンがCDを出してメジャーデビューを果たすには、依然として高いハードルがあります。今はCDデビューを経なくても、ダウンロード販売やストリーミング配信で音楽コンテンツの販売が可能な時代です。
TuneCore Japanなどの配信代行サービスを利用すれば、Apple MusicやiTunes Storeなどに楽曲を配信できるようになります。多くのケースで配信手数料はかかりますが、審査基準さえ満たしていればプロ・アマを問いません。
クリエイター投稿サイトのnoteでも、記事やイラスト・写真と同じように音楽の有料販売が可能です。ライブ配信サイトで演奏を生配信し、リスナーから有料アイテムやギフトをもらって投げ銭収入を稼ぐという手もあります。動画と同様に音楽コンテンツも収益の手段が多様化していますので、趣味の音楽演奏を副業にしたい人はいろいろ試してみるといいでしょう。
BGM・効果音
デジタルコンテンツの形で音声データを販売されているのは、音楽鑑賞の対象となるような演奏データに限りません。後述する情報商材も音声コンテンツとして作成することは可能ですが、BGMや効果音のような音声素材も商品になり得ます。
映画やテレビの制作現場で、音響効果を担当しているのがフォーリーアーティストと呼ばれる人たちの仕事です。著作権フリーの音声素材を販売しているAudiostock(オーディオストック)を利用すれば、プロのフォーリーアーティストでなくてもBGMや効果音などの音声コンテンツを販売できるようになります。こうした音声素材は映像クリエイターやゲーム制作会社などの間で需要があるだけに、有料でも購入してもらえる可能性があるというわけです。
pixivと連携したマーケットプレイスのBOOTHでも、BGMや効果音などの音声コンテンツが販売されています。同人ダウンロードショップのDLsiteや海外サイトのitch.ioでも、BGMや効果音の販売は可能です。
情報コンテンツ
あらゆるデジタルコンテンツの中で、何らかのノウハウや悩み解決方法をまとめた情報コンテンツは収益性が最も高い商品です。デジタルコンテンツを情報コンテンツとそれ以外のコンテンツに大きく分けることも可能ですが、今回の記事では15種類の中の1つとして情報コンテンツを位置づけてみました。
他の種類のデジタルコンテンツと違って、情報コンテンツは情報そのものに金銭的な価値があるとされているのが特徴です。その条件さえ満たしていれば、テキストや音声・動画といった表現形式を問いません。
インターネット上にはブログやWebメディアの記事など、無料で読める情報コンテンツが大量に存在します。音声や動画の形で公開されている情報コンテンツも少なくないだけに、コンテンツ販売の対象とするには一工夫が必要です。
お金を払ってでも購入したと思わせるほど価値のあるネタを扱わない限り、情報コンテンツを有料販売しようとてもなかなか売れません。見込み客の購入意欲を誘うようなタイトルの付け方や、キャッチコピーの書き方も求められてきます。
電子書籍やnoteでの有料販売・有料メルマガなど、情報コンテンツの販売方法は多岐にわたります。ココナラなどのスキルシェアサイトは購入者とのやり取りを通じてサービスを提供するのが基本ですが、PDFなどの形にまとめた情報コンテンツを販売すること可能です。
インフォトップのような情報商材系のASPを利用し、アフィリエイターに商品を紹介してもらうという手もあります。メルマガを利用した集客の手法などもネットビジネス界隈では推奨されていますが、いわゆる「情報商材」には詐欺が多いというネガティブなイメージがある点に注意が必要です。
高額な価格設定に見合うだけの価値がない商品という悪評が広まってしまうと、著作者のプロフィールにも傷がついてしまいます。ビジネス書などの書籍でも同じリスクはありますが、情報商材は一般書籍より割高な例が多いだけにトラブルが起きやすいのも事実です。情報コンテンツに価格設定する際には、金額と釣り合うだけの商品価値があるかどうか吟味する必要があります。
デザイン・テンプレート
ロゴデザインやWebデザインのテンプレートなど、デザインの分野にもインターネット上のマーケットプレイスが存在します。専用のデザインソフトやアプリを使って作成した作品も、デジタルデータの形で納品できる限りはコンテンツ販売の対象です。
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングのサイトでもデザインの仕事は募集されていますが、いずれも依頼主の注文に沿ったデザインを作成する必要があります。デザインのマーケットプレイスを利用すれば、需要のありそうなデザインを自分で考え出して販売することも可能です。
ロゴデザインの分野で登録デザイナーを募集中のマーケットプレイスには、ロゴマーケットやLOGO市ストアといったサイトがあります。Webデザインの分野ではWordPressの有料テーマが最も需要のある商品ですが、全世界にライバルが存在していて商品は飽和状態です。むしろネットショップ作成サービスのBASEと連携したデザインマーケットの方が、参入者もまだ少なめで稼げる可能性があります。
プログラム・アプリ
エンジニアやプログラマーなどプログラミングのスキルを持っている人なら、ソフトウェアやアプリのようなプログラムもコンテンツ販売の対象になり得る商品です。パソコン用のソフトにはIT企業で開発・販売している商用ソフトの他にも、個人が開発したフリーソフトやシェアウェアがインターネット上で数多く公開されています。
開発者と使用者が開発費用を分担し合うシェアウェアとして公開すれば、プログラムがダウンロードされることで収入につながります。試用期間内は無料で使用できるようにして、期間後に支払いを促すアラートが表示されたり、機能制限が加わったりするようにプログラムを組むのが一般的です。
最近はパソコン用のシェアウェア以上に、スマホで使えるアプリの需要が大きくなってきています。無料で使えるアプリも少なくありませんが、価値あるコンテンツを提供できれば「有料でも使ってみたい」という人が出てくるはずです。
開発したアプリを販売するには、iOS用のアプリはApp Storeで、Android用のアプリはGoogle Playでそれぞれ審査を受ける必要があります。申請が通って審査に合格すれば、それぞれのマーケットにアプリが登録されて販売が可能になる仕組みです。
アプリを有料で販売する以外にも無料公開で広告収入を得る方法や、アプリ内課金の仕組みを組み込む方法があります。アプリで広告収入を稼ぐ方法については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
ゲーム
プログラミングのスキルがあれば、モバイルゲームやPCゲームなどを自作して販売することも可能です。実際にインターネット上では、インディーゲームと呼ばれる独立系ゲームの市場が存在します。ゲーム機用のゲームソフトなどと違ってパッケージ販売されず、ダウンロード販売の形で売られるのが一般的です。
インディーゲームの販売プラットフォームとしてはSteamが最大手ですが、海外サイトだけにメールなどのやり取りで英語力が必要になってきます。アプリを1本登録するごとに100ドルの登録料を支払う必要もあるため、初心者にはハードルが高いマーケットです。
国内最大級のインディーゲーム販売プラットフォームだったPLAYISMは、2021年3月をもってゲームコンテンツの販売を終了しました。BGMや効果音の販売が可能な前述のBOOTHには、漫画やイラスト・音楽などと並んでゲームやソフトウェアのカテゴリも用意されています。
ゲーム以外のアプリやPC用のフリーソフトと同様に、インディーゲームの分野にも無料で公開されているフリーゲームは少なくありません。そうした中で自作のゲームを有料販売するには、お金を払ってでもプレイしてみたいと思わせるだけの魅力をアピールする必要もあります。
ゲーム関連のデジタルコンテンツとしては、市販ゲームで使われるゲームアイテムや通貨・キャラクターの売買も活発です。ユーザー同士でゲーム関連コンテンツを販売し、法定通貨に換金できるRMTサイトが人気を集めています。
RMTについては違法ではないかという議論も以前から交わされていますが、現状では取り締まる法律があるわけではありません。ゲーム会社の多くはRMTを規約違反としていますので、コンテンツ販売の対象としてはリスクの大きい商品だと言えます。
3Dデータ
以上で紹介してきたデジタルコンテンツと比べてマイナーなジャンルにはなりますが、ゲームやアニメーション用の3Dデータにもマーケットが存在します。海外のサイトが中心となっている中で、DMM.makeは3Dプリンタ用のデータを扱う国内サイトの1つです。
3Dプリンタによる3次元の造形物は今後大きな成長が見込まれている分野ですので、3Dデータの販売も活発になっていくものと期待されます。先に紹介したBOOTHにも、主にゲームやアニメ用の3Dモデルを販売するカテゴリが用意されています。
占い
販売が可能なデジタルコンテンツの種類として最後に紹介するのは、女性に人気の占いコンテンツです。対面占いが主流だった時代には、占いはコンテンツと言うよりサービス業の一形態という認識でした。新聞や雑誌などに掲載される「きょうの運勢」などの記事は、考えようによっては占いコンテンツの一種です。
主に文章の形で提供される占いコンテンツも、インターネットの普及とともにデジタル化されています。近年は対面鑑定や電話占いに加え、メール占いやチャット占いなど文字情報のやり取りで占う方式も人気です。それらの占いコンテンツも有料で鑑定する限りは、デジタルコンテンツとして販売しているのと同じことになります。
占いコンテンツを販売して収入を得るには、企業が運営する占いサイトに占い師として採用されるのが最も手っ取り早い方法です。ほとんどの占いサイトでは占い師を採用するのに審査を実施している上に、受け取る報酬は相談客から徴収した料金の半分以下という例が多くなっています。
ココナラのようなスキルシェアサイトを利用して個人で占いのサービスを出品した場合ば、売上から引かれる手数料は22%です。電話相談サービスとして出品した場合は報酬率が41%程度に下がりますが、トークルームのやり取りで鑑定を行う通常サービスなら手数料を低く抑えられます。
ココナラでは占い診断や記事の提供など、さまざまな形式の占いコンテンツ販売に対応が可能です。占いのスキルを生かしたコンテンツ販売の副業を始めたいという人は、他の出品者のサービス内容を参考にしてみるといいでしょう。
コンテンツ販売で稼ぐ副業のまとめ
インターネット上にはブログ記事やYouTube動画のように、無料のコンテンツが氾濫しています。イラストや写真・音声もフリー素材が豊富に用意されているだけに、コンテンツを有料で販売するにはそれなりの価値が必要です。お金を払うだけの価値があるコンテンツでも、周知や宣伝が不足していては買い手がなかなか現れてくれません。
売るのが大変な点では今回の記事で紹介した16種類のデジタルコンテンツすべてに共通しますが、売るコツさえつかめば在庫ゼロで不労所得を稼ぐことも可能な副業ビジネスです。販売の場となるマーケットも数多く存在するだけに、自分の得意分野を生かしたコンテンツ販売が始めやすい環境が整いつつあります。16種類の中で「これなら自分にもできそう」というジャンルが見つかったら、コンテンツ販売の副業にチャンレンジしてみるといいでしょう。
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