コロナ禍をきっかけに本業以外の仕事で収入を得ようという動きが活発になり、副業に対する関心がこれまで以上に高まってきています。コロナの影響は副業の手段に利用されているさまざまな仕事にも及び、以前ほど稼げなくなったと言われる仕事も少なくありません。これから副業を始めるに当たってはどの仕事でも同じように稼げるというわけではなく、コロナに強い副業とそうでない副業があるという点には注意が必要です。
人々が自粛生活を強いられる中でも安定した需要が見込まれる副業と、そうでない副業の違いについて最新情報をまとめてみました。どの副業を選んだらいいのか迷っているという人でも、この記事を読めばコロナ禍の副業事情が理解できるようになります。
コロナ禍で副業ブームが加速
新型コロナウイルスの感染が拡大するにつれて、観光や飲食・イベント関連の業種で売上が激減してしまったのは周知の通りです。小売業界でもアパレル関連などは苦しい状況が続いており、サービス業や製造業も含めて幅広い業種に影響が及んでいます。
正社員でもボーナスがカットされたりして収入が減ってしまったという人は少なくありませんが、パートやアルバイト・派遣など非正規雇用で働いていた人は社員以上に厳しい状況です。仕事を強制的に休ませられたりシフトを減らされたりして、収入が激減してしまったという人が続出しています。これまで副業に手を出していなかった人でも、生活費を捻出するためには本業以外の仕事で収入を増やしていかなければなりません。
一方では都市部の大手企業を中心にテレワーク勤務に切り替える動きも活発で、通勤の必要がなくなったために時間が浮いたという人が増えています。そういう人たちの間でも新たに副業を始めようという気運が見られ、コロナ禍をきっかけに副業ブームが加速してきている状況です。
すでに2018年には副業・兼業の促進に関する国のガイドラインが改定され、副業解禁の動きが広がって第1次副業ブームに湧きました。その熱も冷めやらないうちに2020年はコロナ禍で収入が減ってしまった人が相次ぎ、現在は第2次副業ブームの様相を呈しているのです。
コロナに強い副業の特徴
世の中には副業の手段になり得る仕事やお金の稼ぎ方が、ほとんど無数と言っていいほど数多く存在します。第1次ブームの際にも副業の種類を羅列した本や雑誌の出版が相次ぎ、テレビやインターネットでもさまざまな副業が紹介されてきました。
コロナ禍をきっかけに副業を始めようという人にはそれだけ多くの選択肢が与えられている状況ですが、この1年で副業を取り巻く環境も激変しているという点は注意が必要です。本業の仕事と同様にコロナの影響で稼げなくなってしまった副業がある一方では、外出自粛やテレワークの普及で逆に需要を伸ばしている副業もあります。
コロナに強い副業は在宅で完結する仕事やオンラインでやり取りする仕事など、感染リスクの低い仕事が多いというのが1つの特徴です。外出を控える人が増えた中では、宅配需要や巣ごもり需要を満たしてくれる副業も堅調な状況が続いています。コロナ禍で需要を伸ばしている代行業や意外な好調ぶりを見せている稼ぎ方も含め、コロナに強い副業の種類をまとめてみました。
在宅で仕事が完結する副業
コロナ禍にあっては多くの職場でクラスターが発生し、職場内の濃厚接触者が自宅待機を命じられるケースも出ています。マスクの着用や消毒・換気などの感染対策を行っても感染を100%防ぐのは難しいだけに、緊急事態宣言下では多くの企業が在宅勤務を試みました。
副業であってもオフィスワーク系の仕事で出社が必要な場合は感染リスクが避けられませんが、最近は在宅で仕事が完結する働き方も可能になっています。クラウドワークスやランサーズ・シュフティなど、コロナ以前から普及が進んでいたクラウドソーシングはそうした在宅ワークの宝庫です。
クラウドソーシングで募集されている仕事はデータ入力や記事ライティング・アプリ開発・Webデザインなど多種多様で、オフィスワークに慣れた人なら自分の得意な仕事が見つかります。アンケート・モニターや口コミ・レビュー・発送作業など、これと言ったスキルを持たない人にもできる簡単な仕事の募集も少なくありません。
クラウドソーシングで募集されているほとんどの案件はパソコンやスマホを使って納品できるため、感染リスクを避けながら在宅で収入を得るのに最適な副業です。
同じような在宅ワークの1つとして、顧客からの問い合わせ電話に出たり営業電話をかけたりする在宅コールセンターの仕事が挙げられます。コールセンターのオペレーターも副業の一手段として利用されていますが、専用の機材や顧客情報を扱う関係でオフィスに出社して働くのが一般的でした。コールセンターはオフィスでオペレーター同士がどうしても密になりやすいだけに、職場クラスターも各地で発生している状況です。
現在では仕事に使う電話や機材を貸し与えたり自分で用意したりすることで、コールセンター業務を在宅で行うことも可能になってきています。コールシェアのように在宅専門のコールセンター会社も登場しているほどで、新たな在宅副業の手段として注目の存在です。在宅コールセンターの仕事であればコロナ感染を気にする必要はなく、受電や架電に適した静かな環境さえ自宅に確保できれば「コロナに強い副業」の1つになり得ます。
オンラインでやり取りする副業
コロナ禍の嵐が吹き荒れた2020年には「オンライン○○」が新語流行語大賞でトップ10入りするなど、オンラインを使った交流の輪が世の中に広がりました。Zoomなどのツールを駆使したオンライン飲み会やオンライン婚活など私生活の場でも着実に普及していますが、オンラインに活路を見いだしているのは副業も例外ではありません。講師業やヨガインストラクター・占い師など、対面でのサービス提供が一般的だった仕事も続々とオンライン化している状況です。
教室集客サイトとして国内最大級を誇るストアカはこれまで対面での講座に限定していましたが、コロナ禍を受けて2020年6月にはオンライン講座を解禁しました。オンライン英会話やオンラインのプログラミングスクールなども含め、従来から存在するオンラインスクールも生徒数が増えています。対面指導が原則だった学習塾や家庭教師センターの間でも、オンライン授業を導入するところが増加傾向です。
自分の得な事柄を人に教えることで収入を得る講師の副業も、ZoomやSkypeなどを使ってオンラインで完結できれば自分と相手の双方で感染リスクを避けられます。コロナ感染が第2波・第3波と繰り返す中でオンライン講師の需要は着実に増えており、新たな副業のスタイルとして定着しつつある状況です。
似たようなスタイルで収入を得る副業としては、本業の知見を生かして企業にアドバイスを行うスポットコンサルが挙げられます。対面で週末コンサルの仕事を行っていた人も、コロナ禍を受けてオンラインでのやり取りに切り替える例が増えているのです。
スタジオやレンタルスペースに生徒を集めるのが主流だったヨガインストラクターの仕事も、オンラインを通じて指導を行うスタイルへと移行しつつあります。同じく対面での鑑定が人気を集めていた占い師の間では、占い館や占いカフェでの鑑定からオンライン占いに切り替える人が相次いでいる状況です。電話占いやチャット占いなど非接触型の占いは従来から存在しますが、コロナ禍にあっては対面鑑定を上回る人気ぶりとなっています。
ヨガインストラクターや占い師の仕事は講師業やスポットコンサルなどと同様に、会社員や販売店員・主婦などの副業にすることも十分に可能です。オンラインでやり取りする副業はクラウドソーシングや在宅コールセンターと並んで、withコロナ時代に適した副業だと言えます。
宅配需要を満たす副業
コロナ感染が拡大している渦中にあっては多くの人が自粛生活を強いられ、可能な限り外出しなくても済むような行動を求められました。何かと不便な生活を支えてくれるのは、自宅にいながら料理や商品を届けてくれる宅配スタッフの人たちです。宅配ドライバーは本業の仕事でもありますが、休日や夜間などを利用しながら副業で稼いでいるドライバーも少なくありません。
コロナ禍でそうした宅配バイト以上に脚光を浴びているのが、自転車やバイクを使って注文した人の自宅まで料理を届けるフードデリバリーの仕事です。ウーバーイーツ配達員がその代表的な存在で、コロナの感染が拡大して以降は注文数とともに新規スタッフ登録数も急増しています。そのため一部の地域では配達員の人数が増えすぎて競争が激化している面も見られるとは言え、フードデリバリーの副業がコロナに強いのは確かです。
巣ごもり需要を受けてネット通販サイトの利用も伸び続けている点を考えると、個人でネットショップを運営する副業も選択肢の1つに数えられてきます。BASEやSTORES(ストアーズ)などのサービスを利用したネットショップ運営だけでなく、メルカリなどのフリマアプリを利用したせどりや転売ビジネスも巣ごもり需要に強い副業の1つです。
いずれも商品のリサーチや集客など物販ビジネスに関するノウハウも必要ですが、ビジネスが軌道に乗ってくれば月に100万円以上稼ぐことも夢ではありません。そうなると注文があった商品の梱包や発送作業に忙殺されるようになり、副業の範囲では対応しきれなくなるというのは1つの課題です。
ネットショップ運営や転売ビジネスで大きく稼いでいる人の多くはクラウドソーシングなどを利用し、コンプや発送作業を第三者に業務委託しています。逆に見ると業者も含めたクライアントの募集する発送代行の仕事を引き受けることで、物販ノウハウを持たない人でもコロナ特需の恩恵を受けられるようになります。
コロナの感染が拡大している中では外出しにくい雰囲気があるだけに、ハンドメイド材料やアクアリウムなどに使う貝殻・流木・石・苔・木の実なども需要拡大が期待される商品です。屋外から拾った品々がメルカリやヤフオク!で売れるようになれば、ほとんど原価0円で物販ビジネスが成り立ちます。
自粛生活で需要が伸びているのは、以上のようなネット経由の物販ビジネスだけではありません。VOD(ビデオオンデマンド)やゲームなど自宅で楽しめるエンタメ分野がコロナ禍で伸びているように、電子書籍などデジタルコンテンツ販売で稼ぐ副業も需要が拡大傾向です。
個人が文章や漫画・イラスト・音声コンテンツを自由に販売できるプラットフォームのnoteがコロナ禍で伸びているのも、巣ごもり需要にうまくはまったのが一因と考えられます。ココナラに代表されるスキル販売はコロナ禍においても堅調に推移しており、特技を生かした副業の選択肢として有力な候補の1つです。
コロナ禍で需要拡大中の代行業
運転代行から犬の散歩代行までさまざまな種類がある代行業の中には、コロナ禍で需要が伸びているという例も少なくありません。例えば買い物代行はこれまで高齢者世帯からの依頼や地方在住者からの依頼が中心でしたが、コロナの感染が広がったことで新たな顧客層からの依頼が増えています。
依頼客の自宅を訪問して掃除や洗濯・料理の作り置きなどを代わりに行う家事代行も、テレワークやステイホームの動きが広がったことで需要が伸びている仕事の1つです。2020年には学校が長期間休校になった影響で家事や育児の負担が増えた家庭が続出したため、家事代行やベビーシッターを依頼する人が増えました。
在宅で完結する副業と違って買い物代行や家事代行は多少の感染リスクも伴う仕事ですが、逆に見れば人がやりたがらない仕事にこそビジネスチャンスがあります。人の移動が大きく制限されるようになると故郷への帰省も困難になるだけに、お盆や彼岸などの墓参り代行も需要が急増している状況です。
コロナ禍でも意外に好調な副業
この他に一風変わったお金の稼ぎ方としては、不満買取サービスや愚痴聞きサービスなどもコロナ禍で意外な需要がある副業の1つです。コロナの感染が広がったことで世の中の空気が一変し、お互いを監視し合うような息苦しさの中で精神的なストレスに悩まされる人が増えています。女性を中心に占いに頼る人も少なくありませんが、不満買取サービスや愚痴聞きサービスもまたそんな人たちのはけ口になっているのです。
不満買取サービスはアンケート・モニターに近い稼ぎ方で、副業としてまとまった金額を稼ぐには数をこなす必要があります。むしろ愚痴聞きサービスの方が効率的に稼ぎやすいと言えますが、初期費用の支払いを求めるサービスには手を出さないのが賢明です。電話やオンラインを利用した占い師として活動を始める場合も含め、スキル販売サイトのココナラはそうした相談需要に応じる副業の手段になり得ます。
コロナ禍でレンタカーの利用は減っていますが、カーシェアリングを利用する人はむしろ増加傾向です。交通機関を利用した日常的な移動を避けようとする人が増えている中、低料金で車が借りられる個人間カーシェアリングが注目されるようになりました。車を所有していて限られた曜日しか使わないという人であれば、akippaなどを利用した個人間カーシェアリングもコロナに強い副業として有力な選択肢の1つです。ある程度の元手を用意できる人なら、株やFXなどの投資も副収入を得られる手段となり得ます。
コロナ禍で経済の情勢が厳しい中でも日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を記録するなど、投資家の活動は意外なほど活発でした。暗号資産(仮想通貨)のビットコインも2020年から2021年にかけて高騰し、金(ゴールド)と同じような安定資産と見なされるように評価が変わってきています。
そうした好調な動向を見ると投資もまたコロナに強い副業のように思いがちですが、株価の異常な高値が続いているのはバブルの状態だという見方が優勢です。現在の高値は必ずしも市場経済の好調さを反映しているわけではなく、コロナに対応した各国の金融緩和政策が大きく影響していると言われています。
日本だけでなく米国など世界の主要国で多額の緩和マネーが投入された結果、現在は株式市場でも未曾有のカネ余りとなっている状況です。副業として株やFX・暗号資産への投資を始めようという場合でも、コロナバブルがいつ崩壊して相場が暴落するかわからないというリスクは頭に入れておく必要があります。
コロナで稼ぎにくくなった副業
以上のようにコロナ禍でも比較的稼ぎやすい副業が少なくない一方で、需要が減って稼ぎにくくなっている副業も存在します。コロナの影響で収入が減ってしまった人が副業を始めようという場合でも、そういう仕事を選んでしまうと思ったほど稼げないという結果に終わりかねません。副業でも本業の仕事と同様に、対面型のサービス業や飲食関連の仕事・旅行関連の仕事は厳しい状況です。
イベント関連やエンタメ業界に属する副業も仕事が減っていますが、コロナの影響はさらに多方面へと拡大しています。コロナ禍で業績が振るわなくなった企業が続出している中では、アフィリエイトやYouTuberなど広告収入に依存する副業への影響も懸念されているのです。コロナ禍で新たに始めようとする副業の選び方に関して、注意すべき点をまとめてみました。
対面型の副業
コロナの影響が広がる中で人と人との接触を避けようとする動きが広がっているだけに、対面の形でサービスを提供するスタイルの副業は人一倍気を使うことになります。マスク着用や消毒など感染対策を徹底させることでサービスを継続している人も少なくありませんが、コロナ以前と比べて依頼客が減ってしまうのは避けられません。
対面型の講師や家庭教師・スポーツインストラクターといった仕事は休日などを利用した対応も可能なだけに、副業の手段として多くの人に利用されてきました。雇用主となる講座スクールや家庭教師センター・スポーツジムの運営会社もコロナ禍で売上が激減し、経営に大きな打撃を受けている状況です。所属する講師やインストラクターのシフトを減らしたり、契約を打ち切ったりするケースも増えています。
新たな求人の募集も減少傾向が続いている中では、こうした対面型サービスの仕事を副業の選択肢とするのは相応の覚悟が必要です。占い館や占いカフェに所属する占い師なども含め、対面からオンラインでのサービス提供に切り替える動きも出ています。対面と違ってサービス提供がやりづらいという声もありますが、当面はオンライン講師などの形で収入を得る道を模索するのが無難です。
飲食関連の副業
GoToイートキャンペーンの実施で盛り返した時期もありましたが、コロナ感染の第3波が拡大して以降は飲食業界が再び厳しい状況に置かれています。感染対策にはマスク着用の徹底が最も効果的と言われているだけに、マスクを外す必要がある飲食の際には感染リスクがどうしても高くなりがちです。
実際に飲食店クラスターが多発している中で営業制限を求める声が高まっており、飲食店バイトの副業もシフトを減らされたりして稼ぎにくくなっています。お酒を提供する飲食店に依存していた運転代行の副業も、飲食店の営業制限に伴って仕事が激減してしまいました。店のスタッフに気づかれないようにして接客サービスや清掃状況などをチェックする覆面調査員の副業も、飲食店が対象となっているケースが少なくありません。
そうした中でもウーバーイーツ配達員の需要が増えているように、料理を届ける飲食サービスの需要が拡大中です。移動販売の形で料理やデザートなどを提供するキッチンカーは密が避けられるとあって、コロナ禍にも関わらず人気を集めています。キッチンカーを使った移動販売を始めるにはある程度の予算と準備も必要ですが、コロナ禍で飲食に関わる副業に挑戦してみたいという人にとっては魅力的な選択肢の1つです。
旅行関連の副業
新型コロナウイルスは人の移動に伴って感染が拡大した面があるだけに、ホテルや旅館・航空・バス会社など旅行関連の業種でも売上が激減してしまいました。旅行業界に救いの手を差し伸べようという目的で始まったGoToトラベルも、コロナ感染第3波の前には中断を余儀なくされています。本業の仕事でも宿泊施設や交通機関・旅行会社の従業員は収入が減っている状況で、会社が倒産したり解雇されたりする人も相次いでいる状況です。
そうした中では民泊やレンタカー回送ドライバーなど、旅行関連の副業も厳しい状況には変わりありません。特に民泊は訪日外国人観光客の激減でほとんど稼げなくなったと言われていますが、テレワーク用のスペースを提供する用途で生き残りを図ろうとする動きも出ています。
イベント・エンタメ関連の副業
コロナの影響で売上が大きく減ってしまったのは、飲食業界や旅行業界だけではありません。音楽や芸能・スポーツなどのイベント業界も人が集まることでビジネスが成り立っていただけに、コロナ禍にあっては壊滅的な打撃を被りました。これに伴ってイベントバイトや着ぐるみバイトなど、イベント関連の副業でも仕事がなくなったという嘆きの声が相次いでいます。
コロナ禍にあってはテレビ番組の収録も滞りがちで、スタジオにエキストラを集めて撮影を行う従来のスタイルが難しくなっている状況です。番組観覧のバイトも副業の一種に数えられていましたが、コロナの影響で募集が激減してしまいました。
この他にも撮影モデルの仕事が減ったという人や、イベントが中止されてコンパニオンの仕事がなくなったという人も少なくありません。結婚式代理出席や行列代行・場所取り代行といった代行の副業も、コロナ禍にあっては依頼そのものが減っている状況です。
広告収入に頼る副業は収入減の可能性も
飲食関連や旅行関連・イベント関連などはコロナの影響をもろに受けた例ですが、副業の中には間接的な影響で収入が減ってしまったという人もいます。アフィリエイトやYouTuberは企業からの広告収入が頼みの綱だけに、コロナ禍で広告出稿を抑える動きが広がるようになると収入減につながりかねません。
コロナ感染が拡大されて以降は民放テレビ局でもスポンサーの間で広告を控える動きが広がり、広告収入が減少していると言われています。テレビ受信機を持つ世帯から一律に受信料を徴収するNHKであれば、国会で予算が承認される限り番組制作費を大きく削る必要はありません。スポンサー企業の広告収入に依存する民放テレビ局はそういうわけにいかず、視聴率が悪くなくてもスポンサー受けが良くない番組の終了が相次いでいる状況です。
似たような現象は、同じように広告収入で稼ぐネット副業でも起こり得ます。YouTuberは巣ごもり需要を受けて動画の視聴回数が増加傾向で、一見すると「コロナに強い副業」の1つにも思いがちです。実際にコロナ禍で収益が増えたというYouTuberも少なくはありませんが、感染拡大が長引いて経済へのダメージが大きくなれば、今後は広告収入が減少に転じる可能性も否定できません。
これから副業YouTuberとしてデビューしようと考えている人は、そのへんのリスクも計算に入れた上で配信コンテンツを考える必要があります。むしろ投げ銭などで稼ぐライブ配信の方が、広告収入に依存しないという点で大きく伸びる可能性のある副業です。
ブログなどを使ったアフィリエイトも同様の状況ですが、コロナ禍で収益性を維持できるかどうかは掲載する広告次第の面もあります。これまで「稼げるジャンル」と言われた脱毛や美容関係などのジャンルは、コロナの影響もあって以前より稼ぎにくくなっている状況です。VODやネット婚活・オンライン英会話など、コロナ禍にあっても需要を伸ばしているジャンルの方が広告もクリックされやすくなります。
この他にもポスティングやティッシュ配り・チラシ配りのバイトは企業の宣伝広告費から給料が出ているため、多くの企業で広告費を縮小する動きが見られる中では求人減につながりかねません。今の状況が長引けば、アンケート・モニターやポイントサイトのお小遣い稼ぎにもマイナスの影響が及ぶ可能性があります。
いずれも今すぐに大きな影響が出るとは限りませんが、以上のような副業は企業の活発な宣伝広告活動に支えられてきたのも事実です。企業の広告が収入の源泉となっている副業は経済が好調な時期に強みを発揮する反面、コロナ禍のような経済の危機に際しては下火になる可能性があります。
コロナに強い副業まとめ
自粛生活が続く中では人々の消費マインドも冷え込みがちですが、テレワーク関連や巣ごもり需要を満たす副業はコロナ禍でも成長が続いています。人々の生活が制限されている状況を逆手に取って需要を大きく伸ばしている代行業もあれば、コロナの影響で仕事そのものがなくなってしまった代行業もあるという具合です。
これまでにクラスターが発生しているような業種に関わる副業は厳しい状況に置かれていますが、在宅で仕事が完結する副業やオンライン関係の副業はコロナに最も強いと言えます。精神的なストレスで心が不安定になっている人が増えている中では、電話占い・オンライン占いや愚痴聞きサービスも需要が拡大中です。時代の急激な変化を敏感に察知しつつ、ニーズが増えている仕事を選んだ方が副業でも成功しやすくなります。副業の選び方ひとつで月に得られる収入が大きく変わってきますので、可能な限り複数の副業を手がけながらリスクを分散するのが賢いやり方です。