インターネットが広く発達したおかげで、今では企業だけでなく個人でも広告収入を稼げる時代となりました。アフィリエイトやYouTuberが代表的な例ですが、アプリ開発や作品投稿など他にも広告で稼げる手段は数多く考え出されています。広告収入を稼ぐ手段が副業としてすっかり定着しているだけに、才覚しだいでは月に100万円以上の高収入を稼ぐことも夢ではありません。
そんな「広告収入で稼ぐ副業」を10種類選び、収益化を可能にする仕組みについて基本情報まとめてみました。アルバイトの仕事や労働集約型の副業が性に合わないという人でも、この記事を読めば自分に合った副業が見つかります。
広告収入で稼ぐ副業の特徴
ブログやYouTubeは基本的に無料のサービスで、記事を読んだり動画を視聴したりするのに普通はお金を払う必要がありません。それでいてブロガーやYouTuberが収入を得ているのは、記事や動画に広告が掲載されているからです。この仕組みを利用すればユーザーに金銭的な負担をかけることなく、企業と提携することで収入が得られるようになります。
視聴者やリスナーが無料で番組を視聴できる民放のテレビ局やラジオ局も、スポンサーのCMを流すことで収益が成り立っているのは承知の通りです。個人が広告収入で稼ぐ副業は、広告主となる企業の宣伝広告費が財源となります。個人対個人の取引で収入を得るタイプの副業と比べ、企業に支えられた副業は安定収入につながりやすいのが特徴です。アフィリエイトやYouTubeの動画投稿で広告収入を得ている人の中には、副業だけで年収1,000万円以上を稼いでいる人も少なくありません。
ただし広告収入で稼げる金額は、その人の持つ才覚や経験値にも大きく左右されます。トップアフィリエイターやYouTuberを真似して副業を始めながら、たいして稼げないままやめてしまう人も跡を絶ちません。
地道に働いて時給を稼ぐアルバイトの仕事などと比べ、稼げる人と稼げない人の格差が大きいのという点も広告収入の特徴として見逃せません。どのような媒体に広告を掲載するかによっても、市場規模と得られる収入の金額が大きく変わってきます。
今回取り上げるのは、以下のような10種類の副業です。
- アフィリエイト
- YouTuber
- アプリ広告
- SNS
- 作品広告
- ポッドキャスト配信
- フリーペーパー
- 看板広告
- 車体広告
- Tシャツ広告
中には副業として必ずしも確立されているわけではない広告収入の手段も含まれますが、アイデア次第では新たな広告ビジネスにもなり得ます。それぞれの副業について、企業の広告がどのようにして収入に結びつくのか見ていきましょう。
アフィリエイト
広告収入で稼ぐ副業の代表格は、ブログやサイト・メルマガを利用したアフィリエイトです。GoogleやYahoo!で「広告収入 副業」のキーワードを打ち込んで検索すると、アフィリエイトに関する情報が検索上位の9割ほどを占めています。
アフィリエイトはそれだけ広告収入を稼ぎやすい手段とも言えますが、誰でも簡単に収入が得られるというわけではありません。検索エンジンからの流入を主な集客手段とする限り、検索上位に表示されるようになるまでにある程度の時間がかかります。
実際に広告収入が入るようになるのは、ブログやサイトを開設して半年以上経ってからという例も少なくありません。この間はほとんど無収入でも、記事の投稿を続けるぐらいの辛抱強さが求められます。
アフィリエイトで記事やメルマガに掲載する広告には、以下のような種類があります。
- 表示されただけで報酬が発生するインプレッション報酬型広告
- Googleアドセンスなどのクリック報酬型広告
- 商品購入や資料請求などの成約を条件に報酬が発生する成果報酬型広告
中でも広告がクリックされただけで報酬が発生するGoogleアドセンスは、ブログを使ったアフィリエイトの主要な収益源です。クリック報酬型より単価が高い成果報酬型広告は、A8.netやバリューコマース・アクセストレードといったASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)が仲介しています。
大手通販サイトのAmazonや楽天市場でも、サイトで扱う商品を対象としたアフィリエイトプログラムを提供中です。成果報酬型広告の中には成約1件あたりの報酬が1万円以上の案件も少なくありませんが、クリック報酬型と比べて報酬発生のハードルは高くなります。
ブログアフィリエイト
個人が副業としてアフィリエイトに取り組もうという場合に、最も手軽に始められるのはブログを利用する方法です。雑記ブログでもアクセス数を多く集められれば、クリック報酬型の広告で稼げるようになります。
クリック報酬型広告で月に1万円を稼ぐには、月間PV数(ページが表示された回数)にして2万から3万以上が必要です。特定のジャンルやテーマを扱う特化型ブログなら、単価が高い成果報酬型広告で効率的に稼げる可能性があります。
無料ブログでもできないことはありませんが、アフィリエイトで稼いでいる人の多くはレンタルサーバーと契約して独自ドメインを取得している状況です。レンタルサーバーは安いプランだと月額500円程度の費用で、ドメインも安いものは年額数百円から数千円程度で取得できます。
ブログを作成するツールとしては、基本機能が無料で使えるWordPressが現在の主流です。ちなみに当ブログもレンタルサーバーと独自ドメインで運用し、WordPressを使って記事を投稿しています。
PPCアフィリエイト
GoogleやYahoo!で検索すると、打ち込んだキーワードと関連した「広告」が検索結果と並べて表示されます。この検索連動型広告は通常の検索結果と同じように、記事のタイトルと概要が表示される仕組みです。検索結果の1位より上に広告が表示されれば、検索ユーザーにクリックしてもらえる確率が上がります。
検索連動型広告はクリックされることで初めて費用が発生することから、「Pay Per Click」を略したPPC広告の一種です。検索連動型のPPC広告を利用して検索ユーザーを誘導するアフィリエイトの手法は、PPCアフィリエイトと呼ばれています。
この場合の広告費用は、キーワードごとにオークションで金額が決まる仕組みです。お金を出して検索上位表示を購入するのと同等の効果が得られるため、上位表示が難しい激戦区のキーワードなら費用対効果も期待できます。広告収入を得るために広告を自分で出稿することになるため、期待したほどの成果が得られなければ赤字になるリスクもあるアフィリエイトの手法です。
普通に検索上位を目指す手法と比べ、PPCアフィリエイトは手間をかけて記事コンテンツを作り込む必要がありません。広告費用さえ投じれば誰でも稼げる可能性がありましたが、以前と比べて稼ぎにくくなったとも言われています。その理由については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
トレンドアフィリエイト
芸能人のスキャンダルや世間を騒がしている事件など、一時的にキーワードの検索数が急上昇してトレンド入りするような話題もアフィリエイトの対象となり得ます。そのような話題を記事に取り上げ、クリック報酬型の広告を掲載して収益を得ようとするのがトレンドブログと呼ばれるアフィリエイトの手法です。
スキャンダルや事件について解説した記事をいち早く早く書き上げて投稿すれば、検索結果を独占できるため膨大なPV数を獲得できます。クリック報酬型の広告で得られる報酬はPV数に比例して増える傾向にあるため、ライバルより先に旬の話題を取り上げることで莫大な収益が得られるというわけです。
このようなトレンドアフィリエイトはブログアフィリエイトの一種とも言えますが、1つの記事で稼げるのは短期間に過ぎません。憶測に基づいた記事で誤った情報を広めてしまったり、プライバシー侵害や名誉毀損に走ったりするケースも多く、アフィリエイトとしては何かと問題のある手法です。トレンドブログの問題点については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
その他のアフィリエイト手法
アフィリエイトにはブログやサイトを利用する方法以外にも、メルマガやレンタル掲示板を利用した手法が考え出されています。メルマガアフィリエイトはその名の通り、広告を掲載したメールマガジンを配信して収益に結びつけようとする手法です。
あらかじめブログで情報を発信しておいて集客し、訪問ユーザーにメールアドレスを登録してもらいます。同意が得られた人に対してメルマガを配信し、成果報酬型広告を通じて広告主企業のサイトに誘導する仕組みです。
メルマガアフィリエイトを行うには、ステップメールを配信できるメルマガスタンドの利用が欠かせません。ステップメールというのは事前に用意しておいたメールを、スケジュールに合わせて定期的に配信する仕組みのことです。有料のメルマガスタンドを利用するのが一般的となっているため、サーバー代やドメイン代以外にも費用がかかってきます。
ユーザーの悩み解決につながる商品やサービスを売り込むには、ブログ単独でのアフィリエイトより高い効果を発揮できる可能性があります。扱う広告は有形の商品や無形のサービスだけに限らず、情報そのものを売る情報商材もメルマガアフィリエイトで扱う対象の1つです。
1つの商品で何十万円もする情報商材も珍しくないことから、一部では詐欺まがいの営業手法が問題となっています。メルマガアフィリエイトは宣伝効果の高い手法だけに、扱う商品が価格に見合った価値を持っているのかどうか、入念に吟味する作業も必要です。
レンタル掲示板を利用したアフィリエイトは2000年代に一世を風靡しましたが、コミュニケーションの手段がSNSに移った現在では下火となっています。今でも広告を掲載可能なレンタル掲示板サービスは存在するものの、収益を残すほどのユーザー数を集めるのは至難の業です。
やってはいけない広告収入の稼ぎ方
トレンドブログや情報商材アフィリエイトもそれ自体が違法というわけではありませんが、稼ぐ効率を最大化しようとして行き過ぎた手法に走りがちな点が問題でした。通常のアフィリエイトにおいても、健康食品や化粧品などは薬機法や景品表示法に抵触するような表現に注意する必要があります。広告収入を稼ぐ目的で、他者の著作権を侵害する行為に走るのもNGです。
2019年には漫画の海賊版をネット上で公開して莫大な広告収入を得ていた「漫画村」の元運営者が、著作権違反の容疑で逮捕されました。海賊版サイトで広告収入を稼ぐ手法は、通常のアフィリエイトと基本的には変わりありません。膨大なPV数を集めていたため、最盛期には月間の広告収入が6,000万円前後に達していたと言われています。
著作権違反のような違法行為を行うサイトに広告を出稿していた事実が発覚した場合には、広告主の企業も連帯責任を問われかねない立場です。アフィリエイトに取り組む際には、広告主の企業に迷惑をかけることのないように配慮する必要があります。
YouTuber
広告収入で稼ぐ副業としてアフィリエイトに劣らず人気を集めているのは、「小学生の将来なりたい職業」ランキングでも上位に入るようになったYouTuberです。事務所に所属しながら本業として活動している人もいますが、ほとんどのYouTuberは副業として動画を投稿している人たちです。
最近はYouTuberの収益源も多様化し、企業とのタイアップ案件やテレビ出演、YouTubeライブでの投げ銭収入で稼ぐ人も出てきました。そうした中でも動画再生画面に表示される広告は、YouTubeで収入を得るための主要な手段です。
広告で報酬が発生する条件はブログなどのアフィリエイトと異なり、少々複雑な面もあります。YouTuberが広告収入を稼ぐ仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しておきました。
YouTubeの動画投稿もアフィリエイトと同じように、誰でも簡単に広告収入で稼げるというわけではありません。2018年にYouTubeパートナープログラムの規約が改正され、投稿した動画に広告を掲載できる条件が厳しくなりました。YouTubeの公式サイトによると、パートナープログラム利用資格の最低要件は以下の通りです。
- すべての YouTube の収益化ポリシーを遵守している。
- YouTube パートナー プログラムを利用可能な国や地域に居住している。
- 有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上である。
- チャンネル登録者数が 1,000 人以上である。
- リンクされている AdSense アカウントを持っている。
特に(3)と(4)の条件が加わったことによって、初心者がYouTubeで広告収入を稼ぐのは難しくなりました。YouTubeに掲載される広告もアフィリエイトのクリック報酬型広告と同様に、動画の再生回数に比例して収入が増える傾向にあります。1再生あたり0.1円が、YouTubeで稼げる広告収入の平均的な相場です。
条件を満たして広告を掲載できるようになっても、副業と言えるほどまとまった収入を得るにはかなりの再生回数を稼ぐ必要があります。チャンネル全体の総再生回数は投稿した動画の本数にも比例しますので、しばらくは無収入でも動画を毎日投稿するぐらいの粘り強さが必要です。
もっと手っ取り早く広告収入を稼ごうとするあまり、1本で爆発的な再生回数を稼げるような動画を投稿する人も少なくありません。インパクトのある動画を撮影するために危険を冒したり、迷惑行為に走ったりするような例も見られます。
トップクラスのYouTuberになると億単位の収入を稼いでいると言われる世界ですが、動画投稿による広告収入だけで生活しているのは一部の人に過ぎません。多くのYouTuberは他の副業と同様に、地道な努力の積み重ねで収益を得ているのです。
アプリ広告
プログラミングの得意な人であれば、自分で開発したアプリの画面に広告を配信して稼げる可能性があります。アプリ広告の配信を行うアドネットワークと契約すれば、ブログやサイトのアフィリエイトと同じように広告が表示される仕組みです。アプリそのものは基本的に無料で公開することになりますが、広告が利用されることで報酬が発生します。Googleの運営するAdmobや、nend・i-mobileといったところがアプリ広告の代表的なアドネットワークです。
アプリ広告にもアフィリエイト広告と同じように、「インプレッション報酬型」と「クリック報酬型」「成果報酬型」の3種類があります。特にCPI方式の成果報酬型広告は、ダウンロードされたアプリが初回起動しただけで報酬が発生する仕組みです。
無料アプリは有料アプリよりダウンロードのハードルが低いだけに、アプリを有料販売するよりも稼ぎやすいと言えます。アプリ広告の仕組みや導入方法については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
ゲーム広告の勧誘には要注意
アプリ広告で稼ぐ副業を始めるにはプログラミングのスキルも必要ですが、SNS上では「誰でもスマホ1つで簡単に稼げる」と称してゲーム広告に勧誘する例が確認されています。この場合のゲーム広告というのは自分で開発したアプリに広告を配信するのではなく、海外のオンラインカジノゲームを扱うゲーミングアフィリエイトです。
この手の勧誘ではマルチ商法が横行していて、個人代理店登録の費用として20万円前後の代金を要求されるケースも少なくありません。高額の代金を払った後で、相手と連絡が取れなくなるような詐欺の被害も出ています。オンラインカジノ自体も日本では法的にグレーゾーンの状態ですので、「ゲーム広告の副業で月に5、6万円稼げる」などという勧誘には応じないのが賢明な判断です。
SNSで広告収入を稼ぐ方法
ブログを利用したアフィリエイトは方法論が確立されていますが、TwitterやインスタグラムなどのSNSは広告収入を稼ぐのに不向きとも言われてきました。Facebookも含め、基本的に無料で利用できるSNSにもブログと同じように広告が掲載されてはいます。
それらの広告は無料ブログで表示される広告のようなもので、利用ユーザーの収益には結びつきません。便利なSNSのサービスを無料で利用できるようにするため、運営会社がスポンサーの広告を掲載しているからです。
ブログと違ってSNSの投稿そのものには、基本的にアフィリエイトの広告リンクを掲載できない決まりとなっています。とは言えSNSを利用して広告収入を稼ぐ方法も、ないわけではありません。インフルエンサーと呼ばれるほど多くのフォロワーを持つ人であれば、企業のPR投稿で稼ぐことも可能です。
ブログとSNSを連携させ、アフィリエイト広告を掲載した記事へと誘導する手もあります。この他にSNSで広告収入を稼ぐ方法はプラットフォームごとに異なりますので、Twitterとインスタグラムに分けて解説します。
X(旧Twitter)
140文字以内の短文投稿で「今」を世界に発信できる旧TwitterのXは、検索エンジン代わりの情報収集手段としても利用されている状況です。Xを上手に活用すれば、GoogleやYahoo!の検索で上位を得られなくても広告収入を稼げる可能性があります。
ただしXの投稿には、A8ネットなどのASP広告やGoogleアドセンスの広告を直接貼ることができません。唯一の例外が、楽天市場の商品扱うアフィリエイトプログラムです。楽天アフィリエイトならXの投稿にも広告リンクが掲載できるため、ブログを持っていない人でも広告収入を稼げる可能性が出てます。
もちろんXのようなSNSでは露骨な宣伝が嫌われる傾向にありますので、広告のカラーを打ち出しすぎないように注意が必要です。フォロワーのためになる情報や面白い文章を投稿しながら、その中にさり気なく広告リンクを紛れ込ませるようにするといいでしょう。
インスタグラム
写真の投稿を通じてフォロワーと交流するSNSのインスタグラムでも、年に1,000万円以上を稼ぎ出すインフルエンサーが輩出しています。インスタグラマーの主な収益源は企業のPR投稿ですが、投稿そのものに広告リンクを貼る方法がないわけではありません。
通常の投稿と違ってストーリーズの投稿には、一定の条件を満たすことで広告リンクを掲載できるようになります。フォロワー数が1万人以上という条件が必要なため、誰でもインスタグラムで簡単に広告収入を稼げるというわけではありません。
インスタグラムのストーリーズ投稿に対応したASPもA8.netなどに限られますが、Xの楽天アフィリエイトより高単価の報酬がかかる広告も掲載可能です。
ストーリーズの投稿は24時間経過すると消えてしまいますので、広告リンクを掲載した投稿はハイライト機能を使ってプロフィールに残しておくといいでしょう。インスタグラムを利用して広告収入を稼ぐ方法についても、以下の記事で詳しい情報をまとめておきました。
作品投稿
ブログを使ったアフィリエイトやYouTubeの動画投稿と比べると比較的マイナーな方法ですが、小説や漫画の作品を無料で公開して広告収入を稼げるサイトも存在します。今はプロの小説家や漫画家にならなくても、作品を書いて収入を得る手段が数多く考え出されているのです。
自分で開設したブログに作品を投稿して広告を掲載することも可能ですが、ブログを訪れる人がいなくては広告収入も稼げません。無料で読める作品が数多く投稿されているサイトや写真・イラストなどのフリー素材サイトには、読者や利用ユーザーも多く集まってきます。ブログと違って自分で集客する必要がないため、このようなサイトを利用すれば作品作りに専念できるという点がメリットです。
基本的に無料で利用できる作品投稿サイトの多くは、サイト内に掲載される広告収入で運営されています。作品を投稿したクリエイターにその収益を還元しているサイトも少なくないため、作品を無料で公開しても収入を得られるというわけです。「小説」と「漫画」「写真・イラスト」に分け、それぞれ代表的な作品投稿サイトを紹介します。
小説投稿
インターネット上で誰でも小説が投稿して公開できるサイトとしては、小説家になろうが最も有名な存在です。投稿作品が出版社の目に留まってプロの小説家としてデビューした人もいますが、小説家になろうのサイトそのものには投稿者が広告収入で稼げる仕組みがありません。
電子書籍などを通じて小説作品を販売しようとしても、無名の作者が書いた作品ではなかなか売れないのが普通です。むしろ投稿サイトを利用して作品を無料で公開し、広告収入の還元を受ける方が少しでも稼げる可能性があります。以下のようなサイトが、広告収入の還元を実施しています。
- カクヨム
- アルファポリス
- ノベルバ
- 作家生活オンライン
作家生活オンライン以外は、基本的に作品のPV数(表示回数)に応じて広告収入が増える仕組みが採用されています。広告収入が還元される仕組みや金額はサイトによって異なりますので、以下の記事で詳しく解説しておきました。
漫画投稿
誰でも漫画を投稿して無料で公開できるサイトは数多く存在しますが、広告収入を稼げるサイトはごく一部にとどまります。その中で最も人気を集めているのは、集英社が運営するジャンプルーキーです。
サイトの広告収入をクリエイターに還元しているというわけではなく、自分の投稿作品に広告を掲載できるようになっています。ブログの記事に広告を掲載するアフィリエイトと似た仕組みで、獲得した報酬は100%自分の収入になる仕組みです。
この他にアルファポリスや4コマgramにも、サイトの広告収入がクリエイターに還元されるプログラムがあります。前述のパートナープログラム参加要件を満たしている必要はありますが、YouTubeでも漫画動画を投稿する方法なら広告収入を稼げる可能性があります。この場合はナレーションやBGMを加え、動画編集の作業も必要です。
写真・イラスト投稿
インターネット上には写真やイラスト・映像など、画像や動画・音声の素材を販売しているサイトが数多く存在します。そうしたサイトにはストックフォトやストックイラストなど素材を有料販売しているサイトもあれば、無料で素材をダウンロードできるフリー素材サイトもあるという状況です。
フリー素材サイトに写真やイラストを投稿したのでは1円の収入にもならないと思いがちですが、小説や漫画作品と同じように広告収入の還元を受けるという手もあります。ACワークス株式会社が運営する写真ACとイラストACは、クリエイターへの広告収入還元を行っているサイトの1つです。
いずれも投稿した写真やイラストがダウンロードされるごとに、数円程度の報酬が発生します。1ダウンロードで得られる報酬は微々たる金額に過ぎませんが、有料の素材と比べて無料の素材は気軽にダウンロードしやすいのが特徴です。
ストックフォトやストックイラストサイトで作品を販売しても、1枚も売れなければ収入が得られません。作品を数多く投稿しておけばチリツモ方式で金額が積み上がり、有料販売するよりも稼げるようになる可能性があります。写真やイラストの投稿で稼ぐ方法については、以下2つの記事でそれぞれ詳しく解説しておきました。
ポッドキャスト配信
テレビが普及して以降もラジオが長く生き残ったことでもわかるように、音声メディアには映像にない魅力があります。現在はradiko(ラジコ)を使って聴けるインターネットラジオが人気を集めていますが、個人でもポッドキャストのサービスを利用すれば音声コンテンツの配信が可能です。
RSSの仕組みを利用して配信を行うApple PodcastやGoogle Podcastsだけでなく、VoicyやSPOONなど独立系の配信サービスも続々とリリースされています。
ポッドキャストの配信で収入を得る手段は、投げ銭で稼ぐ方法と広告収入で稼ぐ方法、有料コンテンツの販売で稼ぐ方法の3通りが考えられます。このうち広告収入で稼ぐ方法は、デジタル音声広告を配信するオーデオアドを利用するのが一般的です。
独立系ポッドキャストのVoicyやstand.fm・Radiotalkには、収益の還元を受けられる独自のパートナープログラムがあります。ポッドキャストの配信で収入を得る方法については、以下の記事で詳しく解説しておきました。
フリーペーパー
以上で紹介したのはいずれもインターネットを利用して広告収入を稼ぐ方法でしたが、街のリアル空間にもさまざまな種類の広告が見られます。中には個人でも広告を掲載して収入が得られる方法がありますので、ここからはアナログの手法について紹介します。
まずは駅やコンビニ・書店などに置かれているフリーペーパーを使って、広告収入を稼ぐ方法です。フリーペーパーを発行するには取材やDTPデザイン・印刷などに費用がかかりますが、紙面(誌面)に広告を掲載することで無料配布が可能になります。広告収入がフリーペーパー発行コストを上回れば収支が黒字となり、副業としても成り立つようになるというわけです。
インターネットを利用して広告収入を稼ぐ方法と比べて難易度が高めの手法ですが、紙媒体なら中高年層などネットをあまり利用しない年代にも読んでもらえる可能性があります。販売数の落ち込みが激しい有料の新聞や雑誌と比べ、フリーペーパーの発行部数は減少幅が小さく健闘の部類です。軌道に乗るまでの制作費用を準備できるだけの余裕がある人は、チャレンジしてみる価値があります。
看板広告
幹線道路沿いや繁華街に土地や建物の不動産を所有している人なら、看板広告も「広告収入で稼ぐ副業」の1つです。この場合は副業と言うより権利収入と表現するのが妥当で、副業禁止の会社に勤めるサラリーマンや公務員でも副収入を得る手段になり得ます。建物を建てるのに向かないような狭小地や形のいびつな空き地でも、1畳ほどのスペースがあれば野立看板を設置することが可能です。
自分の土地や建物に設置する方法だけでなく、他人の不動産に設置するよう交渉するという稼ぎ方も考えられます。適した場所を探し出して不動産の持ち主と交渉し、広告主を紹介することで手数料収入を得る手法です。自分自身がオーナーになる場合と違って不労所得を稼ぐというわけにはいきませんが、看板広告で稼ぐ副業には賃貸住宅に住んでいる人にもチャンスがあります。
車体広告
街を歩いていて広告を目にするのは、看板や横断幕のように固定された屋外広告物だけではありません。電車やバス・トラックなど、移動する車両のボディを使った車体広告もその1つです。電車やバスの車体広告では個人が収入を得る手段になりませんが、トラックや乗用車であれば可能性が出てきます。
実際にトラックの車体に広告を表示するアドトラックの手法が生み出され、大都市を中心に街で見かける機会が増えている状況です。アドトラックのドライバーは時給や日給の形で給料が支払われるケースが多く、個人が広告主から報酬を直接受け取るわけではありません。以下の記事でアドトラックドライバーについて詳しく解説しておきましたので、興味がある人は読んでみるといいでしょう。
自分の所有する乗用車に広告ステッカーを貼って走行するマイカースポンサーなら、個人で広告収入を稼ぐことが可能になります。専用アプリを使ってステッカーを貼ったリアウィンドウと走行メーターを撮影し、実際に走行した事実を証明する仕組みです。
Tシャツ広告
広告収入で稼ぐ方法として最後に紹介するのは、実際に副業としては確立されていない「Tシャツ広告」です。米国で企業のロゴ入りTシャツを着て広告収入を得ている男性が、2009年に日本のニュースメディアでも紹介されました。
この男性は広告入りのTシャツをただ着用して街を歩くだけでなく、自身の姿を写真や動画で撮影し、FacebookやYouTubeに投稿しています。インターネットも駆使しながら宣伝効果を高めることで、スポンサー企業に大きく貢献していたのです。
2010年前後にはTシャツ広告がちょっとしたブームになりましたが、広告収入を得る手段としては今ひとつ定着しませんでした。似たような職業としてはちんどん屋やサンドイッチマンが古くから存在するくらいで、一種の大道芸として広告パフォーマンスを行う仕事にはまだまだ一定の需要があるはずです。個人でもオリジナルTシャツを簡単に作れるサービスがありますので、企業との交渉しだいでは今後もTシャツ広告が副業の手段になり得ます。
広告で稼ぐ副業番外編
以上は個人で広告収入を稼ぐ副業の手段でしたが、企業の宣伝活動に協力することで間接的に広告収入を得る方法は他にもあります。住宅の郵便受けのチラシ広告を投函するポスティングや、街角に立ってチラシを配るアルバイトの仕事もその1つです。広告収入で稼ぐ副業の番外編として、それらのアルバイトについても触れておきます。
ポスティング
チラシ広告を配布する手段には新聞折込や街角で直接手渡しする方法の他に、家々の郵便受けに投函するポスティングがあります。この方法なら新聞を購読していない家にもチラシを届けられるため、飲食店や不動産業者などの宣伝手法として活用されてきました。
ポスティングで投函作業を行うアルバイトの給料は時給制で支払われる場合と、チラシ1部あたりいくらという形の歩合給で支払われる場合があります。歩合給で効率よく配布できるようになれば、時給換算で高収入を稼ぐことも不可能ではありません。ポスティングは主婦の副業としても利用されていますが、体力にある程度の自信がある人に向いた仕事です。
チラシ配り・ティッシュ配り
ポスティングに比べると、街角に立って行うチラシ配りのバイトはあまり移動しなくて済む分だけ楽そうに見えます。実際には長時間の立ち仕事で天候の影響も受けやすく、想像以上に体力を使う仕事です。
街でよく見かけるティッシュ配りのバイトもポケットティッシュが広告も兼ねているため、チラシ配りと共通する面があります。どちらも通行人に受け取ってもらうにはコツがあって、受け取りを拒否されても気にしないぐらいのメンタルが必要です。どちらか言うと接客に近い仕事で、「広告収入で稼ぐ副業」というコンセプトからは少々外れるかもしれません。
広告収入で稼ぐ副業まとめ
インターネット上にもリアル空間にも数多くの広告で溢れかえっているだけに、以上のように広告収入で稼ぐさまざまな手段が考え出されてきました。広告を利用しながら専業にするほどの収入を得るのは難しいのが現状で、ほとんどの手段は副業レベルの収入にとどまります。市場規模の大きいアフィリエイトやYouTuberで成功を収めれば、副業から脱して本職にすることも十分に可能です。
作品投稿やポッドキャスト配信で高収入を稼ぐのは至難の業ですが、お小遣い稼ぎをする手段にはなり得ます。看板広告や車体広告も含め、インターネット以外にも広告収入を得る手段はまだまだ残されています。副業にまで普通に働いて給料をもらうような仕事をしたくないという人は、広告収入で稼げるようにチャレンジしてみるといいでしょう。
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